2020年3月31日 (火)

No219 春霞賞候補作紹介 2019年12月号

詰パラ201912月号の春霞賞候補作を紹介します。

■創棋会3 大崎壮太郎氏作
◇不利逃避のための捨合


44飛引成、26玉、35龍、同玉、44角、36玉、34飛、35桂合
同飛、26玉15飛、36玉、35飛、47玉、39桂、同歩成、
38角、同と、48歩、同と、56銀、46玉、47歩、同と、
55銀 まで25手詰

會場健大-玉の身のかわしだけでなく、合駒で駒の経路を変えさせることで取らせを実現するというのは新構想。その前に馬の利きを通す序もうまく決まっている。
馬屋原剛-①飛車捨てによって48へ利きを通す ②不利逃避によって、48への利きをなくす ③不利逃避で入手した駒で再び48へ利かす といった48への利きを巡るストーリーが素晴らしい。構想作として理想的な構成となっている。
久保紀貴-不利逃避のために桂まで渡す主眼部分はもちろんだが、それが一貫したストーリーの中に配されている点を評価したい。 「馬の利きを通して打歩詰を解消しようとしたら、その馬を渡すための桂合+不利逃避で受けられた。そこで、もらった角桂で歩を成らせて再び打歩詰を解消する」という構成がお見事。
太刀岡甫-桂捨合の効果は26を開けることしかないので、純粋に不利逃避のための合駒といえる。構想がわかりやすい作りなのが嬉しい。不利逃避を目的にするというのは新しく、さらなる発展の可能性も秘めていそう。主眼の前に馬筋を通すための26歩消去を入れたのも理想的な序。収束も過不足なく決まっている。


※不利逃避で角を消去するために捨合をする。つまり、角を渡すために桂まで差し出しながら、それでもバランスが取れているのは、作者の選んだ構図の優秀さを示しています。
完成度の高い逸品です。

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No. 218 第352回詰工房例会報告

321日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、池○俊哉、井○徹也、今○修、稲○元孝、岩○修、馬○原剛、沖○幸、金○清志、岸○裕真、久○紀貴、小○正浩、鈴○優希、田○雄大、竹○健一、太○岡甫、野○村○彦、長○川○地、渕○上悠、細○吉嗣、柳○明、山○大輔、和○積商、田中徹 以上25
2次会から参加 芹○修(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■コロナウィルス感染拡大の影響により、解答選手権も中止に追い込まれる中、会場には多数の詰キストが集結。
皆さん待ちかねていたのでしょう。こころなしか、いつもより楽しげな雰囲気が伝わってくるようです。

■解答選手権関係の打ち合わせをしたり、紹介予定作の復習をしたりするうちに、定刻の3時となり、春霞賞の選考会開始です。
今月の進行役は會○さん。12月は詰棋校が休みなので、構想作は少ないのが普通ですが、今回はノミネート8局と豊作でした。
内容的にも見応えのある作品が多く、接戦を予想していましたが、投票の結果大崎氏の作品が余裕をもって逃げ切りました。

12月号 春霞賞候補作
創棋会3 大崎壮太郎氏作

内容については、別頁にてご紹介します。

■スマホ詰パラからは今回も2局ご紹介します。

スマホ詰パラ 20202
No.14311 keima82氏作


13と、同玉、12桂成、14玉、84飛、(イ)74香、同飛、34香合、同飛、同桂、13成桂、15玉、24銀、25玉、26香、同玉、35角、25玉、26香、同桂、52馬、34香合、同馬、同玉、53角成、36銀成、23銀生、33玉、35香、同成銀、34香、同成銀、同銀生、同玉、37飛、24玉、35馬、33玉、44馬、42玉、33飛成、51玉、52銀、同玉、34馬、41玉、43龍、42飛合、同龍、同玉、43飛、52玉、(A73飛成41玉、71龍、同銀、52金、32玉、23成桂まで59手詰

(イ)で34香合41馬以下非常に難解ながら早詰あり。そこで馬筋を止めるため74に合駒をすることになりますが、(イ)74歩合で、同飛同香では、13成桂、15玉、24銀、25玉、26歩、同玉、35角、36玉、37香、25玉、27飛、34玉、53角成、36合、44馬迄。
そこで、(イ)74歩合同飛の時、34香合とするのがうまい延命手段。
ところがこれで作意手順通りに進めていくと、(A73飛成の時に73の香を取れるので、同手数駒余りになってしまいます。
故に、(イ)で74香と移動中合するのが最善(駒が余らない)になる、という仕組みです。
新種のやけくそ中合といった趣ですが、移動中合してからその理由が判明するまで47手(!)という驚くべきスパンの遅効手であり、ほとんど前例がないのではないでしょうか。

スマホ詰パラ 20202
No.14330 relax氏作


初形「」に始まり、→「」→「」→「」→「」→「」→「」と次々にカナ文字が現れる7段曲詰。
オール打ち捨てで、しかも初形で3段目にいた角と銀が、詰上りでは1段目の2枚の香と入れ替わっているというオマケ付き。手順もきちんと限定されていて、類作さえなければ、歴史に残るべき作品です。

5時からはいつもの店で2次会です。自分は町内会の会合があり、そのまま失礼させていただきました。

この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。
どうやら遅くまで盛り上がったようですね。

■自粛、自粛で皆さん本当にうんざりしていたのでしょう。顔を合わせてたわいもない話をする、それだけのことが実はとても貴重なことなのだと、思いを新たにしました。

ここ数日で一気に感染のペースが拡大し、今やいつ「非常事態宣言」が出されてもおかしくない状況です。先が見通せないだけに、陰鬱な思いが募ります。

ただ、詰キストは盤駒さえあれば自宅にいても不自由はないはず。
むしろこの自粛期間中に、名作・傑作がいくつも生まれることを期待したいと思います。

■ではまた。

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2020年3月 2日 (月)

No. 217 春霞賞候補作紹介 2019年11月号

2019年11月号の春霞賞候補作をご紹介します。

■大学院10 田島秀男氏作     
◇馬筋遮蔽駒スイッチ型複式馬鋸


19飛、28玉、55角、46香合、同角、同成桂』=『A』
19飛、28玉、55角、46香合、同角、同と』=『A’』
29飛右、17玉、19香、18角合』 =『B』
18香、同玉、19飛、28玉、29飛左、38玉、
65角、47香合、同角、同成桂、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉』=『C』
18香、同玉、19飛、28玉、29飛左、38玉、
65角、47香合、同角、同と、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉』=『C’』
39飛、28玉、29飛右、17玉、19香、18角合、
同香、同玉』=『D』 とする

<作意>
39飛、28玉、29飛打、18玉、19飛、28玉、29飛左、38玉、
37と、同成桂、56角、47香合、同角、同成桂、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉、73金36と、
19飛、28玉、55角、46香合、同角、同成桂、29飛右、17玉、
19香、18角合、71馬、35と、18香、同玉、19飛、28玉、
29飛左、38玉、65角、47香合、同角、同成桂、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉、
72馬、36と、 『A』『B』62馬、35と、『C』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、74馬、47成桂、『D』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A’』『B』62馬、35成桂、『C’』
72馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、83馬、47成桂、『D』
72馬、36と、 『A』『B』62馬、35と、『C』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A』『B』62馬、35成桂、『C’』
72馬、36成桂、『A’』『B』71馬、35成桂、『C’』
81馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、92馬、47成桂、『D』
81馬、36と、 『A』『B』71馬、35と、『C』
72馬、36と、 『A』『B』62馬、35と、『C』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A’』『B』62馬、35成桂、『C’』
72馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、
83馬、47成桂、39香、49玉、94馬、同金、
34香、58玉、59飛、67玉、66金、77玉、
78香、同玉、79飛、87玉、88歩、97玉、
98歩、同玉、99飛、88玉、89飛左、97玉、
98歩、同玉、99香 まで743手詰

太刀岡甫-と金と成桂の位置関係という非常にシンプルな仕掛けで馬鋸の往復を成立させ、700手超えの長手数を実現した作。成駒を入れ替えるのは局面の微小変化ということができ、その構図が新しければ構想作と言ってよいでしょう。
ただ、構想というよりも長手数化に重きが置かれているのは還元型無駄合利用からも明らかだと思います。
會場健大-遮蔽駒のスイッチでこんなに手数が延びるとは!  二枚飛車と馬ノコの組み合わせ自体はよく目にするだけに、こんな発展の可能性があったのかと本当に驚いた作品で、長編作品として心からの賛辞を惜しまない。
ただし、選ぶ側の問題として、すごい作品だからとノミネートさせていくだけでは看寿賞と変わらなくなってしまうという指摘には向き合わねばならない。
久保紀貴-1枚剥がすたびに馬を引きつけ、成駒の位置を変えさせる必要がある点に新鮮味を感じる。
馬屋原剛-剥がすたびに一旦馬を近づける必要がある構成はi'll be backと似ているが、1サイクルの趣向手順や、成駒の位置変換の仕組みは遥かに複雑かつ巧妙に造られている。馬ノコによる成駒の位置変換は、同作者のキューブを彷彿とさせるが、キューブに比べるとまだ理解の及ぶ範囲か。成駒の位置変換は今後の超長編のトレンドになるかもしれない。そんな可能性を感じさせる一局。
構想作かどうかは疑問だが傑作であることは間違いない。

※局面還元型無駄合を含む本作。この無駄合についてスタッフに聞いてみたところ、容認派もいれば条件付き容認派もいて、それぞれの解釈に微妙な温度差があるように感じました。ただ、出題時に無駄合が含まれる旨明記すべきという点では、皆概ね一致していました。
面白かったのは「フェアリーに半歩入った感じ」という回答で、言い得て妙なりと感心した次第。
結局、10人いれば10通りの考え方があるからこそ、無駄合論議も規約問題も果てがないのでしょうね。


<参考図>
近代将棋  199612月号 
河原泰之氏作  「I'll be back


38と左、49玉、48と左、59玉、
58と左、69玉、68と左、79玉』=『A』
78と右、69玉、68と右、59玉、
58と右、49玉、48と右、39玉』=『B』とする

<作意>
79金、同玉、78と引、69玉、68と右、59玉、58と右、49玉、
48と右、39玉、29金、同玉、28と引、39玉、38と右、29玉、
21龍、26と、28と左、39玉、32龍、36と、38と右、29玉、
23龍、26と、28と左、39玉、34龍、36と、38と右、29玉、
25龍、26と、28と左、39玉、『A』
75龍、76と、78と左、89玉、85龍、86と、88と右、79玉、
『B』
35龍、36と、38と右、29玉、24龍、26と、28と左、39玉、
33龍、36と、『A』
73龍、76と、『B』38と右、29玉、
23龍、26と、28と左、39玉、34龍、36と、38と右、29玉、
25龍、26と、28と左、39玉、『A』78と左、89玉、
85龍、86と、88と右、79玉、『B』
35龍、36と、38と右、29玉、24龍、26と、28と左、39玉、
33龍、36と、38と右、29玉、22龍、26と、28と左、39玉、
『A』
72龍、76と、『B』
32龍、36と、38と右、29玉、23龍、26と、28と左、39玉、
34龍、36と、38と右、29玉、25龍、26と、28と左、39玉、
『A』78と左、89玉、
85龍、86と、88と右、79玉、『B』
35龍、36と、38と右、29玉、24龍、26と、28と左、39玉、
33龍、36と、38と右、29玉、22龍、26と、28と左、39玉、
31龍、36と、『A』
71龍、76と、『B』38と右、29玉、
21龍、26と、28と左、39玉、32龍、36と、38と右、29玉、
23龍、26と、28と左、39玉、34龍、36と、38と右、29玉、
25龍、26と、28と左、39玉、『A』78と左、89玉、
85龍、86と、79と、98玉、87銀、同と、同龍、同玉、
88と、76玉、77と左、65玉、66と、64玉、75と、63玉、
53銀成、同玉、45桂、52玉、62角成、同玉、44角、52玉、
53桂成、51玉、33角成、61玉、43馬、72玉、64桂、81玉、
54馬、同飛、82歩、同玉、83歩、81玉、82香、71玉、
72歩、61玉、52桂成、72玉、62成桂寄、73玉、63成桂引
 まで311手詰

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2020年3月 1日 (日)

No. 216 第351回詰工房例会報告

223日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、荒○貴道、池○俊哉、稲○元孝、馬○原剛、大○孝、沖○幸、金○清志、金○タ○シ、小○正浩、竹○健一、太○岡甫、深○一伸、渕○上悠、細○吉嗣、宮○敦史、柳○明、田中徹 以上19名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■小学生の渕○上クンが初参加。
楽しんでもらえたでしょうか。また遊びに来てください。

■やはり気になるコロナウィルスの感染拡大。
例会の席でも解答選手権に向けて、色々と対策が話し合われていましたが、残念ながら、本日チャンピオン戦の中止が発表になりました。
様々なイベントやスポーツの大会で自粛が相次ぐ中での、苦渋の決断だったと思います。

感染拡大防止に積極的な姿勢をアピールしたい安倍総理ですが、今回の「要請」はどうだったか。
学校だけ休みにしたって、感染が止まるとは考えにくい。国民の間に一気に自粛ムードが広がるという効果はありましたが…。
一体いつになったら収束することやら。

3時少し前、春霞賞の選考会開始です。
進行役の太○岡さんによる解説の後、投票に移ります。
そして候補に残ったのが、これ。

大学院10 田島秀男氏作

内容については、別頁にてご紹介します。

■続いて、スマホ詰パラから2局ご紹介します。

スマホ詰パラ 20201
No.14161 わかば氏作


19手目34龍が渋い一手。21玉には11歩成~14龍、22玉なら14桂~35角成の筋があって、ピッタリ捕まります。
対する33歩合が、同龍なら21玉で打歩詰を見た好防手。収束はいかにも変長や非限定がありそうに見えて、どうやら割り切れているようです。
比較的簡素な形からの、意外性のある攻防が見所です。

スマホ詰パラ 20201
No.14171 aaa太刀岡氏作 「ヘンゼルの道しるべ」


角不成による連取りと馬鋸の組合せは珍しくありませんが、本作は2つの趣向がシームレスで繋がっているのが大きな特徴。
盤面鶯図式に始まり、粘りある収束も力強く、記憶に残る一局です。

5時からはいつもの店で2次会です。自分は寝不足と娘のお迎えがあったため、そのまま失礼させていただきました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■次回の詰工房は321日の予定。もしやこちらも中止だなんてことは…?

■ではまた。

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2020年2月 3日 (月)

No.215 春霞賞候補作紹介 2019年10月号

詰パラ201910月号の春霞賞候補作をご紹介します。

■高等学校20 有吉弘敏氏作     
◇同一駒による3度の移動中合


76桂、65角64銀、54玉、59飛、56角55銀打、45玉、
49飛、47角成46銀打、56玉、34馬、65玉、69飛、同馬、
57桂 まで17手詰

會場健大-同一角での移動中合3回はインパクト大。2手ずつ逆算して得られそうにない手順という意味では構想してまとめた作品と呼べると思う。原理は比較的単純なのもうれしい。
久保紀貴-構想というよりは趣向といった感じですが、傑作には違いないですね。最後に飛がスイッチバックで消えるところも気に入りました。
太刀岡甫-移動中合を趣向的に繰り返す作。このような手順は見たことがないので構想と言っていいと思います。さらに収束でスイッチバックの飛捨てが入るのが良く、これにより成限定になっているのも巧すぎる構成です。
馬屋原剛角の移動中合3回はインパクト大ですね。規則的な趣向ですが、仕組みは単純ではなく、絶妙な空間処理によって支えられていると感じました。


■大学院7 馬屋原剛氏作  「円環の理」    
◇成駒変換


35歩、45玉、23馬、34歩合、同歩、56玉、33歩成、57玉、
13馬、67玉、68飛、76玉、78飛、86玉、88飛、95玉』
『A』とする

23角成、57玉、13馬、67玉、68飛、76玉、78飛、86玉、
88飛、95玉、94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、
73と右、64玉、63と右、54玉、53と右、44玉、43金34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、5344玉、43と、34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73と右、64玉、
63金54玉、53と、44玉、43と右、34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73金64玉、
63と、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83金74玉、73と、64玉、
63と右、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、『A』、
94と、同玉、93金84玉、83と、74玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、『A』
94、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、35歩、45玉、
23馬、46玉、36と、同玉、47金、26玉、27と、同玉、
45馬、26玉、36馬 まで217手詰

馬屋原剛構想として取り上げていただいたのが意外でした。富沢作や、やよい作と本質的には同じで、回数を増やしただけと思っています。
會場健大-作者自認のとおり新構想というわけでもないが、本人がちょっとした工夫と思っていることがジャンプアップということは多々あるもので、歩を使って実現したのはやはり偉い。
太刀岡甫-駒の性能は全く変わらず、文字だけが微妙に動いていく。歩を使えば回数を増やせると思いついたとしても、33歩成を実現する構図は相当難度の高い創作であったはず。長手数化に加え、大量のと⇔1枚の金の対比がよりクリアになったように思います。
久保紀貴-こちらも趣向テイストですが、趣向の目的が「歩ではなく金を渡す」ところにあるのが構想チックです。桂でやった前例があるのは辛いところですが、なぜか本作の表現の方が構想味を感じました。歩と金だと性能差が明確だからでしょうか?
安武利太-「円環の理」についてご本人は、「構想作に分類されるのが意外」なんですね。私はikironさんの言う通り、「歩ではなく金を渡す」という点がポイントだと思います。玉方の持駒に注目してみると、他の参考図では複数の種類の持駒があり、合駒の選択が可能ですが、「円環の理」では持駒は歩1枚のみ。それを200手近く掛けて、金に変換したことになります。桂や香を品切れにするというより、(形のうえでは)持駒変換と言って良いような…
馬屋原剛-円環の理と、それ以外が別構造かどうかは、昔久保さんたちと議論しましたが、結局円環の理は合駒制限しているから特殊に見えるだけで、本質的には変わらないという結論に至りました。他の参考図をあえて合駒制限してみると、同じ構造に見えるはず。


<参考図>

詰将棋半世紀第18番 柏川悦夫氏作


84角、94玉、86桂、同桂、93角成、同玉、92と、94玉、
95歩、同玉、86金上、94玉、95金、同玉、68馬、94玉、
54龍、74桂合86桂、95玉、74桂、94玉、93と、同玉、
92金、94玉、82桂成、74桂合86桂、95玉、74桂、94玉、
93金、同玉、92成桂、94玉、82桂成、74桂合86桂、95玉、
74桂、94玉、62桂成、54と、86桂、95玉、74桂、94玉、
93成桂、同玉、57馬、94玉、84馬 まで53手詰


<参考図>

詰パラ20025月号 富沢岳史氏作


35飛、66玉、36飛、75玉、74と、同玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、右、44玉、34飛、45玉、35飛、44玉、
46香、45香合、同香、55玉、香成、66玉、36飛、75玉、
74と、同玉、73と右、64玉、63と右、54玉、成香、44玉、
34飛、45玉、35飛、44玉、46香、45香合、同香、55玉、
43香成、66玉、36飛、75玉、74と、同玉、73と右、64玉、
63成香、54玉、53成香右、44玉、34飛、45玉、35飛、44玉、
46香、45香合、同香、55玉、43香成、66玉、36飛、75玉、
74と、同玉、73成香、64玉、63成香右、54玉、53成香右、44玉、
34飛、45玉、35飛、44玉、46香、45歩合34飛、55玉、
54飛、66玉、56飛、77玉、68銀、88玉、79金、98玉、
88飛、97玉、98飛、同玉、96飛、同と、88金打、99玉、
89金寄 まで97手詰 


<参考図>

詰パラ201610月号 やよい氏作 


48馬、56玉、57馬、65玉、66馬、74玉、73成桂、64玉、
74成桂、同玉、41馬、64玉、63成桂、54玉、53成桂右、44玉、
43金、34玉、33金右、25玉』=『A』、
37桂、36玉、14馬、25桂合、同桂、47玉、『A』
37桂、36玉、14馬、25桂合、同桂、47玉、『A』
37桂、36玉、14馬、25桂合、同桂、47玉、『A』
37桂、36玉、14馬、25歩合、同桂、47玉、『A』
26金、同玉、48馬、17玉、27飛、18玉、19歩、27玉、
37馬、17玉、18歩、同玉、28馬 まで137手詰

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No. 214 第350回詰工房例会報告

■125日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、池○俊哉、稲○元孝、沖○幸、加○徹、金○清志、久○紀貴、小○正浩、芹○修、竹○健一、太○岡甫、筒○浩実、利○偉、深○一伸、細○吉嗣、柳○明、山○剛、米○歩登、田中徹 以上20
2次会から参加馬○原剛(以上、敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

1月の例会と言えば、TETSUさんによる恒例の年賀詰鑑賞会。会場に入ると、既に鑑賞会は始まっていました。
毎年のことながら、年賀詰の多いこと。最近はネット上で気軽にアップ出来るようになり、その数は年々増えているように思います。中には詰将棋として全く成立していないものも混じったりしますが、それもご愛嬌でしょうか。
新作の収集・管理においてTETSUさんの右に出る者はいませんが、それでも毎年これだけの作品を集め、レジメを作るとなったら相当な業務量になるはず。本当に頭が下がります。

4時を過ぎたところで鑑賞会は終了し、春霞賞の選考会開始です。
この日の進行役は會○さん。初登場です。詰将棋にとっても詳しい新人さんは、何をやってもスゴいんです。
しゃべりもウマいし、柿木を使えば驚きの超絶テク! 素晴らしい即戦力ルーキーです。

今回もノミネート10作という激戦の中、候補に残ったのは2作。

詰パラ2019年10月号 春霞賞候補作
高校16 有吉弘敏氏作
大学院7 馬屋原剛氏作「円環の理」

内容については、別頁にてご紹介します。

■スマホ詰パラから1局ご紹介します。

スマホ詰パラ 201912
No.14120 シナトラ氏作


変化、紛れがほとんどなく、極めて易しい作品ですが、なぜかとても印象に残っています。
初形で玉方34銀の23への利きがなくなれば、23との1手詰。17手掛けてそれを実現する、それだけを鮮明に浮き上がらせた小品です。

5時からはいつもの店へ移動して2次会へ。30分ほどで馬○原さんも合流して、新年会のスタートです。
自分は2時間ほど過ぎた辺りで意識朦朧となり、午後8時頃遂に撤退。でも、いつもながらの楽しいひと時でした。
皆さん、ありがとうございました。

■そう言えば、この日の例会は記念すべき350回目でしたが、何も特別なことはなく、いつも通りの詰工房でした。
いかにも詰工房らしいじゃないですか。この先も永く詰キストの憩の場として続いていってほしいものです。
金○さん、毎月毎月、本当にありがとうございます!

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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2020年1月 8日 (水)

No.213 春霞賞候補作紹介 2019年9月号

新年明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

では早速――
詰パラ20199月号 春霞賞候補作紹介

■中学校11 青木裕一氏作
2枚飛車の「連続限定打+連捨て」による邪魔駒消去



43
55玉、52飛46玉、55飛成、同玉、44飛成、同玉、
36桂 まで9手詰

太刀岡甫-飛車2枚消費して歩を原型消去し、1手で収束する。いずれも打ってから成り捨てるのは統一感があり、どちらも限定打となっているのが素晴らしい。
會場健大-すごい大模様だが表現としてはむしろシンプル。52飛を限定打にする変化で邪魔駒の46歩が生きているところにも機能美を感じる。
久保紀貴-限定打での表現と、収束を1手で纏めてある点が良いですね。大模様はやはり気になりますが、特別気になる配置があるわけではないので、これが最善なのかもしれません。
馬屋原剛「限定打を2連続で放ち、それをすぐさま捨て去り詰み上がる9手詰を作れ」という課題を与えられたとき、凡人は角で作ろうとするだろう。強力な2枚飛車が、ちっぽけな1歩の消去に見合う、この事実を発見した作者の勝利である。
久保-2枚で作る方がスマートにできそうですけどね。
馬屋原スマートなのは角でしょうね。しかし飛で作った青木作は迫力がある。
宮原君の順位戦の作品は角2枚で邪魔駒消去してましたっけ?いざない弓みたいなタイトルの。
久保-ありましたね、好きな作品です。
馬屋原宮原作、詳細は忘れましたけど、やってることはそんなに変わらないとは思います。
でも飛の方が派手でカッコいいじゃないですか。
久保-私は本質が大事だと思っているので、飛でも角でも香でも、同じことをやるならどれでも構わないんです。だから飛角香の選択まで可能性に含めた上でベストな構図をとりたい。
飛を角にするみたいなバリエーションで元の作品とは違う作品、つまり新作を作ることはできると思うんですが、それで違うこと(テーマ)をやっていることにはならないというのが持論です。
馬屋原まあ私も実際に作るとなったら、一番すんなり行きそうな角を選ぶかもしれません。
久保-ただ、青木さんの作品は最短での表現ということで、飛を角にする以上のことをやっているとは思います。
角にした方が配置を整理できそうだと思っただけで、テーマは宮原作とは異なると見るべきでしょうね。

<参考図>
詰パラ 20156月号 
A級順位戦 宮原 航氏作 「いざ綯い弓」



23角、44玉、34角成、同玉、12角、35玉、45角成、同玉、
25飛成、44玉、54飛、同玉、55龍 まで13手詰



■デパート4 大崎壮太郎氏作
◇角遠打+「アンチ禁遊手筋」の桂合



33桂成、同玉、25桂左、32玉、98角87桂合33桂成、同玉、
25桂、32玉、87角、同龍、39龍、37桂合、24桂、23玉、
41角、24玉、14角成、同玉、19龍、23玉、13龍、32玉、
33龍、21玉、11歩成、同玉、13香、21玉、12香成、同玉、
13桂成、11玉、22龍 まで35手詰

馬屋原剛もっと構想部分だけを取り出せなかったかとも思うが、そうすると味気ない作品になってしまう危惧もある。本作は、桂馬消去のタイミングの謎解きが絡み重厚な作品となった。 角を取る位置を玉方の意思でズラす点は、手前味噌ながら、拙作(2017.3たま研③)を思い出した。
會場健大-けっこう構図に制約の多い構想のはずで、うまくまとめたもの。主眼部より「98角よく限定にしたなぁ」とか「桂捨てのタイミング絶妙だなあ」とか思ってしまうのは褒められた態度ではないのかもしれないが、率直な感想。
太刀岡甫-後に桂合するための、争点ずらしの桂合。98角が限定打で入るのも良いし、攻方桂の消去のタイミングも絶妙である。凄い技術だと思う。
久保紀貴-87桂合はアンチ禁じられた遊び手筋とでも言うのでしょうか。ちょっと地味な感じもしますが、序の振り付けが素晴らしく、メインの弱さを補っています。 こちらも気になる初形をしていますが、調べてみると結構ギリギリの配置になっています。

<参考図>
詰パラ 20173月号 
たま研3 馬屋原剛氏作



57、同銀成、54歩、63玉、67香、同成銀、53歩成、同玉、
56香、同桂、43角成、同玉、64桂、87龍、93飛成、53歩合、
35桂、33玉、53龍、24玉、23龍、15玉、16歩、同玉、
27龍、15玉、16歩、14玉、23龍 まで29手詰

13手目64桂に対し、①87龍と取ると龍の利きは7段目に、②76香合、同馬、同龍なら、龍の利きは6段目に残る。どちらの段に龍の利きを残すかの選択権は玉方にあり、玉を1筋に追った時、龍の利きが6段目、7段目のどちらかに残っていれば、僅かに逃れる仕組み。
3度の香限定打によって、67段目ともに龍の横利きを遮断するという高度なテーマを、鮮やかに図化した力作です。

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2019年12月30日 (月)

No. 212 第349回詰工房例会報告

1222日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、稲○元孝、馬〇原剛、沖○幸、加○孝志、加○徹、金○清志、金○タ○シ、小○正浩、近○郷、鈴○優希、深〇一伸、山○剛、米○歩登、田中徹 以上15名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回、会場到着は1420分頃だったでしょうか。3時前の会場入りは久し振りのような気がします。
プロジェクターをセッティングしたあとは、作品紹介に備えて予習に専念。
そして午後3時を過ぎたところで、春霞賞の選考会開始です。

■この日の進行役は馬○原さん。
ノミネート7作と多めでしたが、きちんとポイントを押さえた解説は流石です。
現在春霞賞の選考に当たっている若手スタッフは、皆鑑賞眼がしっかりしている上に、過去の発表作にも精通しており、本当に感心させられます。頭の中の引き出しの数が違うんですね。

今回候補に残ったのは次の2作。
中学校11 青木裕一氏作
デパート4 大崎壮太郎氏作
内容については、別頁にてご紹介します。

■スマホ詰パラからは2局ご覧ください。

スマホ詰パラ 201911
No.13841 kisy氏作 「Whitesnake


中盤の龍追いから2度の飛車限定合辺りの手順は絶品で、147手の長手数を飽きさせない。
だからこそ言わせてもらいますが、玉方95と配置は何やねん! 
時間はかかってもいいから、無防備煙への改作を求めます。

スマホ詰パラ 201911
No.13881 himatsume氏作


3手目48金~58銀引として、48の金を銀に置き換えておくのが、潜伏期間の長い第1の伏線(43手目17角に49玉の逃げを防止)。
次いで9手目38香短打が、後の39角打ちを可能にする第2の伏線。
さらに、23手目35銀が玉方の馬を質に見込む第3の伏線。
後半の2度の捨合を含む軽妙な攻防と相俟って、極上の本格ミステリのような謎解きが楽しめる逸品です。

5時からはいつもの店で2次会です。
開始後間もなく芹○修さんも合流して、詰棋談儀に花を咲かせました。
自分は2時間くらい粘ったところで睡魔に負け、あえなく撤退。
それでも、今年最後の例会を、楽しく過ごさせていただきました。皆さん、ありがとうございました。

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■年明け1月の例会は節目の350回目の開催になりますが、取り立てて記念イベントを行う予定はないようです。
そこはいかにも詰工房らしいですね。

ではまた。

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2019年12月16日 (月)

No.211 春霞賞候補作紹介 2019年8月号

詰パラ 20198月号  春霞賞候補作紹介

■高等学校7 山路大輔氏作
◇銀成強制(局面対比)


28桂、同銀生19香、同銀成18香、同成銀28桂、同成銀
27角、同成銀17香、同成銀26金 まで13手詰

會場健大-一手一手駒を進めていくと、ひとつひとつの捨駒は単純なロジックの積み重ねであることがわかる。それが初形と終形の対比、銀だけが動く手順、というモチーフによってひとつの流れに束ねられているところに作者の顔が見えるのであって、詰将棋表現というのはこういうものだというお手本であろう。
太刀岡甫-持駒を6枚捨てて銀を成らす。その間他の駒は一切動かない。収束もたったの1手。夢のような手順で、思いついても図化するのは非常に難しいと思う。それをこの枚数でさらりとやってのけるのは流石である。
久保紀貴-水谷作が強く印象に残っていたので、28桂~19香~18香までは見えたのですが、そこから曲げてくるとは驚きました。この枚数で実現可能なのですね……。 作者の絶好調振りを示す傑作です。
馬屋原剛-なんとまあムシのいい手順をムシのいい配置で実現していること。ムシが良すぎて今まで誰も挑戦しようとすら思わなかったのだろうか。並の作家であれば、仮にこの仮想手順を思いついたとしても、実現できるわけはないと諦めてしまうだろう。理想の追求を恐れない姿勢に感服。

<参考図>
詰パラ 20146月号 水谷創氏作


78桂、同銀生69香、同銀成68香、同成銀67香、同成銀
55銀、同と、56金、同と、77銀、同と、65龍 まで15手詰

久保紀貴(発表時短評)―桂捨てから香3連打。香3連打だけでもテーマになりうるのに、それで銀が成って戻ってくるのだから文句のつけようがない。


■大学6 船江恒平氏作
◇態度打診の捨駒


75銀、同玉、73飛生、65玉、77桂、同角生、66歩、同角生、
54龍、同玉、63銀、44玉、33銀生、同玉、52銀生、53歩合、
同飛生、32玉、33歩、同角、41銀生、21玉、22歩成、同角、
13桂、同角、23飛生、22角、33桂、11玉、12歩、同玉、
13馬、同角、21飛成 まで35手詰

久保紀貴-打診を伏線で実現すること自体珍しいと思いますが、さらに舞台装置を跡形もなく消し去っているのが美しい仕上げです。 攻方の打診をテーマとする場合、その意味づけとなる構図(Aは成で逃れ、Bは生で逃れる構図)をとるのが大変だと思っているのですが、本作の構図は極めて巧妙にできていて、作家としてはそこに一番感心させられました。
馬屋原剛-まずは、成生打診を必要とさせる右上の構図に感心。ここから逆算で左下まで引っ張っていったと思うが、77桂〜66歩がまた絶品。本筋とは関係ないとはいえ、飛生や歩中合も入り、極めて完成度が高い。
會場健大-潜伏期間の長い伏線ものなのだが、個人的には駒がさばけるのが楽しい。この収束がもっていた物語を存分に引き出したと思えるからで、代償としての駒取りはここではあまり気にならない。
太刀岡甫-攻方による打診。打診に角位置が影響しないよう舞台を移動させるが、それにより打診が伏線的になっている。飛生や歩合が入る点、左辺が綺麗に捌ける点など、圧倒的な完成度である。
久保紀貴-船江作、舞台を動かしているというのはその通りで、唯一ともいえるこの構図の欠点。 本来右上だけで手順を構成できれば最高なのだが、元々の構図で角を2枚使い切っている関係上、右上に働きかける駒(打診できる駒)がない。そのため舞台を動かす必要が生じている。 とはいえそれを全ての舞台装置を消して実現したのは凄いというほかない。


■短期大学10 藤井規之氏作
◇最遠打×2回


39
34飛合、同香、同金、24桂、同金、39飛、同馬、
33飛、21玉、22歩、同玉、39飛成、21玉、11馬、同玉、
31龍、21銀、44角、12玉、21龍、同玉、22銀、32玉、
33角成 まで25手詰

馬屋原剛-この遠打を繰り返してしまうとは。繰り返そうという発想はどこから浮かんできたのか非常に気になる。仮に発想が浮かんでも具現化するのは難しいはずで、綺麗にまとめあげた手腕は確かなもの。24桂が焦点の捨て駒である点もよい。
會場健大-浦壁手筋のアレンジだが、合駒を入れて駒台の情報にも意味を持たせることで同じ位置に2度打てるという発見。構図にも無理がなく簡潔に実現している。
太刀岡甫-既存の筋も繰り返せば構想になる。言うのは簡単だが、この遠打が繰り返せるのは大発見。局面の戻し方も好手の捨駒で、構想の途中に余計な手が入らないのも良い。
久保紀貴-39香は小林敏樹作が有名ですが、それを繰り返すなんて考えたこともありませんでした。繰り返す意味(飛の品切れ)やスイッチとなる24桂捨てなど、全体として非常に精緻に作られていると思います。 小林敏樹作は今更言うまでもなく名作ですが、本作も併せて覚えておきたいですね。

<参考図 1>
近代将棋 1964年9月号 北原義治氏作


51角、同金、15角、14玉、51角成、17桂成、15金 まで7手詰

<参考図 2
詰パラ 19778月号 浦壁和彦氏作


93
、同銀、23飛、34玉、93飛成、12香、23銀 まで7手詰

<参考図 3
詰パラ 19857月号 小林敏樹氏作


39香、同馬、33飛、22玉、13飛成、同玉 まで7手詰


※「この詰2010」をお持ちの方は、ぜひ風みどり氏の論考「超短編における中合対策の研究」(同書P138~)を合わせてお読みください。

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2019年12月15日 (日)

No.210 春霞賞候補作紹介 2019年7月号

詰パラ20197月号 春霞賞候補作紹介

■短期大学5 太刀岡甫氏作   
◇不成による1歩稼ぎ


24角、同玉、15銀、13玉、53飛生33歩合、同飛生22玉、
32飛成、13玉、4333歩合、同龍、23歩合、24龍、同歩、
14歩、22玉、32香成、同金、同香成、同玉、43歩成、21玉、
22歩、同玉、23歩、同玉、33金 まで29手詰

太刀岡甫(作者)-攻方にとって飛生のほうが得なので、玉方は1歩と引き換えに成を強制する。33/龍の局面が共に作意に出現するため、明確な対比になっていると思う。歩を使い切る収束が同じ舞台で簡潔にできた点も気に入っている。
久保紀貴-飛生で1歩稼ぐというよりは、飛生に33歩合~ソッポ龍に33歩合のリフレインが気に入りました。 似たような展開は過去に一度考えたことがあるのですが、うまく纏められませんでした。少ない枚数で収束まで破たんなく纏めた作者の手腕に拍手です。
馬屋原剛-正直最初は地味な印象を受けたが、冷静に見るとなかなか面白いことをやっている。うまく受ければ歩一枚で事足りそうなのに、歩二枚ないと凌げないのは不思議な感触。 ところで、角でも同様の手順ができるか気になった。興味のある向きは試してみて欲しい。
會場健大-核となる部分は典型的な打歩の不成ものなのだが、それを機能的な配置で趣向風の手順に昇華させたところにセンスが光る。

■ノミネート7作の中、ぶっちぎりの独走で首位通過はお見事。


※今回からスタッフに會場健大さんが加わってくださいました。
この4人って、何気に物凄く贅沢なメンバーですよね。
春霞賞の未来は明るい!

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