2019年10月20日 (日)

No.207 春霞賞候補作紹介 2019年6月号

■続いて6月号の候補作。5月に続き2作が候補に残りました。

■同人室3 金子清志氏作       
◇馬ソッポブルータス


25飛、36玉、26飛、同玉、48馬、35玉、26馬、同玉、
27馬、35玉、3924玉、33銀生、23玉、38馬29と、
24歩、34玉、56馬 まで19手詰

久保紀貴-39馬を消去せず38香~36馬としても打歩詰を解消できるところ、馬を捨ててまで39香~38馬と遠ざかるのが絶妙。近すぎると両王手したときに馬を取られるということなのだが、このように玉と馬の位置関係にフォーカスした作品はかなり希少である。 さらに本作ではそのための遠打、そのための馬消去という表現により、構想が重層化されている。
太刀岡甫-打歩を打開しつつ最終手を見据えた最遠打だが、全く無理なく39馬の邪魔駒消去が入っているのが凄い。駒の位置関係が絶妙である。
馬屋原剛-打歩詰を打開するだけなら、馬より香が後ろにいればよいだけだが、収束を成立させるには、39香、38馬型が絶対。36馬型だと近過ぎて詰まないのが面白いと思った。 39馬の原形消去や39香の限定打を無理なく実現している。絶品。


■同人室5 鈴川優希氏作     
◇飛車2枚捨てによる玉方銀成強要


65銀上、47玉、77飛、同銀成、56銀、同玉、76飛、同成銀、
65銀、47玉、56銀、同玉、74馬、45玉、44馬、同玉、
45香、同玉、35金、55玉、65馬 まで21手詰

太刀岡甫-やっていることは成らせだが、飛2枚を投じて釣り合う図があるのが驚きである。離し打ちでやっているのも良く、銀に当てるシンプルな意味付けで成立している。心理的妙手でもあり、印象に残りやすい作。
馬屋原剛-詰工房で見せてもらったときには全く解けず、答えを見たときには度肝を抜かれた作品。 銀を成らせるのに飛2枚が釣り合うとは驚いた。 34筋の守備駒が重いがまあ仕方ないだろう。 古典はあまり興味がないのだが、構想のヒントになることもあるのだなと感心。
久保紀貴-ぶつけて打つ飛限定打によって銀を成らせるというのは言われてみればシンプルでなるほどなのだが、なかなかその発想には至らない。非凡なアイデアと思う。 また、個人的には飛金(成銀)銀それぞれの駒の特性がピッタリはまっている点が気に入った。 配置はやや不満あり。

<参考図>
 将棋無双第51番 伊藤宗看作


75銀、同玉、64銀、86玉、26、同銀、75銀、同玉、
25、同馬、76金、74玉、65金、63玉、54金、52玉、
43金、51玉、52金、同玉、43馬、41玉、33桂、31玉、
21馬、42玉、43歩成、51玉、41桂成、同玉、32馬、51玉、
42と まで33手詰

■6月号は同人室の課題が構想作だったことも手伝って、やはりノミネート作が多かったのですが、5月号同様2作がダントツに強く、共に候補に残りました。
特に印象的だったのは、2ヶ月連続で候補入りした鈴川氏の復活振りです。これで今年の春霞賞の行方は、ますます混沌としてきました。

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No.206 春霞賞候補作紹介 2019年5月号 

■春霞賞候補に残った作品の紹介です。
まずは5月号出題作から。

■高等学校21 久保紀貴氏作 「モーメンと」
◇玉方と金の6地点1回転


45銀、同と、46桂、同と、36香、同と、26桂、同と、
25銀、同と、35香、同と、43馬 まで13手詰

太刀岡甫-4地点の回転ならよく見るが、6地点で連続して回したのがまず凄い。また、初手以外の捨駒を駒打ちで行うことにより局面の対比(銀消去)が明確になっている。回転方向の制御が非常にシンプルな仕組みで実現されており、手順完全限定で完璧な仕上がり。
馬屋原剛-ノンストップでと金が6回も動いて1周する。しかも駒取りなしときた。こういう作品は得てして短絡する紛れに苦労するのだが、それを感じさせないほどスマートに出来ている。 最優秀賞候補の一角。
久保紀貴-半期賞の言葉でも書いたが「と金が回転する前後で局面を対比すると攻方銀が消えている(だけ)」という点は特に気に入っている。 また他についても駒取りなし、手順完全限定、最短表現など、全体として自分の美学を貫けたので満足。

<参考図> 
詰パラ20136月号 宮原 航氏作 「独楽鼠」
◇玉方飛車の6地点1回転


35金、同飛、36桂、同飛、26香、同飛、16桂、同飛、
15角、同飛、25歩、同飛、33馬 まで13手詰


■大学14 鈴川優希氏作  「泣斬馬謖」
◇玉方馬先馬角


69銀、58桂成、同香、55馬、44龍、同玉、56桂、53玉、
65桂、同馬、64桂、56馬、同香、55角生35角、44桂、
55香、同桂、44角、43玉、65角、54飛、35桂、32玉、
54角、41玉、32角成、同玉、33角成、同玉、34飛、同玉、
24と、35玉、25と まで35手詰

馬屋原剛-複雑ですぐには構想が理解できなかったが、作者のブログを読んで、玉方馬先馬角が狙いとわかった。 私的には、構想よりも感じのよい序や大駒3枚捨ての収束といった、全体の完成度の方に感心した。
久保紀貴-玉方応用の馬先馬角というのはパッと作例を思いつけないため、単品でも表現として新しいものかもしれない。しかし本作はそれだけでなく、同じ手順の流れの中に取歩駒を逃げるための馬移動中合を加えており(ここは構想としては掛け算ではなく足し算になっているが)、より面白い表現が追及されていると思う。
太刀岡甫-馬先馬角というマニアックな構想。角と馬を対称に配し、移動捨合で馬を消し、合駒を出しつつ角2枚を捨て切る収束まで、徹底的に見せ方を追求している。


■詰棋校の期末月とあって、5月号は構想作も好作揃い。その中で久保氏作と鈴川氏の2作は、他のノミネート作を大きく引き離して候補に残りました。
なお久保氏「モーメンと」は、周知の通り見事半期賞を受賞されました。おめでとうございます。

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No. 205 第346回詰工房例会報告

928日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、石○仰、馬〇原剛、大○光一、沖○幸、加○徹、金○清志、久○紀貴、小○正浩、小○尚樹、小○純平、鈴○優希、芹○修、田○雄大、竹○健一、太○岡甫、利○偉、原○慎一、柳○明、山○剛、米○歩登、田中徹 以上22名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。
hiroさんのブログでは23人になってる。誰か書き漏らしたみたい…)

■社団戦とブッキングしなかったおかげか、参加者が20名を超え、賑やかな例会になりました。
更に初参加の中学生2人も加わって、会場は一気に若返った感があります。

3時過ぎ、春霞賞の選考会がスタート。
今回は5月号と6月号の2か月分でボリュームがありましたが、太〇岡さんの的確な解説で順調に進行していきます。またノミネート作の作者が多数参加されていて、作者の生の声を聞けたのは幸運でした。
投票の結果、候補に残った作品は以下の通り。

5月号
高校21 久保紀貴氏作 「モーメンと」
大学14 鈴川優希氏作 「泣斬馬謖」

6月号
同人室3 金子清志氏作
同人室5 鈴川優希氏作

両月とも、2作ずつの選出になりました。
最近複数作の選出が続いているのは、それだけ高品質の構想作の発表が続いている証しでもあります。今年の最終選考は大変な激戦になりそうです。
なお内容については、頁を改めてご紹介いたします。

■続いて注目作の紹介がスタート。ここでは、詰パラとスマホ詰パラから1作ずつご紹介します。

詰パラ 20196月号
デパート3 原田慎一氏作


5手目42銀成に12玉と逃げれば、45角成~13歩~63飛成で詰み。序の53角消去はこの63飛成を実現するためでした。
6手目41歩中合なら、同飛成には12玉、13歩、同玉で、成銀が邪魔になって43龍と引けません。そこで中合を取らずに32成銀とし、12玉に45角成~13歩で63飛成を狙えば詰む…。
ならば41の合駒が香だったら? 63飛成の時43歩合で不詰!
ここでようやく、6手目は41香合が最善と判明します。以下同飛成で香が手に入るので、11龍~13香の順で収束します。
5月号デパートの青木氏作にも通じる「後の合駒の足場とするための香中合」ですが、間に成銀が存在することで、香合の意味付けがうまくカモフラージュされています。
角消去の伏線との相乗効果もあって、非常に高度な謎解きが楽しめる逸品です。

スマホ詰パラ 20198
No.13426 i@hiro氏作


角捨て~馬寄り~角捨合を繰り返しながら、玉が盤中央を横断していく趣向作。
序の伏線や、途中同龍でなく同馬とする破調等もあり、単調な繰り返しに終わっていないのがセールスポイント。収束を一瞬で切り上げる潔さも見事です。

5時からは2次会。自分も参加しましたが、2時間を経過した辺りで睡魔に襲われ、離脱しました。

2次会でのKさんとIさん。
「あそこで○○飛とすると…」「それは同玉の変化で…」「やっぱりそうか…」「あれいい手ですよね…」
といった調子で会話が続いています。
目の前の将棋盤には某氏の新作が並べられていますが、それとはまったく別の作品の話。まるでテレパシーで会話をしているかのようです。
ちょっとしたヒントだけで即座に脳内盤に配置が浮かび、手順が再生される。頭の回転も引き出しも段違い。
格好いいなぁ。

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

 

 

 

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2019年9月16日 (月)

No.204 春霞賞候補作紹介 2019年4月号

■春霞賞候補作の紹介、続いては2019年4月号分。この月は大激戦で、3作が全くの同点で並びました。

詰パラ2019年4月号 大学10 若島正氏作
◇同じ箇所での「金先金歩+銀先銀歩」玉方応用


97香、96歩合、85金、同玉、82龍、84金合同銀成、同桂、
76金打、同銀、35龍、65銀打合、同龍、同銀、86銀、94玉、
96香、同桂、95銀、同玉、62角成、同馬、86金、94玉、
95歩、同馬、同金、同玉、73角、94玉、84角成 まで31手詰

久保紀貴-金銀両方の不利合を、玉方銀の位置の違いだけによって切り分け、実現した作品。作ったことがある人であれば金と銀の切り分け方自体はよく知るところでしょうが、両方取り入れて作品にしてしまうアイデアは非凡と思います。97香限定打の序も流石。
馬屋原剛-ikironさんのコメントと被るが、同じ舞台で、銀の位置の違いだけで金、銀、の不利合を切り分けてる点に脱帽。発想も構成力もずば抜けている。
太刀岡甫-不利合もそこまで珍しくなくなった昨今だが、同じ打歩を巡って別の不利合が出るというのが驚きである。2つの合駒の間隔が狭いのが良い。変化伏線の限定打も盛り込み、収束も捌けるため完成度が非常に高い。


詰パラ2019年4月号 大学院7 太刀岡甫氏作 「ストライクショット」
◇「遠打+馬鋸+角筋遮断の飛車移動」のブルータス手筋


91と、同玉、81歩成、92玉、91と、82玉、81成香、72玉、
71成銀、62玉、61成香、52玉、42と上、同金、同と、同玉、
41金、52玉、51成香、62玉、61成銀、72玉、71成香、82玉、
83歩、同成香、93歩成、同成香、81成香、72玉、71成銀、62玉、
61成香、52玉、51金、42玉、41成香、32玉、33歩、43玉、
91と、同玉、81歩成、92玉、91と、82玉、81成香、72玉、
71成銀、62玉、61成香、52玉、42と上、同金、同と、同玉、
41金、52玉、51成香、62玉、61成銀、72玉、71成香、82玉、
83歩、同成香、93歩成、同成香、81成香、72玉、71成銀、62玉、
61成香、52玉、51金、42玉、41成香、32玉、33歩、43玉、
65馬、33玉、55馬、24玉、15と、同玉、27桂、14玉、
18飛23玉、35桂、32玉、65馬、33玉、66馬、32玉、
76馬、33玉、77馬、32玉、87馬、33玉、88馬、32玉、
98馬、33玉、99馬32玉、31成香、42玉、41金、52玉、
51成香、62玉、61成銀、72玉、71成香、82玉、88飛87歩合、
81成香、72玉、71成銀、62玉、61成香、52玉、51金、42玉、
41成香、32玉、33歩、同玉、87飛、77金合、同馬、24玉、
25歩、14玉、24金、15玉、59馬、同成銀、17飛、16歩合、
同飛、同玉、17歩、15玉、16銀、26玉、27銀右、15玉、
16歩 まで113手詰

太刀岡甫-ブルータス手筋を馬鋸で行うだけでなく、後に馬筋を遮断する意味づけの限定打が新しい。
久保紀貴-18飛限定打~馬鋸で99馬~88飛の複合技で馬筋を閉じ、打歩詰を打開。ブルータスの前に飛を限定打するのが新しいところです。 ただ席上では限定打の演出について「27桂のせいで自然な手に見える」という意見がありました。
馬屋原剛-駒場作があるのでそれ程評価していなかったが、確かに限定打から始めたのはプラス。

<参考図> 風ぐるま19559月号 駒場和男氏作 「望郷」
◇「遠打+馬鋸で飛車筋遮断」のブルータス手筋


33金寄、同歩、2931玉、32歩、同玉、44桂、31玉、
42と、同玉、51飛成、同玉、62歩成、同玉、52角成、71玉、
81香成、同玉、63馬、91玉、64馬、81玉、54馬、91玉、
55馬、81玉、45馬、91玉、46馬、81玉、36馬、91玉、
37馬、81玉、27馬、91玉、2881玉、73桂、71玉、
72歩、62玉、63歩、同玉、64銀、62玉、63歩、51玉、
61桂成、同玉、71歩成、同玉、77香、同と、62歩成、同玉、
73銀生、51玉、52歩、42玉、43歩、31玉、32歩、22玉、
64馬、24桂、同飛、同金、31馬、12玉、13馬、同玉、
14歩、同金、同香、同玉、24金打、15玉、27桂まで79手詰


詰パラ2019年4月号 大学院8 馬屋原剛氏作
◇逆回転による微分


『41飛成、23玉、21龍、22飛合、同龍、同玉』=A手順とする 
『21龍、22飛合、同龍、同玉、21飛、32玉』=B手順とする

『A』55馬、44と寄、21飛、32玉、41飛成、23玉、
56馬34と上、B65馬、43と、
A66馬44と寄、21飛、32玉、41飛成、23玉、
67馬34と上、B76馬、43と、
A77馬44と寄、21飛、32玉、41飛成、23玉、
78馬34と上、B87馬、43と、
A88馬44と寄、21飛、32玉、41飛成、23玉、
78馬34と上、B87馬、43と、
A77馬44と寄、21飛、32玉、41飛成、23玉、
67馬34と上、B76馬、43と、
A66馬44と寄、21飛、32玉、41飛成、23玉、
56馬34と上、B65馬、43と、
A55馬44と寄、12飛、31玉、41香成、同玉、
33桂生、同と、51桂成、同玉、42銀、62玉、73と、61玉、
62歩、同金、同と、同玉、51銀生、同玉、42金、62玉、
52金、63玉、62金、74玉、66桂、84玉、94馬、同玉、
85金打、93玉、94歩、92玉、91馬、同玉、82銀、同玉、
72金、92玉、82金 まで179手詰

作者(結果稿解説より)-1手馬鋸や1/2手剥がしなど、いわゆる“微分系”の趣向は「同様」なサイクルを複数回経て鍵が一つ進む。「同様」と表現したのは全く同じではなく、サイクル毎に持駒や置き駒の位置が微妙に異なるからだ。では、全く同じサイクルで微分系の趣向を表現できるだろうか。
一見論理的に無理に思えるが、論より証拠で本作を見て欲しい。確かに全く同様のサイクルを2回繰り返すことで、馬が左下(右上)に一歩動いている。
種明かしをすると、馬と玉の回転方向が逆であるのが肝なのだ。128911992198のラインをそれぞれabcと呼ぼう。すると、玉はabcaの順に移動しているのに対し、馬はacbaの順でしか動けない。従って、馬はaで王手した後にすぐにbで王手したいのだが、間にcの王手を挟まなくてはならない。そのため、1サイクル目ではbの王手ができず、次のサイクルまで待たなくてはならないのだ。趣向の外見に目新しさはないが、コロンブスの卵的な位置づけの作品だと思う。
馬屋原剛-詰工房の席上では参考図2つを交えて説明したがどれだけ伝わったかは微妙。伝統ルールでできるかどうかはさておき、馬ノコ以外で表現できれば、もっと違う印象を与えることができるかも。
太刀岡甫-三段馬鋸。玉方はと金を回すことにより1サイクル分の手数を稼いでいるが、斜め後ろに動けない特性により中央ラインが開くと馬が進むことができる。馬鋸についての深い研究が垣間見られる作。
久保紀貴-玉の軌跡と馬の軌跡(より厳密には、と金スリットの位置の軌跡)の回転方向の違いによって1手馬鋸を実現した作品。説明されないとわかりにくいのが難点ですが、面白いアイデアと思いました。 ただ、合駒制限が必須かは疑問です。

<参考図> 書きかけのブログ 馬屋原剛氏作
◇順回転の32手馬鋸


21飛、32玉、23飛成、41玉、63角成、52と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、6453と寄、
21飛、32玉、6543と上、23飛成、41玉、7452と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、7553と寄、
21飛、32玉、7643と上、23飛成、41玉、8552と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、8653と寄、
21飛、32玉、8743と上、23飛成、41玉、9652と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、9753と寄、
21飛、32玉、8743と上、23飛成、41玉、9652と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、8653と寄、
21飛、32玉、7643と上、23飛成、41玉、8552と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、7553と寄、
21飛、32玉、6543と上、23飛成、41玉、7452と、
21龍、31飛合、同龍、同玉、64馬、53と寄、
21飛、32玉、44桂、43玉、41飛成、42飛合、同銀成、同と、
同龍、同玉、52飛、41玉、32飛成、51玉、52歩、62玉、
63歩、同と、51歩成、同玉、52桂成 まで117手詰

※4月号大学院の馬屋原氏作とほとんど同じ機構に見えるが、回転方向が同じなので、微分にならない例(3段2手馬鋸)。

<参考図> 詰パラ20171月号 添川公司氏作  「木曽路」


『34と、25玉、35と、26玉、36と、17玉、28馬、16玉、38馬、15玉、16歩、24玉、35と、23玉』=A手順とする
『33と、24玉、34と、25玉、35と、26玉、36と、17玉、28馬、16玉、38馬、15玉、16歩、24玉、35と、33玉』=B手順とする


16歩、26玉、36と、17玉、28馬、16玉、38馬、15玉、
25と、同玉、35と、15玉、16歩、26玉、36と、17玉、28馬、
16玉、38馬、15玉、16歩、24玉、35と、33玉、44と、24玉、
A5632玉、44と、33歩、6523玉、
B6644歩、同と、24玉、
A6732玉、44と、33歩、7623玉、
B77馬44歩、同と、24玉、
A7832玉、44と、33歩、8723玉、
B88馬44歩、同と、24玉、
A8932玉、44と、33歩、9823玉、
B88馬44歩、同と、24玉、
A7832玉、44と、33歩、8723玉、
B77馬44歩、同と、24玉、
A6732玉、44と、33歩、7623玉、
B66馬44歩、同と、24玉、
A5632玉、44と、33歩、6523玉、
B55馬、23玉、45馬、32玉、44と、33歩、43と、同玉、
52銀生、53玉、65桂、42玉、43歩、32玉、41銀生、31玉、
42歩成、同玉、53桂成、同玉、52成銀、43玉、44歩、同飛、
同馬、同玉、45歩、55玉、56飛、65玉、75金、同玉、
85金、64玉、53飛成、65玉、47馬、同香成、56龍、64玉、
76桂、63玉、53龍、72玉、73龍、同玉、84金、63玉、
64金、72玉、83銀成、81玉、82歩、同と、同成銀、同玉、
73金右、81玉、82歩、92玉、83金上、91玉、81歩成、同玉、
82金右 まで367手詰

1回転目と2回転目で、追い方が変わる31手馬ノコの例です。

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2019年9月15日 (日)

No.203 春霞賞候補作紹介 2019年3月号

■7月の詰工房例会で、今年3月号と4月号の候補作が決まりましたので、ここでご紹介しておきます。まずは3月号から。

■詰パラ20193月号 大学9 青木裕一氏作   ◇飛び石連合


89馬、(イ)67桂合、同馬、45桂合、同馬、34香合、15桂、13玉、12と、同玉、24桂、13玉、23桂成、同玉、22と、同玉、32桂成、同玉、44桂、22玉、11角、31玉、32桂成、同玉、33角成、同玉、34銀、32玉、54馬、41玉、42銀成、同玉、43銀成、51玉、53香、62玉、52香成、71玉、72歩、同銀、62成香、同玉、53馬、61玉、52成銀 まで45手詰
(イ)34香合なら、15桂、13玉、79馬、68歩合、23桂成、同玉、22と、同玉、12と、31玉、97馬以下詰。

■作者の言葉、及び担当スタッフ短評
作者(結果稿解説より)-97-31のラインで王手をすれば詰みなので、89-23のラインから79-13のラインを経由して回るのが攻方の狙い。それを防ぐために79-13のラインの馬の行き先に利かせるために、桂の連合をします。
久保紀貴-初手89馬に対する67桂合~45桂合が、31-97ラインへの馬の転回を防ぐ連続合。相馬慎一氏の4桂連合を彷彿とさせますが、馬の軌跡が異なるため、防ぐポイントも異なります。どちらかといえば、武島氏作(あちらは桂の連続移動合)に近いでしょうか。
馬屋原剛馬で王手するときは寄りと引きの2種類を選べるので、桂中合で1箇所だけ防いでも通常は連続中合の意味づけにはなり得ない。本作では、 桂中合を一間とびにすることによって、馬の王手を物理的に寄りだけにしている点が工夫と言えよう。
太刀岡甫馬寄を防ぐために飛び飛びの中合が出る。この位置関係を実現するには3つの王手ラインを用意する必要があり、創作難度は高そう。
久保-青木作、実際構図の取り方巧いと思いました。

(以下Twitter等からの抜粋)
久保-補足。転回を防ぐ意味づけが、連結や合駒稼ぎの防ぎではないところが新しいところです。
大崎壮太郎武島作も同じ理由の一間とび桂移動合じゃなかったでしたっけ。図面忘れてしまったけど。
馬屋原あれ、そうでしたっけ? 私も図面忘れたので、誰かプリーズ。
大崎ここ(「書きかけのブログ」https://kakikake.hateblo.jp/entry/2015/07/21/204130)で書いてました。

<参考図> 詰パラ2014年3月号 大学8 武島宏明氏作


23歩成、同金、14香、13香合、同香成、同玉、14香、同金、22角、12玉、11角成、同玉、18飛、77桂成、同馬、55桂、同馬、33桂22銀、12玉、24桂、22玉、32桂成、13玉、23香成、同玉、33馬、13玉、25桂、同金、15飛、同金、25桂、同金、14歩、12玉、22馬 まで37手詰

馬屋原一間とびが前例ありだと、ちょっと評価下がるなあ。
久保-つまりですね、相馬作と武島作の中間的な位置付けなんですよ。

<参考図> 2013年7月 81puzzler 第5番 相馬慎一氏作


32歩、21玉、33桂生、同銀、31歩成、同玉、97馬、86桂合、同馬、75桂合、同馬、64桂合、同馬、53桂合41香成、21玉、12銀成、同玉、23角、22玉、34桂、13玉、46馬、35歩合、25桂、23玉、33桂成、同玉、24銀、34玉、23銀生、33玉、34歩、同成銀、同銀成、同玉、43銀打、33玉、55馬、44金合、45桂、同桂、44馬、同玉、54金、33玉、42銀生、34玉、43銀生 まで49手詰

馬屋原なるほど。青木作の特徴は、合駒を稼いだり、オーロラ手筋を利用することなく、「大きく転回する」という意味づけがシンプルなところかな。
馬屋原ついオーロラ手筋って書いてしまいましたが、連結手筋ですね。
久保-はい。そしてそこが、相馬さんの作品に通じるところでもあります。
馬屋原ん? 相馬作は連結手筋ですよね?
久保-そうです。 ただし、武島作は桂以外の合駒稼ぎを防ぐ目的になっていたはずです。
久保-はじめ見た時そう思ってたのに忘れてた。
馬屋原それにしても、青木作のようなシンプルな意味づけの作品が、なぜ今まで作られなかったか不思議ではあります。
馬屋原馬に対して金や銀の連続合がでたらすごいですね。
久保-不可能ではないですね。

■4月号の候補作は別途更新します。ではまた。

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2019年9月 6日 (金)

No.202 第345回詰工房例会報告

825日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、稲○元孝、岩〇修、大○光一、沖○幸、加○徹、金○清志、小○正浩、原〇慎一、深○一伸、田中徹 以上11名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

7月の例会は町内の祭礼と重なり欠席したので、このブログも休載しました。勝手に夏休みを取ってしまい、すみませんでした。
7月は例会と祭礼がバッティングしないか、毎年気を揉んでいます。
これまでは幸運に恵まれることが多かったのですが、今年はダメでしたね…。

■さて、8月の例会に戻ります。
社団戦の開催日に当たったこともあり、参加者11名。落ち着いた例会になりました。

自分は会場に入ってから3時までの間は、その日紹介する作品の予習に当てています(前の日までにやっとけ? ごもっとも)。
そして3時を過ぎると、頃合いを見てプロジェクターの出番。
いつもは解図や対局、雑談等で盛り上がっているところを中断させてしまい、心苦しく感じるのですが、この日は余り気を遣う必要がありませんでした。良いのか悪いのか、微妙です。

ともあれ、注目作の紹介がスタート。
予習の効果もあって、順調にプレゼン終了か、と思われましたが、大甘でした。
スマホ詰パラの発表作紹介の中で、「この作者は要注目です」と言ったら、小○さんの「それは詰工房常連の〇○さんでは…」に唖然。
深○さんには「『この詰』に例題として出てますよ」と指摘され、茫然。
将来の大物と思ったら既に大物だった…。
また、「4桂連打+3桂成り捨て」作を褒めていたら、TETSUさんに「こんなのがありますよ」と4作ほど前例があることを教えられました。
毎度のことながら、勉強不足で申し訳なし。

TETSUさんと言えば、パラ9月号の「おもちゃ箱だより」で、“注目作の紹介”について取り上げてくださいました。ありがとうございました。
スマホ詰パラの発表作をいかにして歴史に残すか、そろそろ知恵を絞る時期です。
ネットでの中継等も提案されていて、非常に魅力的なのですが、仮に動画で生放送なんてことになるといささか…。その時は桂花さんに司会を譲りましょう。

■スマホ詰パラの発表作から2局紹介します。

スマホ詰パラ 2019年7月 i@hiro氏作  No.13231


中合の角を動かす。最近ポピュラーな構成ですが、本作は角が最大距離を移動するのが特徴。
前例はあるでしょうし、形にも問題ありです。それでも本作には誰かの物真似ではない、創意が感じられます。
作家として最も大事な資質です。

スマホ詰パラ 2019年7月 高等遊民氏作  No.13285


実は本作、ページ数の関係で最後にカットしたため、今回のレジメには載っていません。しかし個人的に気に入っていたので、ここでご紹介することにしました。
34金を45桂に置き換える手順が秀逸です。

5時からは2次会。自分は祭礼の反省会(本当の!)があり、残念ながら直帰しました。

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■今月は春霞賞の選考はお休みでしたが、7月の例会で今年3月号と4月号の候補作が決まっています。

◇詰パラ 20193月号
大学9 青木裕一氏作

◇詰パラ 2019年4月号
大学10 若島正氏作
大学院7 太刀岡甫氏作
大学院8 馬屋原剛氏作

4月号は3作が同じ票数で並ぶ大接戦。なお内容については、頁を改めてご紹介いたします。

■このブログのタイトルには「祭り」とあるのに、今まで全く祭りについて触れたことがありませんでした。そこで、今回は我が町内の祭礼について、ざっとご紹介します。

[土曜日 午前]
幟たて、櫓や山車の組み立て、夜店の設営等、ひたすら準備。
一番疲れるのがここかも。

[土曜日 午後]
神輿と山車で町内一周。
神輿は3つあるが、子ども神輿ばかり。最近は誰も肩で担ごうとせず、腰の辺りで両手で抱えている。神輿は沈み、“担いでいる”感ゼロ。しかも後半は大概親が肩代わりすることになる。が、それも良し。子どもたちの笑顔が一番。
山車には囃子の太鼓を載せ、練習を重ねた子どもたちが交代でバチを握る。自分は山車の後に付いて笛を吹く。開放的で気持ちが良い。

[土曜日 夜]
盆踊りと夜店で賑わう。
神社の境内はチョー狭く、人口密度が高い。自分はかき氷の担当。1杯50円と子どもにも手頃な価格設定。他には焼き鳥、焼きそば、飲み物、(おもちゃの)金魚すくい、福引等。結構行列ができる。
盆踊りの前に囃子獅子舞の奉納。夜店を一時離脱し、ここでも笛を吹く。
夜店に戻り、結局かき氷を200杯近く売り上げる。自分が担当するようになってからの最高記録だ。

片付けをして1日目終了。心配していた雨も降らずに済んだ。

[日曜日 午前]
神事(本祭り)。宮司が祝詞を挙げ、神楽舞を奉納。
自分は神楽の締め太鼓を担当。地味だがこれが本祭りだから手抜きはできない。途中から良く晴れて大汗をかく。

[日曜日 午後]
再び神輿と山車が町内を回る。
例年2日目の方が子どもが少ないのが悩みの種。
自分は境内に残ってお留守番。

以上で行事は終了。
全員で片付けをした後、夕方から反省会と言う名の飲み会に突入。これが一番の楽しみだったりする。

1000世帯ほどの小さな町内の、ささやかなお祭りではあるが、それなりに達成感はある。
今年は台風が上陸したにも関わらず、雨は夜中に降っただけで、奇跡的にすべての日程を消化できました。
神様のご加護に感謝。

■ではまた。

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2019年7月16日 (火)

No.201 詰パラ2003年7月号濱田氏作について

■前回のブログで第6回春霞賞受賞作をご紹介したところ、重要な指摘がコメント欄に寄せられました。
それは、「2手目の玉方最遠打は、詰パラ平成15年7月号中学校の濱田博作9手でも行われて」いるというもので、それが下図。


■確かに2手目27飛合は、5手目23桂生に対し同飛成を用意した受けで、「可成地点に打つ玉方最遠打」です。この図は全く記憶にありませんでしたので、ご指摘に感謝申し上げます。

自分は岩村氏の構想を「可成地点に打つ限定遠角合」と紹介していましたので、その点においては前例があったと言うことになります。
違うのは、濱田氏の27飛合は「普通合」で、岩村氏の87角合は「中合」という点です。
濱田氏作の結果発表時の解説には「限定中合」とありますが、攻方28香は玉方17馬でピン止めされていて、2手目どこに合駒されても同香と取ることはできませんので、中合ではなく普通合(自分の認識では)です。
岩村氏の87角合は中合であることに価値があるので、作品としての評価に大きな影響はないと考えます。

ただ、濱田氏作についてはこの機会にもっと再評価されてしかるべきでしょう。
本作は玉方最遠打に加えて桂の3段跳ねという意欲作でしたが、結果発表では5作中最下位でした。
しかし中にはこんな短評も。

名越健将―詰将棋の「可能性の大きさ」に激しく感銘する。10年後、こんな作品がいっぱい載ってるといいですね。

あたかも岩村氏作の登場を予見していたかのような、先見の明に感服します。
確かに、今ではこんな作品がいっぱい載るようになったではないですか! 

変寝夢さん、コメントありがとうございました。
「この詰2019」の久保さんの論考を読むと、構想作の未来はこれからだ、との思いを強くします。
その主役は10代、20代の若者たち。自由に、やりたいことをやってください。でもって、おじさんたちも負けるな!
ではまた。

 

 

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2019年7月 8日 (月)

No. 200 第343回詰工房例会報告

630日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、稲○元孝、沖○幸、加○孝志、加○徹、金○清志、小○正浩、近○郷、芹○修、原○望、原○慎一、深○一伸、松○成俊、柳○明、田中徹 以上15名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回は社団戦とバッティングしてしまい、参加者15人とやや少な目でした。
久○さんや馬〇原さん、太〇岡さん等は社団戦の主力選手でもあり、当然工房には不参加。従って春霞賞の選考は来月に持越しとなりました。

■当日はレジメの作成・印刷が大幅に遅れ、今度こそ本当にヤバイかも、と何度も冷や汗をかきました。そりゃ6月の例会の前日になってやっと5月の例会参加記をブログにアップしている時点で、既に手遅れですよ、普通。
そこでやむなく掲載作品数を減らし、参考図を省略する等手抜きを重ね、プリンターのインク切れにはモノクロ印刷という非常手段で対抗し、奇跡的に3時を少し過ぎたところで会場に入ることが出来ました。
しかし…、その代償として、図面と作意手順が一致しないものが3作もあるなど、お粗末極まりない代物になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。

■とにかく会場に着くなりプロジェクターを準備し、注目作の紹介を開始したものの、予習が不十分でほとんど解説にならず、逆に出席の皆さんに変化・紛れを教えていただく始末。
次からは心を入れ替えて頑張りますので、ご容赦ください。

と言ってるそばからすみません、7月の詰工房は不参加です…。

5時からはいつもの店で2次会です。
久し振りにバカ詰を解きました。バカ詰は超短編に限りますな。
2時間少々参加して、早めに失礼してきました。
2次会の模様等を知りたい方は、hirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。
(今気づきましたが、「詰将棋の欠片」では参加者数が16人となっています。誰を漏らしてしまったんだろう(汗)…)

■それでは、第6回春霞賞のご紹介です。

平成30年 第6回春霞賞
 大 賞   岩村凛太朗氏作 (詰パラ4月号 デパート3


◇可成地点に打つ限定遠角合
★3手目22歩以下の紛れ順を、21歩成に同角で逃れるため87角合とする。
★今まで「ありそうでなかった意味付け(止○丘八)」が評価され、見事大賞に輝きました。
金○清志「2018年で一番、本賞にふさわしい作。シンプルな表現も良い。」
竹○健一「可成地点での捨合は初めて見た気がします。構想作として評価したい。」
會○健大「原理図のようなシンプルさにやられた。個人的に一押し。」
池○俊哉「中合の意味付けが良い。」
馬〇原剛「今までなかったのが不思議な意味付け。」
久○紀貴「シンプルながら見たことがない。89金をそのままにしない収束も素晴らしい。」
小○正浩「87角合の意味付けが面白いですね。」
太〇岡甫「2度目の99角が出るのが凄い!」
宮○忍「目新しい限定合をシンプルにまとめている。」

 佳 作   広瀬 稔氏作 (詰パラ9月号 短期大学11


◇『35桂+同龍』×4回
56角~45歩~44角とセットした駒を崩す度に35桂捨てが繰り返されます。
★「『35桂、同龍』×4は凄い(馬〇原剛)」としか言いようがありません。傑作です。
宮○忍「詰崩しと龍の翻弄の組合せだが、表現が見事。」
加○孝志「無駄のようで無駄のない駒の捨て方。」
會○健大「作図の動機が作者らしい…と思わされる境地に達しているのが凄い。」
原○望「打った邪魔の消去」
深〇一伸「好み。」
柳○明「3枚打たせて桂捨で消去する」

 佳 作   若島 正氏作 (詰パラ6月号 デパート3


◇打診中合+ダブルフェニックス
★序で消えた角が、2枚とも元の座標に蘇える。
★「ダブルフェニックスの理想的表現(柳○明)」であり、見る者を魅了する若島流の逸品です。
三○淳「二枚角の再現が奇跡的。」
野○村○彦「詰将棋として凄いが、構想も文句なし。」
會○健大「駒の運動と理知性がうまく融合。」
池○俊哉「角二枚復活の図と初形の対比。」
小○正浩「序盤で消えた2枚の角が再現することに驚きました。
原○望「フェニックス。」

 佳 作   齋藤光寿氏作 (詰パラ8月号 デパート3
<

◇龍の位置変更による打歩詰回避
8手目73にいた龍が、18手目の局面では83にいる!
「中合連発をはさんで一路遠くに再現、凄い!(野○村○彦」」
★マジックを見ているようだ…。
稲○元孝「双方好手の応酬が良い。」
小○正浩「龍が1マスのみ動くことによる打開と、43への合駒が全て異なる巧みさを買います。」
池○俊哉「32角(馬)のリフレイン。」
加○孝志「43合攻防を楽しむ。66歩打を作る竜面白い。」
三○淳「逆王手の43金をめぐるロジックが秀逸。」

★上位4作の差は本当に紙一重しかなく、近年の構想作の分野の充実振りが端的に表れた1年だったと言えるでしょう。
★時代は令和。今年も新時代に相応しい、更に野心的な構想作が続々と誕生することを期待いたします。

■全国大会までもう1週間を切りました。大会にご参加の皆さん、大阪でお会いしましょう。
ではまた。

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2019年6月29日 (土)

No. 199 第342回詰工房例会報告

525日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、馬○原剛、沖○幸、加○徹、金○清志、金○タ○シ、久○紀貴、小○正浩、鈴○優希、竹○健一、太○岡甫、利○偉、原○望、原○慎一、深○一伸、松○成俊、宮○敦史、柳○明、山○剛、和○積商、田中徹 以上21
2次会から参加 芹○修(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回も参加者が20人を超える盛況でした。

■この日最も盛り上がっていたのが「透明駒」。最近ちょっとしたブームのようですが、私は全く着いていけず、時代に取り残された感強し。

■当日はレジメの作成・印刷に手間取り、会場に着いたのは3時直前でした。
直ちにプロジェクターを用意して、春霞賞の選考会開始です。

春霞賞は終わったはずでは? とお思いの方、確かに春霞賞は一度終わりました。
ところがその後、久〇さん、馬〇原さんを中心とした有志の方から「春霞賞を続けたい」とのお申し出があり、復活が決まったのです。
嬉しかったですね、若い人たちからそう言ってもらえて。
となれば自分も全力でバックアップするのみ。
しばらくは試行錯誤が続くと思いますが、ニュー春霞賞のこれからにご期待ください。

新体制となって最初の選考会は、取りあえず久○さんの解説でスタート。今年1月号と2月号、それぞれの候補作を決定しました。

詰パラ 2019年1月号
中学校5 宮田敦史氏作


初手42角から86角成で龍が取れるのに、75角と焦点に打つ。玉方も角を取らず、香移動合で凌ぐ。5手目42角として次こそ64角成かと思うと、やはり取らずに53角成。
最近、作家としても露出が増えている宮田プロの意欲作。11手とは思えない高密度の応酬は見事です。

2月号からは2作が選ばれました。

詰パラ 20192月号
中学校8 上谷直希氏作


打歩詰の局面、どうすれば37歩と打てるか? その答えが58角~59角~48桂の絶妙手順。初形で26にいた角が59に移動し、と金の陰に隠れることで37歩が可能になります。
玉方と金を開いて閉じる一瞬の隙に挟み込まれる、角の最遠移動。この手順感覚こそ看寿賞作家たる所以でしょうか。

詰パラ 20192月号
デパート2 馬屋原剛氏作


初手なぜ97香打なのか。3手目61馬に対し、①72歩合なら96銀として香の利きを消し、②72桂合なら98銀として香の利きを残す必要があるため。
こうした意味付けの限定打は前例がなく、作者会心の新構想です。もっと注目されてしかるべき作品と思います。

2018年の春霞賞受賞作がパラ6月号に掲載されました。
初稿を送った際、図面と手順を4作とも載せたいと書いたのですが、あえなく却下。佳作3局の図面・手順は泣く泣くカットすることに…。
ごめんなさい。次回のこのブログで改めてご紹介する予定です。

一つ大失態。受賞作紹介記事の2行目「若干12才」は「弱冠12才」の誤りでした。お恥ずかしい…。

■パラとスマホ詰パラからの注目作の紹介は、従来通り継続です。

ところで発表のハードルが低いスマホ詰パラにおいては、推敲の余地だらけの作品も多数存在します。
そうした背景もあってか、発表された作品に対して、すかさずコメントで改作案が届くのがお約束。するとその案を取り入れて、進化した改作図を再度投稿→採用、というケースも珍しくありません。また、皆で知恵を出し合うグループ創作も盛んに行われています。
もちろん「これはアカンやろ!」という場合もあるし、一定の節度は持って欲しいと思いますが、改作に寛容な世界であることは認識しておく必要があるでしょう。

スマホ詰パラで近藤真一氏の貧乏煙を下敷きにした作品が発表されると批判の声が起きましたが、スマホ詰パラの作家や作品は、旧来の価値観だけでは測れません。
作者はこの作品を、「自作」として発表したかったのではなく、近藤作にはまだ“発展の可能性がある”ことを示したかっただけではないのか、と思うのです。

2次会には1時間半ほど参加して、早めに失礼してきました。
2次会の模様等を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■明日はもう6月の例会日。ここまで更新が遅れるとは何事か! と言われれば、返す言葉がありません。自分の怠惰が原因としか言う他なく、深くお詫びいたします。
さらには、全国大会も気づけばあと2週間後。今までサボっていた分を取り返して、しっかりと準備しなければ…。

大会にご参加の皆さん、大阪でお会いできるのを楽しみにしております。
ではまた。

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2019年5月 3日 (金)

No. 198 第341回詰工房例会報告

428日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、池○俊哉、稲○元孝、馬○原剛、加○孝志、加○徹、金○清志、金○タ○シ、北○和美、久○紀貴、小○正浩、近○郷、鈴○守、角○逸、竹○健一、太○岡甫、野○村○彦、原○望、原○慎一、深○一伸、細○吉嗣、三○淳、宮○忍、柳○明、山○剛、和○積商、田中徹 以上28名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回も参加者28人と大盛況! 先月と同じ定員20人の部屋だったので、座り切れない人もいらっしゃいました。

■会場に入ると、久○さんと和○積さんが対局の真っ最中。
間もなく終盤に突入し、詰むや詰まざるやで盛り上がる一方、他のグループでは最近の透明駒ブームを反映して、「○○飛車」、「透明!」と言った符丁が飛び交う等、平成最後の例会はいつにも増して賑やかに盛り上がっていました。
賑やか過ぎて他の部屋の利用者からお叱りを頂戴してしまうほど。ご迷惑を掛けた皆さま、誠に申し訳ありませんでした。

■久○さんと和○積さんの熱戦が終わるのを待って、3時過ぎに春霞賞の選考会がスタート。
今回は2018年の大賞を決める投票日です。候補に残った13作はどれもレベルが高く、接戦は必至と見ていました。
が、実際には想像以上の大激戦! 上位4作品がデッドヒートを繰り広げ、最後はわずか1票の差で大賞作品が決定しました。
選考の結果は詰パラ誌上で発表されますので、楽しみにお待ちください。
※今回の印象=「デパート3」が目立っていた。

なお、前回のこのブログでも触れた通り、自分が主宰する春霞賞は今回をもって終了となります。
ただ、注目作の紹介については従来通り継続するつもりですので、今後ともよろしくお願いいたします。

■スマホ詰パラから注目の作品を2局紹介します。

スマホ詰パラ 20193
No.12676 kisy氏作

若手のホープの七種合。しかもよく見ると7枚の合駒がそのまま盤上に残っているという異色作です。
田島秀男氏の17手七種合(パラ201311月号)は6枚はそのまま残りますが、角合だけは取ってしまいます。7枚とも残るのはおそらく史上初でしょう。
黒川一郎氏の「矢来」を彷彿とさせる展開で、4段目に次々と合駒が発生し、最終手1手前の金合で七種の合駒が出揃います。
普通、合駒がそのまま残るのは味悪ですが、本作は趣向的な手順も相まって、うまく緩和されているようです。

スマホ詰パラ 20193
No.12631 Okara氏作

裸玉です。なお、「おもちゃ箱」の裸玉リストには次の2作品があります。

(A)コンピュータ将棋の進歩3 20005月 作者不明
 玉位置:18玉 持駒:角角金金金銀銀香香
 23手詰 (初手19香以下同手順で、23手目19香まで)

(B)詰パラ 19643月 橋本守正氏作
 玉位置:99玉 持駒:角角金金金銀銀歩
 27手詰 (Okara氏作の3手目以降と同一)

この2作については作者も承知されていて、(A)の持駒について「香2枚は歩2枚でも成立することを発見しましたので投稿しました」とのこと。
新作と言えるかどうか微妙ではありますが、完全であれば大きな収穫であることは間違いありません。

■この日も町内会の寄合のため、2次会には参加せず直帰しましたので、2次会の模様等を知りたい方は、hirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。
詰工房の本当のお楽しみは2次会にあり。にも拘らずこのところ不参加続きで、少々欲求不満気味です。

■令和の時代、詰棋界の未来はバラ色か、はたまた波高しか。
個人的には、もう一度作家として復活したいなぁと…(笑)。
ではまた。

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