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2012年12月 8日 (土)

No.108 「たま研」作品展 全短評掲載 その①

■今回、畏れ多くも「たま研作品展」の解説を仰せつかってしまいました。結果は12月号を見ての通り、作品の質の高さと短評のおかげで救われた格好です。
折角ですので、ここで結果稿を再掲するとともに、誌上ではご紹介できなかった短評も全てご披露したいと思います。
1回目は飯尾氏の作品から。

詰パラ平成24年9月号 「たま研」作品展①
入選27回 藤沢市 飯尾 晃氏作


46銀、()同銀、56銀、()44玉、45香、()54玉、64角成、同桂、53桂成、同玉、54香、同桂、65桂、62玉、52馬、同玉、43香成、同玉、53金、44玉、45金迄21手。

()44玉は45金、同桂 62角成、同金、36桂以下。また54玉は45金、同桂、63銀以下。
()54玉は64角成、同桂、53桂成、44玉、45金、53玉、65桂、42玉、52馬以下。
()同桂は同金、43玉、52馬、同玉、44桂以下。


序盤、作意と変化の見極めに悩むが、玉方としては45香を打たせるように逃げるのが正解となる。中盤の味の良い応酬を経て、打った香を成り捨てる収束は、お約束とは言え見事なものだ。
勝利桂と香が陰に陽に活躍する手順と詰め上がりの美しさを堪能。
照夫駒交換主体の手順で変化が厚い。詰め上がりの形は何か。
序の変化を乗り切ればさわやかな手順での詰上り。楽しめる好作。
字形でも現れるかと思ったら見事な「重ね枡」だった。(
家紋ですね)
―54香がポイントできれいなダイヤモンドが出現。
孝志駒の捌きが旨い。この形何ていうのですか。

初めて見る詰上りである。「ブリリアント・カット」なんてダメですか?
作者序盤に45香と打つ様に逆算しただけで、駒取り3回はトホホという感じです。

待望久しい名匠の新作である。確かに駒取りは多いが嫌味はない。むしろこの中盤の折衝こそ本作のハイライト。後味爽やかな佳品で見事に復活を飾った。
復活と言えばもう一組
健司ガジガジ流で押さえ込んで詰みそうだが、筋が見えない。43香成を発見して、やっと収束。
昌幸歩なし図式にできたら付加価値がついてさらに評価が上がったろう。ただ、本図でも好作であることは疑いがない。

WHの揃い踏み! 幻ではない。彼等を知る方々はしかと記憶に留めて頂きたい。

(以下追加分)
s○―
手順は地味だがつかみには丁度よい。これは手裏剣?
悦勇4つ足の動物を思わせる初形、詰上がりは忍者の飛び道具か?更に先手後手の駒位置に美を感じる。
組子初手はこれしかなくても取っても逃げても大変で、ようやく筋が見えた時はホッとした。
卓二打った香を成り捨てる構成はお見事。
素晴らしい手順で見事な終図。55の地点の回りのダイヤモンド。
特に難しい所はない。きれいな駒繰りで楽しかった。
健一初手の入り方に結構悩んでしまった。後は平凡
翔太面白い形の詰上がりだが、解説では、この詰上がりを何と表現するのかな? 初形も意味ありげ、これも何?
―45香が邪魔駒なのを早く見切りたい。

■飛車を使っていないせいか派手さはありませんが、変化に厚みがあるので、ほど良く考えさせられます。
中でも54香と打つまでの一連の捌きは秀逸。ヘタに創れば駒取りが目立つゴツゴツした手順になりがちですが、この作者に限ってそんな心配はいりません。『天然保湿成分をふんだんに含んだ高級化粧品のような、上品でまろやかな手触り』と言えば分かりやすいでしょうか(余計分かりにくいだろ!=陰の声)。
実は、たま研参加者の支持率1位は添川氏作で、2位に入ったのが本作でした。おそらくこの辺りの機微が、創る側からも高く評価されたものと思われます。

■11月号では表紙にも登場するなど、本格的に復活を果した作者。頼もしい人が帰ってきました。
でもこれだけは言っておきましょう。「作者の実力はまだまだこんなものじゃない」と。

■その表紙の言葉の中で小生の名前を出していただいたり、結果稿作成用のフォーマットを送っていただいたりと、作者には本当にお世話になりました。
先輩に、最敬礼!

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コメント

WH両氏をリアルタイムでは知らない世代
(三百人一局集では知ってます)ですが、
復活は嬉しいニュースでした。
飯尾さんの表紙、新年号に結果稿が載ります。

投稿: HYO牛TAN党 | 2012年12月 9日 (日) 08時08分

自分で「復活」と書いておきながらこんなことを言うのは大変心苦しいのですが、今後お二人の名前を目にするのは、極めて稀なことになると思われます。
お二人それぞれに深刻な事情があり、私たちにはどうすることも出来ません。
それでもわずかな可能性を信じて、再度の復活を祈りたいと思います。

投稿: 安武利太 | 2012年12月 9日 (日) 11時26分

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