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2019年7月

2019年7月16日 (火)

No.201 詰パラ2003年7月号濱田氏作について

■前回のブログで第6回春霞賞受賞作をご紹介したところ、重要な指摘がコメント欄に寄せられました。
それは、「2手目の玉方最遠打は、詰パラ平成15年7月号中学校の濱田博作9手でも行われて」いるというもので、それが下図。


■確かに2手目27飛合は、5手目23桂生に対し同飛成を用意した受けで、「可成地点に打つ玉方最遠打」です。この図は全く記憶にありませんでしたので、ご指摘に感謝申し上げます。

自分は岩村氏の構想を「可成地点に打つ限定遠角合」と紹介していましたので、その点においては前例があったと言うことになります。
違うのは、濱田氏の27飛合は「普通合」で、岩村氏の87角合は「中合」という点です。
濱田氏作の結果発表時の解説には「限定中合」とありますが、攻方28香は玉方17馬でピン止めされていて、2手目どこに合駒されても同香と取ることはできませんので、中合ではなく普通合(自分の認識では)です。
岩村氏の87角合は中合であることに価値があるので、作品としての評価に大きな影響はないと考えます。

ただ、濱田氏作についてはこの機会にもっと再評価されてしかるべきでしょう。
本作は玉方最遠打に加えて桂の3段跳ねという意欲作でしたが、結果発表では5作中最下位でした。
しかし中にはこんな短評も。

名越健将―詰将棋の「可能性の大きさ」に激しく感銘する。10年後、こんな作品がいっぱい載ってるといいですね。

あたかも岩村氏作の登場を予見していたかのような、先見の明に感服します。
確かに、今ではこんな作品がいっぱい載るようになったではないですか! 

変寝夢さん、コメントありがとうございました。
「この詰2019」の久保さんの論考を読むと、構想作の未来はこれからだ、との思いを強くします。
その主役は10代、20代の若者たち。自由に、やりたいことをやってください。でもって、おじさんたちも負けるな!
ではまた。

 

 

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2019年7月 8日 (月)

No. 200 第343回詰工房例会報告

630日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、稲○元孝、沖○幸、加○孝志、加○徹、金○清志、小○正浩、近○郷、芹○修、原○望、原○慎一、深○一伸、松○成俊、柳○明、田中徹 以上15名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回は社団戦とバッティングしてしまい、参加者15人とやや少な目でした。
久○さんや馬〇原さん、太〇岡さん等は社団戦の主力選手でもあり、当然工房には不参加。従って春霞賞の選考は来月に持越しとなりました。

■当日はレジメの作成・印刷が大幅に遅れ、今度こそ本当にヤバイかも、と何度も冷や汗をかきました。そりゃ6月の例会の前日になってやっと5月の例会参加記をブログにアップしている時点で、既に手遅れですよ、普通。
そこでやむなく掲載作品数を減らし、参考図を省略する等手抜きを重ね、プリンターのインク切れにはモノクロ印刷という非常手段で対抗し、奇跡的に3時を少し過ぎたところで会場に入ることが出来ました。
しかし…、その代償として、図面と作意手順が一致しないものが3作もあるなど、お粗末極まりない代物になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。

■とにかく会場に着くなりプロジェクターを準備し、注目作の紹介を開始したものの、予習が不十分でほとんど解説にならず、逆に出席の皆さんに変化・紛れを教えていただく始末。
次からは心を入れ替えて頑張りますので、ご容赦ください。

と言ってるそばからすみません、7月の詰工房は不参加です…。

5時からはいつもの店で2次会です。
久し振りにバカ詰を解きました。バカ詰は超短編に限りますな。
2時間少々参加して、早めに失礼してきました。
2次会の模様等を知りたい方は、hirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。
(今気づきましたが、「詰将棋の欠片」では参加者数が16人となっています。誰を漏らしてしまったんだろう(汗)…)

■それでは、第6回春霞賞のご紹介です。

平成30年 第6回春霞賞
 大 賞   岩村凛太朗氏作 (詰パラ4月号 デパート3


◇可成地点に打つ限定遠角合
★3手目22歩以下の紛れ順を、21歩成に同角で逃れるため87角合とする。
★今まで「ありそうでなかった意味付け(止○丘八)」が評価され、見事大賞に輝きました。
金○清志「2018年で一番、本賞にふさわしい作。シンプルな表現も良い。」
竹○健一「可成地点での捨合は初めて見た気がします。構想作として評価したい。」
會○健大「原理図のようなシンプルさにやられた。個人的に一押し。」
池○俊哉「中合の意味付けが良い。」
馬〇原剛「今までなかったのが不思議な意味付け。」
久○紀貴「シンプルながら見たことがない。89金をそのままにしない収束も素晴らしい。」
小○正浩「87角合の意味付けが面白いですね。」
太〇岡甫「2度目の99角が出るのが凄い!」
宮○忍「目新しい限定合をシンプルにまとめている。」

 佳 作   広瀬 稔氏作 (詰パラ9月号 短期大学11


◇『35桂+同龍』×4回
56角~45歩~44角とセットした駒を崩す度に35桂捨てが繰り返されます。
★「『35桂、同龍』×4は凄い(馬〇原剛)」としか言いようがありません。傑作です。
宮○忍「詰崩しと龍の翻弄の組合せだが、表現が見事。」
加○孝志「無駄のようで無駄のない駒の捨て方。」
會○健大「作図の動機が作者らしい…と思わされる境地に達しているのが凄い。」
原○望「打った邪魔の消去」
深〇一伸「好み。」
柳○明「3枚打たせて桂捨で消去する」

 佳 作   若島 正氏作 (詰パラ6月号 デパート3


◇打診中合+ダブルフェニックス
★序で消えた角が、2枚とも元の座標に蘇える。
★「ダブルフェニックスの理想的表現(柳○明)」であり、見る者を魅了する若島流の逸品です。
三○淳「二枚角の再現が奇跡的。」
野○村○彦「詰将棋として凄いが、構想も文句なし。」
會○健大「駒の運動と理知性がうまく融合。」
池○俊哉「角二枚復活の図と初形の対比。」
小○正浩「序盤で消えた2枚の角が再現することに驚きました。
原○望「フェニックス。」

 佳 作   齋藤光寿氏作 (詰パラ8月号 デパート3
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◇龍の位置変更による打歩詰回避
8手目73にいた龍が、18手目の局面では83にいる!
「中合連発をはさんで一路遠くに再現、凄い!(野○村○彦」」
★マジックを見ているようだ…。
稲○元孝「双方好手の応酬が良い。」
小○正浩「龍が1マスのみ動くことによる打開と、43への合駒が全て異なる巧みさを買います。」
池○俊哉「32角(馬)のリフレイン。」
加○孝志「43合攻防を楽しむ。66歩打を作る竜面白い。」
三○淳「逆王手の43金をめぐるロジックが秀逸。」

★上位4作の差は本当に紙一重しかなく、近年の構想作の分野の充実振りが端的に表れた1年だったと言えるでしょう。
★時代は令和。今年も新時代に相応しい、更に野心的な構想作が続々と誕生することを期待いたします。

■全国大会までもう1週間を切りました。大会にご参加の皆さん、大阪でお会いしましょう。
ではまた。

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