No.201 詰パラ2003年7月号濱田氏作について
■前回のブログで第6回春霞賞受賞作をご紹介したところ、重要な指摘がコメント欄に寄せられました。
それは、「2手目の玉方最遠打は、詰パラ平成15年7月号中学校の濱田博作9手でも行われて」いるというもので、それが下図。
■確かに2手目27飛合は、5手目23桂生に対し同飛成を用意した受けで、「可成地点に打つ玉方最遠打」です。この図は全く記憶にありませんでしたので、ご指摘に感謝申し上げます。
自分は岩村氏の構想を「可成地点に打つ限定遠角合」と紹介していましたので、その点においては前例があったと言うことになります。
違うのは、濱田氏の27飛合は「普通合」で、岩村氏の87角合は「中合」という点です。
濱田氏作の結果発表時の解説には「限定中合」とありますが、攻方28香は玉方17馬でピン止めされていて、2手目どこに合駒されても同香と取ることはできませんので、中合ではなく普通合(自分の認識では)です。
岩村氏の87角合は中合であることに価値があるので、作品としての評価に大きな影響はないと考えます。
ただ、濱田氏作についてはこの機会にもっと再評価されてしかるべきでしょう。
本作は玉方最遠打に加えて桂の3段跳ねという意欲作でしたが、結果発表では5作中最下位でした。
しかし中にはこんな短評も。
名越健将―詰将棋の「可能性の大きさ」に激しく感銘する。10年後、こんな作品がいっぱい載ってるといいですね。
あたかも岩村氏作の登場を予見していたかのような、先見の明に感服します。
確かに、今ではこんな作品がいっぱい載るようになったではないですか!
変寝夢さん、コメントありがとうございました。
「この詰2019」の久保さんの論考を読むと、構想作の未来はこれからだ、との思いを強くします。
その主役は10代、20代の若者たち。自由に、やりたいことをやってください。でもって、おじさんたちも負けるな!
ではまた。
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