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2019年10月20日 (日)

No.206 春霞賞候補作紹介 2019年5月号 

■春霞賞候補に残った作品の紹介です。
まずは5月号出題作から。

■高等学校21 久保紀貴氏作 「モーメンと」
◇玉方と金の6地点1回転


45銀、同と、46桂、同と、36香、同と、26桂、同と、
25銀、同と、35香、同と、43馬 まで13手詰

太刀岡甫-4地点の回転ならよく見るが、6地点で連続して回したのがまず凄い。また、初手以外の捨駒を駒打ちで行うことにより局面の対比(銀消去)が明確になっている。回転方向の制御が非常にシンプルな仕組みで実現されており、手順完全限定で完璧な仕上がり。
馬屋原剛-ノンストップでと金が6回も動いて1周する。しかも駒取りなしときた。こういう作品は得てして短絡する紛れに苦労するのだが、それを感じさせないほどスマートに出来ている。 最優秀賞候補の一角。
久保紀貴-半期賞の言葉でも書いたが「と金が回転する前後で局面を対比すると攻方銀が消えている(だけ)」という点は特に気に入っている。 また他についても駒取りなし、手順完全限定、最短表現など、全体として自分の美学を貫けたので満足。

<参考図> 
詰パラ20136月号 宮原 航氏作 「独楽鼠」
◇玉方飛車の6地点1回転


35金、同飛、36桂、同飛、26香、同飛、16桂、同飛、
15角、同飛、25歩、同飛、33馬 まで13手詰


■大学14 鈴川優希氏作  「泣斬馬謖」
◇玉方馬先馬角


69銀、58桂成、同香、55馬、44龍、同玉、56桂、53玉、
65桂、同馬、64桂、56馬、同香、55角生35角、44桂、
55香、同桂、44角、43玉、65角、54飛、35桂、32玉、
54角、41玉、32角成、同玉、33角成、同玉、34飛、同玉、
24と、35玉、25と まで35手詰

馬屋原剛-複雑ですぐには構想が理解できなかったが、作者のブログを読んで、玉方馬先馬角が狙いとわかった。 私的には、構想よりも感じのよい序や大駒3枚捨ての収束といった、全体の完成度の方に感心した。
久保紀貴-玉方応用の馬先馬角というのはパッと作例を思いつけないため、単品でも表現として新しいものかもしれない。しかし本作はそれだけでなく、同じ手順の流れの中に取歩駒を逃げるための馬移動中合を加えており(ここは構想としては掛け算ではなく足し算になっているが)、より面白い表現が追及されていると思う。
太刀岡甫-馬先馬角というマニアックな構想。角と馬を対称に配し、移動捨合で馬を消し、合駒を出しつつ角2枚を捨て切る収束まで、徹底的に見せ方を追求している。


■詰棋校の期末月とあって、5月号は構想作も好作揃い。その中で久保氏作と鈴川氏の2作は、他のノミネート作を大きく引き離して候補に残りました。
なお久保氏「モーメンと」は、周知の通り見事半期賞を受賞されました。おめでとうございます。

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