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2019年12月

2019年12月30日 (月)

No. 212 第349回詰工房例会報告

1222日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、稲○元孝、馬〇原剛、沖○幸、加○孝志、加○徹、金○清志、金○タ○シ、小○正浩、近○郷、鈴○優希、深〇一伸、山○剛、米○歩登、田中徹 以上15名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回、会場到着は1420分頃だったでしょうか。3時前の会場入りは久し振りのような気がします。
プロジェクターをセッティングしたあとは、作品紹介に備えて予習に専念。
そして午後3時を過ぎたところで、春霞賞の選考会開始です。

■この日の進行役は馬○原さん。
ノミネート7作と多めでしたが、きちんとポイントを押さえた解説は流石です。
現在春霞賞の選考に当たっている若手スタッフは、皆鑑賞眼がしっかりしている上に、過去の発表作にも精通しており、本当に感心させられます。頭の中の引き出しの数が違うんですね。

今回候補に残ったのは次の2作。
中学校11 青木裕一氏作
デパート4 大崎壮太郎氏作
内容については、別頁にてご紹介します。

■スマホ詰パラからは2局ご覧ください。

スマホ詰パラ 201911
No.13841 kisy氏作 「Whitesnake


中盤の龍追いから2度の飛車限定合辺りの手順は絶品で、147手の長手数を飽きさせない。
だからこそ言わせてもらいますが、玉方95と配置は何やねん! 
時間はかかってもいいから、無防備煙への改作を求めます。

スマホ詰パラ 201911
No.13881 himatsume氏作


3手目48金~58銀引として、48の金を銀に置き換えておくのが、潜伏期間の長い第1の伏線(43手目17角に49玉の逃げを防止)。
次いで9手目38香短打が、後の39角打ちを可能にする第2の伏線。
さらに、23手目35銀が玉方の馬を質に見込む第3の伏線。
後半の2度の捨合を含む軽妙な攻防と相俟って、極上の本格ミステリのような謎解きが楽しめる逸品です。

5時からはいつもの店で2次会です。
開始後間もなく芹○修さんも合流して、詰棋談儀に花を咲かせました。
自分は2時間くらい粘ったところで睡魔に負け、あえなく撤退。
それでも、今年最後の例会を、楽しく過ごさせていただきました。皆さん、ありがとうございました。

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■年明け1月の例会は節目の350回目の開催になりますが、取り立てて記念イベントを行う予定はないようです。
そこはいかにも詰工房らしいですね。

ではまた。

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2019年12月16日 (月)

No.211 春霞賞候補作紹介 2019年8月号

詰パラ 20198月号  春霞賞候補作紹介

■高等学校7 山路大輔氏作
◇銀成強制(局面対比)


28桂、同銀生19香、同銀成18香、同成銀28桂、同成銀
27角、同成銀17香、同成銀26金 まで13手詰

會場健大-一手一手駒を進めていくと、ひとつひとつの捨駒は単純なロジックの積み重ねであることがわかる。それが初形と終形の対比、銀だけが動く手順、というモチーフによってひとつの流れに束ねられているところに作者の顔が見えるのであって、詰将棋表現というのはこういうものだというお手本であろう。
太刀岡甫-持駒を6枚捨てて銀を成らす。その間他の駒は一切動かない。収束もたったの1手。夢のような手順で、思いついても図化するのは非常に難しいと思う。それをこの枚数でさらりとやってのけるのは流石である。
久保紀貴-水谷作が強く印象に残っていたので、28桂~19香~18香までは見えたのですが、そこから曲げてくるとは驚きました。この枚数で実現可能なのですね……。 作者の絶好調振りを示す傑作です。
馬屋原剛-なんとまあムシのいい手順をムシのいい配置で実現していること。ムシが良すぎて今まで誰も挑戦しようとすら思わなかったのだろうか。並の作家であれば、仮にこの仮想手順を思いついたとしても、実現できるわけはないと諦めてしまうだろう。理想の追求を恐れない姿勢に感服。

<参考図>
詰パラ 20146月号 水谷創氏作


78桂、同銀生69香、同銀成68香、同成銀67香、同成銀
55銀、同と、56金、同と、77銀、同と、65龍 まで15手詰

久保紀貴(発表時短評)―桂捨てから香3連打。香3連打だけでもテーマになりうるのに、それで銀が成って戻ってくるのだから文句のつけようがない。


■大学6 船江恒平氏作
◇態度打診の捨駒


75銀、同玉、73飛生、65玉、77桂、同角生、66歩、同角生、
54龍、同玉、63銀、44玉、33銀生、同玉、52銀生、53歩合、
同飛生、32玉、33歩、同角、41銀生、21玉、22歩成、同角、
13桂、同角、23飛生、22角、33桂、11玉、12歩、同玉、
13馬、同角、21飛成 まで35手詰

久保紀貴-打診を伏線で実現すること自体珍しいと思いますが、さらに舞台装置を跡形もなく消し去っているのが美しい仕上げです。 攻方の打診をテーマとする場合、その意味づけとなる構図(Aは成で逃れ、Bは生で逃れる構図)をとるのが大変だと思っているのですが、本作の構図は極めて巧妙にできていて、作家としてはそこに一番感心させられました。
馬屋原剛-まずは、成生打診を必要とさせる右上の構図に感心。ここから逆算で左下まで引っ張っていったと思うが、77桂〜66歩がまた絶品。本筋とは関係ないとはいえ、飛生や歩中合も入り、極めて完成度が高い。
會場健大-潜伏期間の長い伏線ものなのだが、個人的には駒がさばけるのが楽しい。この収束がもっていた物語を存分に引き出したと思えるからで、代償としての駒取りはここではあまり気にならない。
太刀岡甫-攻方による打診。打診に角位置が影響しないよう舞台を移動させるが、それにより打診が伏線的になっている。飛生や歩合が入る点、左辺が綺麗に捌ける点など、圧倒的な完成度である。
久保紀貴-船江作、舞台を動かしているというのはその通りで、唯一ともいえるこの構図の欠点。 本来右上だけで手順を構成できれば最高なのだが、元々の構図で角を2枚使い切っている関係上、右上に働きかける駒(打診できる駒)がない。そのため舞台を動かす必要が生じている。 とはいえそれを全ての舞台装置を消して実現したのは凄いというほかない。


■短期大学10 藤井規之氏作
◇最遠打×2回


39
34飛合、同香、同金、24桂、同金、39飛、同馬、
33飛、21玉、22歩、同玉、39飛成、21玉、11馬、同玉、
31龍、21銀、44角、12玉、21龍、同玉、22銀、32玉、
33角成 まで25手詰

馬屋原剛-この遠打を繰り返してしまうとは。繰り返そうという発想はどこから浮かんできたのか非常に気になる。仮に発想が浮かんでも具現化するのは難しいはずで、綺麗にまとめあげた手腕は確かなもの。24桂が焦点の捨て駒である点もよい。
會場健大-浦壁手筋のアレンジだが、合駒を入れて駒台の情報にも意味を持たせることで同じ位置に2度打てるという発見。構図にも無理がなく簡潔に実現している。
太刀岡甫-既存の筋も繰り返せば構想になる。言うのは簡単だが、この遠打が繰り返せるのは大発見。局面の戻し方も好手の捨駒で、構想の途中に余計な手が入らないのも良い。
久保紀貴-39香は小林敏樹作が有名ですが、それを繰り返すなんて考えたこともありませんでした。繰り返す意味(飛の品切れ)やスイッチとなる24桂捨てなど、全体として非常に精緻に作られていると思います。 小林敏樹作は今更言うまでもなく名作ですが、本作も併せて覚えておきたいですね。

<参考図 1>
近代将棋 1964年9月号 北原義治氏作


51角、同金、15角、14玉、51角成、17桂成、15金 まで7手詰

<参考図 2
詰パラ 19778月号 浦壁和彦氏作


93
、同銀、23飛、34玉、93飛成、12香、23銀 まで7手詰

<参考図 3
詰パラ 19857月号 小林敏樹氏作


39香、同馬、33飛、22玉、13飛成、同玉 まで7手詰


※「この詰2010」をお持ちの方は、ぜひ風みどり氏の論考「超短編における中合対策の研究」(同書P138~)を合わせてお読みください。

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2019年12月15日 (日)

No.210 春霞賞候補作紹介 2019年7月号

詰パラ20197月号 春霞賞候補作紹介

■短期大学5 太刀岡甫氏作   
◇不成による1歩稼ぎ


24角、同玉、15銀、13玉、53飛生33歩合、同飛生22玉、
32飛成、13玉、4333歩合、同龍、23歩合、24龍、同歩、
14歩、22玉、32香成、同金、同香成、同玉、43歩成、21玉、
22歩、同玉、23歩、同玉、33金 まで29手詰

太刀岡甫(作者)-攻方にとって飛生のほうが得なので、玉方は1歩と引き換えに成を強制する。33/龍の局面が共に作意に出現するため、明確な対比になっていると思う。歩を使い切る収束が同じ舞台で簡潔にできた点も気に入っている。
久保紀貴-飛生で1歩稼ぐというよりは、飛生に33歩合~ソッポ龍に33歩合のリフレインが気に入りました。 似たような展開は過去に一度考えたことがあるのですが、うまく纏められませんでした。少ない枚数で収束まで破たんなく纏めた作者の手腕に拍手です。
馬屋原剛-正直最初は地味な印象を受けたが、冷静に見るとなかなか面白いことをやっている。うまく受ければ歩一枚で事足りそうなのに、歩二枚ないと凌げないのは不思議な感触。 ところで、角でも同様の手順ができるか気になった。興味のある向きは試してみて欲しい。
會場健大-核となる部分は典型的な打歩の不成ものなのだが、それを機能的な配置で趣向風の手順に昇華させたところにセンスが光る。

■ノミネート7作の中、ぶっちぎりの独走で首位通過はお見事。


※今回からスタッフに會場健大さんが加わってくださいました。
この4人って、何気に物凄く贅沢なメンバーですよね。
春霞賞の未来は明るい!

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No. 209 第348回詰工房例会報告

■11月30日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、石○仰、稲○元孝、馬○原剛、尾○充、沖○幸、加○孝志、加○徹、金○清志、久○紀貴、小○正浩、小○純平、角○逸、芹○修、竹○健一、太○岡甫、利○偉、深○一伸、柳○明、山○剛、米○歩登、田中徹 以上23名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回は、レジメの原稿はいつもより早めに仕上がっていたのに、印刷に手こずってしまい、会場到着は15時20分頃。
用紙切れも痛かったけれど、それ以上に2ヶ月分のレジメ印刷を甘く見ていたのが敗因でした。
会場に入ると直ちにレジメを配布し、プロジェクターをセッティングして、即春霞賞の選考会開始です。

■この日の進行役は久○さん。
ノミネート作品数が多かったにも関わらず、ポイントを押さえた簡潔明瞭な解説で、候補作の選出までスムーズな進行振りはお見事でした。
久○さんに限らず、詰工房の若手は皆本当に熱心で頼もしい限りです。

激戦の中、候補に残ったのは以下の通り。

7月号
・短大5太刀岡甫氏作

8月号
・高校7山路大輔氏作
・短大10藤井規之氏作
・大学6船江恒平氏作

内容については、頁を改めてご紹介いたします。

■スマホ詰パラから1局ご紹介します。

スマホ詰パラ 2019年10月
No.13801 黄楊の輝き氏作 


打診中合を含む歩連合は出てくるものの、全体としてはやや物足りない印象ですが、次の2作と合わせて、3局セットで見ると少し見方が変わるはずです。

スマホ詰パラ 2017年5月
No.9375 黄楊の輝き氏作


スマホ詰パラ 2017年5月
No.9376 黄楊の輝き氏作


わずかな配置の違いから、成と不成、単独合と連合に分岐する面白さは、三姉妹作ならでは。
詰将棋はこんな表現も出来る、そう教えてくれる作品です。

■5時からはいつもの店で2次会です。
今回は久し振りに9時頃まで粘って、楽しい時間を過ごしました。
皆さん、ありがとうございました。

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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