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2020年1月

2020年1月 8日 (水)

No.213 春霞賞候補作紹介 2019年9月号

新年明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

では早速――
詰パラ20199月号 春霞賞候補作紹介

■中学校11 青木裕一氏作
2枚飛車の「連続限定打+連捨て」による邪魔駒消去



43
55玉、52飛46玉、55飛成、同玉、44飛成、同玉、
36桂 まで9手詰

太刀岡甫-飛車2枚消費して歩を原型消去し、1手で収束する。いずれも打ってから成り捨てるのは統一感があり、どちらも限定打となっているのが素晴らしい。
會場健大-すごい大模様だが表現としてはむしろシンプル。52飛を限定打にする変化で邪魔駒の46歩が生きているところにも機能美を感じる。
久保紀貴-限定打での表現と、収束を1手で纏めてある点が良いですね。大模様はやはり気になりますが、特別気になる配置があるわけではないので、これが最善なのかもしれません。
馬屋原剛「限定打を2連続で放ち、それをすぐさま捨て去り詰み上がる9手詰を作れ」という課題を与えられたとき、凡人は角で作ろうとするだろう。強力な2枚飛車が、ちっぽけな1歩の消去に見合う、この事実を発見した作者の勝利である。
久保-2枚で作る方がスマートにできそうですけどね。
馬屋原スマートなのは角でしょうね。しかし飛で作った青木作は迫力がある。
宮原君の順位戦の作品は角2枚で邪魔駒消去してましたっけ?いざない弓みたいなタイトルの。
久保-ありましたね、好きな作品です。
馬屋原宮原作、詳細は忘れましたけど、やってることはそんなに変わらないとは思います。
でも飛の方が派手でカッコいいじゃないですか。
久保-私は本質が大事だと思っているので、飛でも角でも香でも、同じことをやるならどれでも構わないんです。だから飛角香の選択まで可能性に含めた上でベストな構図をとりたい。
飛を角にするみたいなバリエーションで元の作品とは違う作品、つまり新作を作ることはできると思うんですが、それで違うこと(テーマ)をやっていることにはならないというのが持論です。
馬屋原まあ私も実際に作るとなったら、一番すんなり行きそうな角を選ぶかもしれません。
久保-ただ、青木さんの作品は最短での表現ということで、飛を角にする以上のことをやっているとは思います。
角にした方が配置を整理できそうだと思っただけで、テーマは宮原作とは異なると見るべきでしょうね。

<参考図>
詰パラ 20156月号 
A級順位戦 宮原 航氏作 「いざ綯い弓」



23角、44玉、34角成、同玉、12角、35玉、45角成、同玉、
25飛成、44玉、54飛、同玉、55龍 まで13手詰



■デパート4 大崎壮太郎氏作
◇角遠打+「アンチ禁遊手筋」の桂合



33桂成、同玉、25桂左、32玉、98角87桂合33桂成、同玉、
25桂、32玉、87角、同龍、39龍、37桂合、24桂、23玉、
41角、24玉、14角成、同玉、19龍、23玉、13龍、32玉、
33龍、21玉、11歩成、同玉、13香、21玉、12香成、同玉、
13桂成、11玉、22龍 まで35手詰

馬屋原剛もっと構想部分だけを取り出せなかったかとも思うが、そうすると味気ない作品になってしまう危惧もある。本作は、桂馬消去のタイミングの謎解きが絡み重厚な作品となった。 角を取る位置を玉方の意思でズラす点は、手前味噌ながら、拙作(2017.3たま研③)を思い出した。
會場健大-けっこう構図に制約の多い構想のはずで、うまくまとめたもの。主眼部より「98角よく限定にしたなぁ」とか「桂捨てのタイミング絶妙だなあ」とか思ってしまうのは褒められた態度ではないのかもしれないが、率直な感想。
太刀岡甫-後に桂合するための、争点ずらしの桂合。98角が限定打で入るのも良いし、攻方桂の消去のタイミングも絶妙である。凄い技術だと思う。
久保紀貴-87桂合はアンチ禁じられた遊び手筋とでも言うのでしょうか。ちょっと地味な感じもしますが、序の振り付けが素晴らしく、メインの弱さを補っています。 こちらも気になる初形をしていますが、調べてみると結構ギリギリの配置になっています。

<参考図>
詰パラ 20173月号 
たま研3 馬屋原剛氏作



57、同銀成、54歩、63玉、67香、同成銀、53歩成、同玉、
56香、同桂、43角成、同玉、64桂、87龍、93飛成、53歩合、
35桂、33玉、53龍、24玉、23龍、15玉、16歩、同玉、
27龍、15玉、16歩、14玉、23龍 まで29手詰

13手目64桂に対し、①87龍と取ると龍の利きは7段目に、②76香合、同馬、同龍なら、龍の利きは6段目に残る。どちらの段に龍の利きを残すかの選択権は玉方にあり、玉を1筋に追った時、龍の利きが6段目、7段目のどちらかに残っていれば、僅かに逃れる仕組み。
3度の香限定打によって、67段目ともに龍の横利きを遮断するという高度なテーマを、鮮やかに図化した力作です。

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