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2020年2月

2020年2月 3日 (月)

No.215 春霞賞候補作紹介 2019年10月号

詰パラ201910月号の春霞賞候補作をご紹介します。

■高等学校20 有吉弘敏氏作     
◇同一駒による3度の移動中合


76桂、65角64銀、54玉、59飛、56角55銀打、45玉、
49飛、47角成46銀打、56玉、34馬、65玉、69飛、同馬、
57桂 まで17手詰

會場健大-同一角での移動中合3回はインパクト大。2手ずつ逆算して得られそうにない手順という意味では構想してまとめた作品と呼べると思う。原理は比較的単純なのもうれしい。
久保紀貴-構想というよりは趣向といった感じですが、傑作には違いないですね。最後に飛がスイッチバックで消えるところも気に入りました。
太刀岡甫-移動中合を趣向的に繰り返す作。このような手順は見たことがないので構想と言っていいと思います。さらに収束でスイッチバックの飛捨てが入るのが良く、これにより成限定になっているのも巧すぎる構成です。
馬屋原剛角の移動中合3回はインパクト大ですね。規則的な趣向ですが、仕組みは単純ではなく、絶妙な空間処理によって支えられていると感じました。


■大学院7 馬屋原剛氏作  「円環の理」    
◇成駒変換


35歩、45玉、23馬、34歩合、同歩、56玉、33歩成、57玉、
13馬、67玉、68飛、76玉、78飛、86玉、88飛、95玉』
『A』とする

23角成、57玉、13馬、67玉、68飛、76玉、78飛、86玉、
88飛、95玉、94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、
73と右、64玉、63と右、54玉、53と右、44玉、43金34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、5344玉、43と、34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73と右、64玉、
63金54玉、53と、44玉、43と右、34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73金64玉、
63と、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、『A』
94と、同玉、93と、84玉、83金74玉、73と、64玉、
63と右、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、『A』、
94と、同玉、93金84玉、83と、74玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、『A』
94、同玉、93と、84玉、83と右、74玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、53と右、44玉、43と右、34玉、35歩、45玉、
23馬、46玉、36と、同玉、47金、26玉、27と、同玉、
45馬、26玉、36馬 まで217手詰

馬屋原剛構想として取り上げていただいたのが意外でした。富沢作や、やよい作と本質的には同じで、回数を増やしただけと思っています。
會場健大-作者自認のとおり新構想というわけでもないが、本人がちょっとした工夫と思っていることがジャンプアップということは多々あるもので、歩を使って実現したのはやはり偉い。
太刀岡甫-駒の性能は全く変わらず、文字だけが微妙に動いていく。歩を使えば回数を増やせると思いついたとしても、33歩成を実現する構図は相当難度の高い創作であったはず。長手数化に加え、大量のと⇔1枚の金の対比がよりクリアになったように思います。
久保紀貴-こちらも趣向テイストですが、趣向の目的が「歩ではなく金を渡す」ところにあるのが構想チックです。桂でやった前例があるのは辛いところですが、なぜか本作の表現の方が構想味を感じました。歩と金だと性能差が明確だからでしょうか?
安武利太-「円環の理」についてご本人は、「構想作に分類されるのが意外」なんですね。私はikironさんの言う通り、「歩ではなく金を渡す」という点がポイントだと思います。玉方の持駒に注目してみると、他の参考図では複数の種類の持駒があり、合駒の選択が可能ですが、「円環の理」では持駒は歩1枚のみ。それを200手近く掛けて、金に変換したことになります。桂や香を品切れにするというより、(形のうえでは)持駒変換と言って良いような…
馬屋原剛-円環の理と、それ以外が別構造かどうかは、昔久保さんたちと議論しましたが、結局円環の理は合駒制限しているから特殊に見えるだけで、本質的には変わらないという結論に至りました。他の参考図をあえて合駒制限してみると、同じ構造に見えるはず。


<参考図>

詰将棋半世紀第18番 柏川悦夫氏作


84角、94玉、86桂、同桂、93角成、同玉、92と、94玉、
95歩、同玉、86金上、94玉、95金、同玉、68馬、94玉、
54龍、74桂合86桂、95玉、74桂、94玉、93と、同玉、
92金、94玉、82桂成、74桂合86桂、95玉、74桂、94玉、
93金、同玉、92成桂、94玉、82桂成、74桂合86桂、95玉、
74桂、94玉、62桂成、54と、86桂、95玉、74桂、94玉、
93成桂、同玉、57馬、94玉、84馬 まで53手詰


<参考図>

詰パラ20025月号 富沢岳史氏作


35飛、66玉、36飛、75玉、74と、同玉、73と右、64玉、
63と右、54玉、右、44玉、34飛、45玉、35飛、44玉、
46香、45香合、同香、55玉、香成、66玉、36飛、75玉、
74と、同玉、73と右、64玉、63と右、54玉、成香、44玉、
34飛、45玉、35飛、44玉、46香、45香合、同香、55玉、
43香成、66玉、36飛、75玉、74と、同玉、73と右、64玉、
63成香、54玉、53成香右、44玉、34飛、45玉、35飛、44玉、
46香、45香合、同香、55玉、43香成、66玉、36飛、75玉、
74と、同玉、73成香、64玉、63成香右、54玉、53成香右、44玉、
34飛、45玉、35飛、44玉、46香、45歩合34飛、55玉、
54飛、66玉、56飛、77玉、68銀、88玉、79金、98玉、
88飛、97玉、98飛、同玉、96飛、同と、88金打、99玉、
89金寄 まで97手詰 


<参考図>

詰パラ201610月号 やよい氏作 


48馬、56玉、57馬、65玉、66馬、74玉、73成桂、64玉、
74成桂、同玉、41馬、64玉、63成桂、54玉、53成桂右、44玉、
43金、34玉、33金右、25玉』=『A』、
37桂、36玉、14馬、25桂合、同桂、47玉、『A』
37桂、36玉、14馬、25桂合、同桂、47玉、『A』
37桂、36玉、14馬、25桂合、同桂、47玉、『A』
37桂、36玉、14馬、25歩合、同桂、47玉、『A』
26金、同玉、48馬、17玉、27飛、18玉、19歩、27玉、
37馬、17玉、18歩、同玉、28馬 まで137手詰

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No. 214 第350回詰工房例会報告

■125日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、池○俊哉、稲○元孝、沖○幸、加○徹、金○清志、久○紀貴、小○正浩、芹○修、竹○健一、太○岡甫、筒○浩実、利○偉、深○一伸、細○吉嗣、柳○明、山○剛、米○歩登、田中徹 以上20
2次会から参加馬○原剛(以上、敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

1月の例会と言えば、TETSUさんによる恒例の年賀詰鑑賞会。会場に入ると、既に鑑賞会は始まっていました。
毎年のことながら、年賀詰の多いこと。最近はネット上で気軽にアップ出来るようになり、その数は年々増えているように思います。中には詰将棋として全く成立していないものも混じったりしますが、それもご愛嬌でしょうか。
新作の収集・管理においてTETSUさんの右に出る者はいませんが、それでも毎年これだけの作品を集め、レジメを作るとなったら相当な業務量になるはず。本当に頭が下がります。

4時を過ぎたところで鑑賞会は終了し、春霞賞の選考会開始です。
この日の進行役は會○さん。初登場です。詰将棋にとっても詳しい新人さんは、何をやってもスゴいんです。
しゃべりもウマいし、柿木を使えば驚きの超絶テク! 素晴らしい即戦力ルーキーです。

今回もノミネート10作という激戦の中、候補に残ったのは2作。

詰パラ2019年10月号 春霞賞候補作
高校16 有吉弘敏氏作
大学院7 馬屋原剛氏作「円環の理」

内容については、別頁にてご紹介します。

■スマホ詰パラから1局ご紹介します。

スマホ詰パラ 201912
No.14120 シナトラ氏作


変化、紛れがほとんどなく、極めて易しい作品ですが、なぜかとても印象に残っています。
初形で玉方34銀の23への利きがなくなれば、23との1手詰。17手掛けてそれを実現する、それだけを鮮明に浮き上がらせた小品です。

5時からはいつもの店へ移動して2次会へ。30分ほどで馬○原さんも合流して、新年会のスタートです。
自分は2時間ほど過ぎた辺りで意識朦朧となり、午後8時頃遂に撤退。でも、いつもながらの楽しいひと時でした。
皆さん、ありがとうございました。

■そう言えば、この日の例会は記念すべき350回目でしたが、何も特別なことはなく、いつも通りの詰工房でした。
いかにも詰工房らしいじゃないですか。この先も永く詰キストの憩の場として続いていってほしいものです。
金○さん、毎月毎月、本当にありがとうございます!

■この日の模様を知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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