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2020年3月

2020年3月31日 (火)

No219 春霞賞候補作紹介 2019年12月号

詰パラ201912月号の春霞賞候補作を紹介します。

■創棋会3 大崎壮太郎氏作
◇不利逃避のための捨合


44飛引成、26玉、35龍、同玉、44角、36玉、34飛、35桂合
同飛、26玉15飛、36玉、35飛、47玉、39桂、同歩成、
38角、同と、48歩、同と、56銀、46玉、47歩、同と、
55銀 まで25手詰

會場健大-玉の身のかわしだけでなく、合駒で駒の経路を変えさせることで取らせを実現するというのは新構想。その前に馬の利きを通す序もうまく決まっている。
馬屋原剛-①飛車捨てによって48へ利きを通す ②不利逃避によって、48への利きをなくす ③不利逃避で入手した駒で再び48へ利かす といった48への利きを巡るストーリーが素晴らしい。構想作として理想的な構成となっている。
久保紀貴-不利逃避のために桂まで渡す主眼部分はもちろんだが、それが一貫したストーリーの中に配されている点を評価したい。 「馬の利きを通して打歩詰を解消しようとしたら、その馬を渡すための桂合+不利逃避で受けられた。そこで、もらった角桂で歩を成らせて再び打歩詰を解消する」という構成がお見事。
太刀岡甫-桂捨合の効果は26を開けることしかないので、純粋に不利逃避のための合駒といえる。構想がわかりやすい作りなのが嬉しい。不利逃避を目的にするというのは新しく、さらなる発展の可能性も秘めていそう。主眼の前に馬筋を通すための26歩消去を入れたのも理想的な序。収束も過不足なく決まっている。


※不利逃避で角を消去するために捨合をする。つまり、角を渡すために桂まで差し出しながら、それでもバランスが取れているのは、作者の選んだ構図の優秀さを示しています。
完成度の高い逸品です。

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No. 218 第352回詰工房例会報告

321日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、池○俊哉、井○徹也、今○修、稲○元孝、岩○修、馬○原剛、沖○幸、金○清志、岸○裕真、久○紀貴、小○正浩、鈴○優希、田○雄大、竹○健一、太○岡甫、野○村○彦、長○川○地、渕○上悠、細○吉嗣、柳○明、山○大輔、和○積商、田中徹 以上25
2次会から参加 芹○修(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■コロナウィルス感染拡大の影響により、解答選手権も中止に追い込まれる中、会場には多数の詰キストが集結。
皆さん待ちかねていたのでしょう。こころなしか、いつもより楽しげな雰囲気が伝わってくるようです。

■解答選手権関係の打ち合わせをしたり、紹介予定作の復習をしたりするうちに、定刻の3時となり、春霞賞の選考会開始です。
今月の進行役は會○さん。12月は詰棋校が休みなので、構想作は少ないのが普通ですが、今回はノミネート8局と豊作でした。
内容的にも見応えのある作品が多く、接戦を予想していましたが、投票の結果大崎氏の作品が余裕をもって逃げ切りました。

12月号 春霞賞候補作
創棋会3 大崎壮太郎氏作

内容については、別頁にてご紹介します。

■スマホ詰パラからは今回も2局ご紹介します。

スマホ詰パラ 20202
No.14311 keima82氏作


13と、同玉、12桂成、14玉、84飛、(イ)74香、同飛、34香合、同飛、同桂、13成桂、15玉、24銀、25玉、26香、同玉、35角、25玉、26香、同桂、52馬、34香合、同馬、同玉、53角成、36銀成、23銀生、33玉、35香、同成銀、34香、同成銀、同銀生、同玉、37飛、24玉、35馬、33玉、44馬、42玉、33飛成、51玉、52銀、同玉、34馬、41玉、43龍、42飛合、同龍、同玉、43飛、52玉、(A73飛成41玉、71龍、同銀、52金、32玉、23成桂まで59手詰

(イ)で34香合41馬以下非常に難解ながら早詰あり。そこで馬筋を止めるため74に合駒をすることになりますが、(イ)74歩合で、同飛同香では、13成桂、15玉、24銀、25玉、26歩、同玉、35角、36玉、37香、25玉、27飛、34玉、53角成、36合、44馬迄。
そこで、(イ)74歩合同飛の時、34香合とするのがうまい延命手段。
ところがこれで作意手順通りに進めていくと、(A73飛成の時に73の香を取れるので、同手数駒余りになってしまいます。
故に、(イ)で74香と移動中合するのが最善(駒が余らない)になる、という仕組みです。
新種のやけくそ中合といった趣ですが、移動中合してからその理由が判明するまで47手(!)という驚くべきスパンの遅効手であり、ほとんど前例がないのではないでしょうか。

スマホ詰パラ 20202
No.14330 relax氏作


初形「」に始まり、→「」→「」→「」→「」→「」→「」と次々にカナ文字が現れる7段曲詰。
オール打ち捨てで、しかも初形で3段目にいた角と銀が、詰上りでは1段目の2枚の香と入れ替わっているというオマケ付き。手順もきちんと限定されていて、類作さえなければ、歴史に残るべき作品です。

5時からはいつもの店で2次会です。自分は町内会の会合があり、そのまま失礼させていただきました。

この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。
どうやら遅くまで盛り上がったようですね。

■自粛、自粛で皆さん本当にうんざりしていたのでしょう。顔を合わせてたわいもない話をする、それだけのことが実はとても貴重なことなのだと、思いを新たにしました。

ここ数日で一気に感染のペースが拡大し、今やいつ「非常事態宣言」が出されてもおかしくない状況です。先が見通せないだけに、陰鬱な思いが募ります。

ただ、詰キストは盤駒さえあれば自宅にいても不自由はないはず。
むしろこの自粛期間中に、名作・傑作がいくつも生まれることを期待したいと思います。

■ではまた。

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2020年3月 2日 (月)

No. 217 春霞賞候補作紹介 2019年11月号

2019年11月号の春霞賞候補作をご紹介します。

■大学院10 田島秀男氏作     
◇馬筋遮蔽駒スイッチ型複式馬鋸


19飛、28玉、55角、46香合、同角、同成桂』=『A』
19飛、28玉、55角、46香合、同角、同と』=『A’』
29飛右、17玉、19香、18角合』 =『B』
18香、同玉、19飛、28玉、29飛左、38玉、
65角、47香合、同角、同成桂、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉』=『C』
18香、同玉、19飛、28玉、29飛左、38玉、
65角、47香合、同角、同と、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉』=『C’』
39飛、28玉、29飛右、17玉、19香、18角合、
同香、同玉』=『D』 とする

<作意>
39飛、28玉、29飛打、18玉、19飛、28玉、29飛左、38玉、
37と、同成桂、56角、47香合、同角、同成桂、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉、73金36と、
19飛、28玉、55角、46香合、同角、同成桂、29飛右、17玉、
19香、18角合、71馬、35と、18香、同玉、19飛、28玉、
29飛左、38玉、65角、47香合、同角、同成桂、39飛、28玉、
29飛右、17玉、19香、18角合、同香、同玉、
72馬、36と、 『A』『B』62馬、35と、『C』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、74馬、47成桂、『D』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A’』『B』62馬、35成桂、『C’』
72馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、83馬、47成桂、『D』
72馬、36と、 『A』『B』62馬、35と、『C』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A』『B』62馬、35成桂、『C’』
72馬、36成桂、『A’』『B』71馬、35成桂、『C’』
81馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、92馬、47成桂、『D』
81馬、36と、 『A』『B』71馬、35と、『C』
72馬、36と、 『A』『B』62馬、35と、『C』
63馬、36と、 『A』『B』53馬、35と、『C』
54馬、36と、 『A』29飛左、38玉、65馬、47と、 『D』
54馬、36成桂、『A’』『B』53馬、35成桂、『C’』
63馬、36成桂、『A’』『B』62馬、35成桂、『C’』
72馬、36成桂、『A’』29飛左、38玉、
83馬、47成桂、39香、49玉、94馬、同金、
34香、58玉、59飛、67玉、66金、77玉、
78香、同玉、79飛、87玉、88歩、97玉、
98歩、同玉、99飛、88玉、89飛左、97玉、
98歩、同玉、99香 まで743手詰

太刀岡甫-と金と成桂の位置関係という非常にシンプルな仕掛けで馬鋸の往復を成立させ、700手超えの長手数を実現した作。成駒を入れ替えるのは局面の微小変化ということができ、その構図が新しければ構想作と言ってよいでしょう。
ただ、構想というよりも長手数化に重きが置かれているのは還元型無駄合利用からも明らかだと思います。
會場健大-遮蔽駒のスイッチでこんなに手数が延びるとは!  二枚飛車と馬ノコの組み合わせ自体はよく目にするだけに、こんな発展の可能性があったのかと本当に驚いた作品で、長編作品として心からの賛辞を惜しまない。
ただし、選ぶ側の問題として、すごい作品だからとノミネートさせていくだけでは看寿賞と変わらなくなってしまうという指摘には向き合わねばならない。
久保紀貴-1枚剥がすたびに馬を引きつけ、成駒の位置を変えさせる必要がある点に新鮮味を感じる。
馬屋原剛-剥がすたびに一旦馬を近づける必要がある構成はi'll be backと似ているが、1サイクルの趣向手順や、成駒の位置変換の仕組みは遥かに複雑かつ巧妙に造られている。馬ノコによる成駒の位置変換は、同作者のキューブを彷彿とさせるが、キューブに比べるとまだ理解の及ぶ範囲か。成駒の位置変換は今後の超長編のトレンドになるかもしれない。そんな可能性を感じさせる一局。
構想作かどうかは疑問だが傑作であることは間違いない。

※局面還元型無駄合を含む本作。この無駄合についてスタッフに聞いてみたところ、容認派もいれば条件付き容認派もいて、それぞれの解釈に微妙な温度差があるように感じました。ただ、出題時に無駄合が含まれる旨明記すべきという点では、皆概ね一致していました。
面白かったのは「フェアリーに半歩入った感じ」という回答で、言い得て妙なりと感心した次第。
結局、10人いれば10通りの考え方があるからこそ、無駄合論議も規約問題も果てがないのでしょうね。


<参考図>
近代将棋  199612月号 
河原泰之氏作  「I'll be back


38と左、49玉、48と左、59玉、
58と左、69玉、68と左、79玉』=『A』
78と右、69玉、68と右、59玉、
58と右、49玉、48と右、39玉』=『B』とする

<作意>
79金、同玉、78と引、69玉、68と右、59玉、58と右、49玉、
48と右、39玉、29金、同玉、28と引、39玉、38と右、29玉、
21龍、26と、28と左、39玉、32龍、36と、38と右、29玉、
23龍、26と、28と左、39玉、34龍、36と、38と右、29玉、
25龍、26と、28と左、39玉、『A』
75龍、76と、78と左、89玉、85龍、86と、88と右、79玉、
『B』
35龍、36と、38と右、29玉、24龍、26と、28と左、39玉、
33龍、36と、『A』
73龍、76と、『B』38と右、29玉、
23龍、26と、28と左、39玉、34龍、36と、38と右、29玉、
25龍、26と、28と左、39玉、『A』78と左、89玉、
85龍、86と、88と右、79玉、『B』
35龍、36と、38と右、29玉、24龍、26と、28と左、39玉、
33龍、36と、38と右、29玉、22龍、26と、28と左、39玉、
『A』
72龍、76と、『B』
32龍、36と、38と右、29玉、23龍、26と、28と左、39玉、
34龍、36と、38と右、29玉、25龍、26と、28と左、39玉、
『A』78と左、89玉、
85龍、86と、88と右、79玉、『B』
35龍、36と、38と右、29玉、24龍、26と、28と左、39玉、
33龍、36と、38と右、29玉、22龍、26と、28と左、39玉、
31龍、36と、『A』
71龍、76と、『B』38と右、29玉、
21龍、26と、28と左、39玉、32龍、36と、38と右、29玉、
23龍、26と、28と左、39玉、34龍、36と、38と右、29玉、
25龍、26と、28と左、39玉、『A』78と左、89玉、
85龍、86と、79と、98玉、87銀、同と、同龍、同玉、
88と、76玉、77と左、65玉、66と、64玉、75と、63玉、
53銀成、同玉、45桂、52玉、62角成、同玉、44角、52玉、
53桂成、51玉、33角成、61玉、43馬、72玉、64桂、81玉、
54馬、同飛、82歩、同玉、83歩、81玉、82香、71玉、
72歩、61玉、52桂成、72玉、62成桂寄、73玉、63成桂引
 まで311手詰

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2020年3月 1日 (日)

No. 216 第351回詰工房例会報告

223日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、荒○貴道、池○俊哉、稲○元孝、馬○原剛、大○孝、沖○幸、金○清志、金○タ○シ、小○正浩、竹○健一、太○岡甫、深○一伸、渕○上悠、細○吉嗣、宮○敦史、柳○明、田中徹 以上19名(敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■小学生の渕○上クンが初参加。
楽しんでもらえたでしょうか。また遊びに来てください。

■やはり気になるコロナウィルスの感染拡大。
例会の席でも解答選手権に向けて、色々と対策が話し合われていましたが、残念ながら、本日チャンピオン戦の中止が発表になりました。
様々なイベントやスポーツの大会で自粛が相次ぐ中での、苦渋の決断だったと思います。

感染拡大防止に積極的な姿勢をアピールしたい安倍総理ですが、今回の「要請」はどうだったか。
学校だけ休みにしたって、感染が止まるとは考えにくい。国民の間に一気に自粛ムードが広がるという効果はありましたが…。
一体いつになったら収束することやら。

3時少し前、春霞賞の選考会開始です。
進行役の太○岡さんによる解説の後、投票に移ります。
そして候補に残ったのが、これ。

大学院10 田島秀男氏作

内容については、別頁にてご紹介します。

■続いて、スマホ詰パラから2局ご紹介します。

スマホ詰パラ 20201
No.14161 わかば氏作


19手目34龍が渋い一手。21玉には11歩成~14龍、22玉なら14桂~35角成の筋があって、ピッタリ捕まります。
対する33歩合が、同龍なら21玉で打歩詰を見た好防手。収束はいかにも変長や非限定がありそうに見えて、どうやら割り切れているようです。
比較的簡素な形からの、意外性のある攻防が見所です。

スマホ詰パラ 20201
No.14171 aaa太刀岡氏作 「ヘンゼルの道しるべ」


角不成による連取りと馬鋸の組合せは珍しくありませんが、本作は2つの趣向がシームレスで繋がっているのが大きな特徴。
盤面鶯図式に始まり、粘りある収束も力強く、記憶に残る一局です。

5時からはいつもの店で2次会です。自分は寝不足と娘のお迎えがあったため、そのまま失礼させていただきました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■次回の詰工房は321日の予定。もしやこちらも中止だなんてことは…?

■ではまた。

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