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2020年8月

2020年8月17日 (月)

No.223 作品集「雨滴」WEB公開

小川悦勇作品集「雨滴」遂に公開!

冬眠蛙さんの「冬眠日記」で、小川悦勇氏の作品集「雨滴」が公開されました。
関係者若干名のブログで同時公開しようという企みで、自分も一枚噛んでいます。
そこで、このブログでも早速「雨滴」をDL公開いたします。

(1)ご挨拶.pdf

(2)前編(問題の部).pdf

(3)後編①(解説の部).pdf

(4)後編②(解説の部).pdf

「冬眠日記」のPDFファイルとは、構成が若干異なりますが、中身は同じはずです。
ただし、第13番、第17番、第23番については、作者から改良図をお預かりしていますが、このファイルでは原図のままとなっていますので、ご了承ください。
改良図については、今後ブログ等でご紹介していく予定です。

ぜひ、この傑作集をご鑑賞ください。
じっくり味わってください。
そして、評価に値する内容だと感じていただけたなら、
皆さんのお仲間に、「コレ、いいよ!」と、お勧めしてください。

よろしくお願いいたします。

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2020年8月16日 (日)

No.222 注目作紹介-スマホ詰パラ(2020年3~5月)

スマホ詰パラ 3~5月号から、注目作をご紹介します。

(1)スマホ詰パラ 2020年3月 
 No.14456 19枚目の歩氏作


初形で13銀がなければ、12龍左で合が利かず、簡単な詰み。この2枚龍の潜在力をバックに、ブラの銀で玉を追う趣向作です。趣向の性質上、往復させるのは難しく、趣向手順が短くて物足りない嫌いはありますが、その分、31馬を消去しておく伏線や、大駒を捌き切る力強い収束など見所も多く、十分満足のいく作品に仕上がっています。
2枚龍の代りに2枚角を使った作品では、昼間勉氏の塚田賞作品が有名です。

<参考図①>
近代将棋 1971年4月号 昼間勉氏作


2枚龍では制約が大きくて、創作は大変そうですが、角ならこれだけ出来ます。

<参考図②>
「夢の華」第9番 山田修司作


銀鋸の手順自体はほぼ同じですが、銀鋸を成立させている機構は大きく異なります。最大の違いは、1筋に飛車利きが通っていること。つまり、銀は完全なブラではなく、半ブラであるという点です。ただ、この飛車の利きのおかげで本作は1往復化に成功しており、創作の自由度は増しています。
なお、本作は発表図を改良したものですが、原図からの改善度合いが半端ないので、発表図も合わせて掲載します。推敲の大切さが一目で判る、格好のサンプルであると思います。

<参考図③>
旧パラ195012月号 山田修司作
 

76金など、山田氏とは思えない配置ですが、デビュー間もないころの作品と聞けば納得です。


(2)スマホ詰パラ 2020年3月 
No.14496 Comet_Lulin氏作  


序の10手で、いきなり2度の2段中合。さらに、14手までに5種合が飛び出す規格外の力作。出題先がスマホ詰パラでなかったら、自分には永遠に解けません。
17手目36銀と押さえてようやくひと安心。収束は角捨ても入り、上々の仕上がりです。
このままでも傑作ですが、7種合への発展を期待するのは、望み過ぎでしょうか。

<当初発表図>
スマホ詰パラ 20192月 
No.12591 Comet_Lulin氏作


こちらの図も決して悪くはありません。というより、かなりレベルの高い作品と言えます。それでも作者としては、香遠打+48歩中合」の実現に拘った、ということでしょう。


(3)スマホ詰パラ 2020年5月 
No.14734 高等遊民氏作


玉と馬の軌跡に注目してください。
玉の方は「465666656454444546」の正方形。ノンストップで一周します。
一方、馬の軌跡は「3557755335」、菱形です。
余分な駒を置くことなく、ほぼ最小限の配置で実現していることに感心します。
作者によれば、駒場和男氏の「外房9号」(周辺巡り)、「内房1号」(2線目巡り)、「山手線」(3線目巡り)の3部作を見て、4線目巡りへの挑戦を思い立ったとのことです。

<参考図>
「ゆめまぼろし百番」第79番 
駒場和男作 「山手線」


「ゆめまぼろし百番」の、第39番「外房9号」、第29番「内房1号」、に続く3線目巡り。
良く見れば、馬の軌跡は正8角形を描いています。


(4)スマホ詰パラ 2020年5月 
 No.14766 relax氏作


十分な助走の後の17手目、93馬と最遠地点にジャンプします。何のためか? 例えばここで66馬なら、73角に55香合で不詰。角筋をダブらせる中合を防ぐ唯一の手段が、「93馬最遠移動+73角打」でした。
2枚の角限定打で表現した作品はありますが、馬の最遠移動と組み合わせたのが、作者の工夫。玉方46桂配置が、73角打をうまくカモフラージュしており、更に、最遠移動した馬が馬鋸で戻ってくるという贅沢なオマケ付き。
しっかり創り込まれた本格的構想作です。

<参考図>
詰パラ 19901月号 浦野真彦作


初手53角+73角なら、64歩合で不詰。
2枚の角を下から打つ作品は、上田吉一氏の看寿賞作(極光第22番)が有名ですが、上から打つ作品なら、これ。主役の2枚角を消し去る収束など、完璧な構成です。


(5)スマホ詰パラ 2020年5月 
No.14851 パスファインダー氏作


既発表作(詰パラ201411月号デパート5)の改良図。
双玉→単玉、収束の変同解消、駒数減、といった改良が施された、見事な改良図です。
スマホ詰パラや詰将棋メーカーでは、こうした改作図の発表は珍しいことではありません。詰パラ本誌では発表しにくい改作図や修正図の、貴重な受け皿になっているのです。

<詰パラ発表図>
詰パラ201411月号 山路大輔氏作

逆王手もないし、確かにこれでは双玉の意味がありません。27歩・37歩なども気になる配置で、直したくなるのもうなずけます。

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2020年8月10日 (月)

No.221 春霞賞候補作紹介 2020年4月号

詰パラ20204月号の春霞賞候補作を紹介いたします。

■デパート2 馬屋原剛氏作
◇局面対比 <一歩後退>


16馬、25歩合、同馬、44玉、88馬、54玉、55歩、44玉、
26馬、43玉、87馬 まで11手詰

馬屋原剛-デパート担当長谷川さんから出された課題。持駒も含めて差異がないようにする条件だったので創作難度は高かった。最初に出来たのは龍を使った手順だったが、花駒が多かったので馬を使うことにした。それでも配置の多さが嫌われると思ったが、テーマの面白さを純粋に評価してもらえてよかった。
太刀岡甫-初形から歩が1つ下がった形が詰上りという、不思議な作品。持駒を揃えるため歩を合駒で入手する点にこだわりが感じられる。見たことのないテーマに果敢に挑んだ意欲作。
久保紀貴-「持駒も同じ」というところまで拘ったのが、良くも悪くも作者らしい。こういう詰将棋のジャンルがあってもいいと思う。
會場健大-デパートらしい発想で嬉しくなる作。不利感の演出のようなものはあまりないが、微小変化ものの上位にくる作品と思う。

(デパートの解説から抜粋して転載)
☆本作は、「詰上り図が初形から歩が1枚後退しているだけ」という狙いの作品。私がもともと挑戦していたがうまく出来ず、馬屋原氏に話したところ見事に実現していただいた。
☆持駒含めての差異のため、必然的に持駒はなし。そのためどこかで1歩入手する必要があり、その辺りの制御が非常に難しい。
☆ちなみに短手数に拘らなければ趣向風味の手順で表現も可能とは思う。本作は構想部分のみを抽出し最短でまとめており、純度が高い。現代詰将棋のトレンドなのかも知れない。(解説=長谷川大地)

※デパート担当長谷川氏からのミッションに応えた課題創作。
「持駒も含めて」というのがミソで、この制約があるために格段に創作のハードルが高くなっており、馬屋原氏といえどもこの課題をクリアするには、盤面24枚の駒を配置せざるを得ませんでした。
それでもこの難問に挑戦し、最短(と思われる)手数で鮮やかに解を示したのは、天晴れという他なし。
本作に続く意欲作の登場にも期待したいところです。

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2020年8月 2日 (日)

No.220 第353回 詰工房例会報告

718日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、馬○恒司、馬○原剛、小○悦勇、沖○幸、金○清志、久○紀貴、小○正浩、新○江○弘、芹○修、竹○健一、太○岡甫、原○望、渕○上悠、田中徹 以上15名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■ご無沙汰いたしました。
新型コロナの影響で456月の例会が中止になり、4か月振りに行われた例会には、予約申込みをした15名の詰キストが参加しました。
誰かの新作が並べられ、皆で盤を囲んで考え込む。詰将棋の会合では当たり前の光景が、ようやく戻ってきました。いつもと同じ、のありがたさを痛感しました。

■ふと参加者名簿を見ると、小○悦勇氏のお名前が! 
しかし、室内にそれらしき人影は見当たりません。どうやら、いつの間にかやって来て、すぐにお帰りになったらしく、折角のご挨拶の機会を見逃してしまいました。
実は小○氏からの私信で、ある傑作の改良図と、その図を含む「私のベスト10」をお送りいただいたので、それを『詰工房で参加者に配布する』とお知らせしていました。おそらくそれで大井町まで足を運んでくださったものと思われますが、直接お礼を申し上げることが出来ず、本当に残念なことをしました。
そういう訳で、当日の参加者の皆さん限定で、小○氏作・解説「私のベスト10」をお渡ししました。これはちょっとした宝物になるはずです。
ただ、できるだけ多くの人に鑑賞してもらうために、ぜひ詰パラ誌上で発表してほしいと、切に願います。どうせなら作品集「雨滴」を全作掲載してほしいところですが、こちらは風みどりさんが何とかしてくれると期待しています。
なお、”ある傑作の改良図”については、後日このブログで紹介いたします。

■某氏の新作に挑戦中のグループが盛り上がっていたので、いつもより30分ほど遅れて、春霞賞の発表・選考に移りました。
まずは昨年、第7回春霞賞の受賞作の発表です。
詰パラ8月号に結果発表が載る予定ですので、詳しくはそちらでご確認ください(このブログでも特集します)。
続いて、1月号と4月号の春霞賞候補作の選考会開始です。
進行役は久○さん。今回は2月分でしたがノミネートが少な目で、スムーズに進行していきます。
投票の結果、

・1月号    該当なし
・4月号 デパート2 馬屋原剛氏作

に決定。
内容については、別頁にてご紹介します。

■春霞賞の後は注目作の紹介。
詰パラは1月号と4月号の出題作から6局、スマホ詰パラからは36月の発表作19局を、駆け足でご紹介しました。
ここでは、その中から2局をご覧いただきます。

詰パラ 20201月号
大学院1 鈴川優希氏作


柳原裕司氏や明石六郎氏の傑作を彷彿とする作品ですが、過去作品に全く引けを取らない傑作です。
大学院で誤無解ゼロ、平均点286という高評価が、本作の素晴らしさを端的に物語っています。

詰パラ 20204月号
短期大学16 原田清実氏作


盤面7枚の好形から、19香の最遠打、そして15桂中合が飛び出します。
収束まできっちりとまとまっており、作者が「中編では一番のお気に入り」と言われるのも納得の逸品です。

スマホ詰パラの作品紹介は別貢にて。

5時からは2次会ですが、自分は毎度ながら、町内会の関係でそのまま失礼させていただきました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■コロナの感染拡大が止まりません。おかげで祭礼など町内の行事が軒並み中止になり、張り合いのないことこの上なし。
この数日の状況を見ると、詰工房もいつまた中止になるか知れません。先が見えないというのは本当に気が滅入るものですね。

■皆さまも感染にはくれぐれもご注意ください。
ではまた。

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