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2020年8月16日 (日)

No.222 注目作紹介-スマホ詰パラ(2020年3~5月)

スマホ詰パラ 3~5月号から、注目作をご紹介します。

(1)スマホ詰パラ 2020年3月 
 No.14456 19枚目の歩氏作


初形で13銀がなければ、12龍左で合が利かず、簡単な詰み。この2枚龍の潜在力をバックに、ブラの銀で玉を追う趣向作です。趣向の性質上、往復させるのは難しく、趣向手順が短くて物足りない嫌いはありますが、その分、31馬を消去しておく伏線や、大駒を捌き切る力強い収束など見所も多く、十分満足のいく作品に仕上がっています。
2枚龍の代りに2枚角を使った作品では、昼間勉氏の塚田賞作品が有名です。

<参考図①>
近代将棋 1971年4月号 昼間勉氏作


2枚龍では制約が大きくて、創作は大変そうですが、角ならこれだけ出来ます。

<参考図②>
「夢の華」第9番 山田修司作


銀鋸の手順自体はほぼ同じですが、銀鋸を成立させている機構は大きく異なります。最大の違いは、1筋に飛車利きが通っていること。つまり、銀は完全なブラではなく、半ブラであるという点です。ただ、この飛車の利きのおかげで本作は1往復化に成功しており、創作の自由度は増しています。
なお、本作は発表図を改良したものですが、原図からの改善度合いが半端ないので、発表図も合わせて掲載します。推敲の大切さが一目で判る、格好のサンプルであると思います。

<参考図③>
旧パラ195012月号 山田修司作
 

76金など、山田氏とは思えない配置ですが、デビュー間もないころの作品と聞けば納得です。


(2)スマホ詰パラ 2020年3月 
No.14496 Comet_Lulin氏作  


序の10手で、いきなり2度の2段中合。さらに、14手までに5種合が飛び出す規格外の力作。出題先がスマホ詰パラでなかったら、自分には永遠に解けません。
17手目36銀と押さえてようやくひと安心。収束は角捨ても入り、上々の仕上がりです。
このままでも傑作ですが、7種合への発展を期待するのは、望み過ぎでしょうか。

<当初発表図>
スマホ詰パラ 20192月 
No.12591 Comet_Lulin氏作


こちらの図も決して悪くはありません。というより、かなりレベルの高い作品と言えます。それでも作者としては、香遠打+48歩中合」の実現に拘った、ということでしょう。


(3)スマホ詰パラ 2020年5月 
No.14734 高等遊民氏作


玉と馬の軌跡に注目してください。
玉の方は「465666656454444546」の正方形。ノンストップで一周します。
一方、馬の軌跡は「3557755335」、菱形です。
余分な駒を置くことなく、ほぼ最小限の配置で実現していることに感心します。
作者によれば、駒場和男氏の「外房9号」(周辺巡り)、「内房1号」(2線目巡り)、「山手線」(3線目巡り)の3部作を見て、4線目巡りへの挑戦を思い立ったとのことです。

<参考図>
「ゆめまぼろし百番」第79番 
駒場和男作 「山手線」


「ゆめまぼろし百番」の、第39番「外房9号」、第29番「内房1号」、に続く3線目巡り。
良く見れば、馬の軌跡は正8角形を描いています。


(4)スマホ詰パラ 2020年5月 
 No.14766 relax氏作


十分な助走の後の17手目、93馬と最遠地点にジャンプします。何のためか? 例えばここで66馬なら、73角に55香合で不詰。角筋をダブらせる中合を防ぐ唯一の手段が、「93馬最遠移動+73角打」でした。
2枚の角限定打で表現した作品はありますが、馬の最遠移動と組み合わせたのが、作者の工夫。玉方46桂配置が、73角打をうまくカモフラージュしており、更に、最遠移動した馬が馬鋸で戻ってくるという贅沢なオマケ付き。
しっかり創り込まれた本格的構想作です。

<参考図>
詰パラ 19901月号 浦野真彦作


初手53角+73角なら、64歩合で不詰。
2枚の角を下から打つ作品は、上田吉一氏の看寿賞作(極光第22番)が有名ですが、上から打つ作品なら、これ。主役の2枚角を消し去る収束など、完璧な構成です。


(5)スマホ詰パラ 2020年5月 
No.14851 パスファインダー氏作


既発表作(詰パラ201411月号デパート5)の改良図。
双玉→単玉、収束の変同解消、駒数減、といった改良が施された、見事な改良図です。
スマホ詰パラや詰将棋メーカーでは、こうした改作図の発表は珍しいことではありません。詰パラ本誌では発表しにくい改作図や修正図の、貴重な受け皿になっているのです。

<詰パラ発表図>
詰パラ201411月号 山路大輔氏作

逆王手もないし、確かにこれでは双玉の意味がありません。27歩・37歩なども気になる配置で、直したくなるのもうなずけます。

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