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2020年10月

2020年10月12日 (月)

No.227 注目作紹介-スマホ詰パラ(2020年6・7月)

スマホ詰パラ2020年6・7月の発表作から、注目の作品をご紹介します。

①スマホ詰パラ 2020年6月 
No.14941 himatsume氏作


こういう作品がさり気なく登場するから、スマパラは油断がなりません(先月も新しい収束を使用したと思われる注目の煙詰が発表されました)。
本作は大駒による王手が少ないのが特徴で、銀桂香の成駒のない初形が美しい。収束は既成手順なので、序盤に一工夫欲しいところではあります。
スマパラでの煙詰発表はもう何作目か?
そして、中学生になったao碧君はどうしているだろう。


②スマホ詰パラ 2020年6月 
No.14976 RKT_氏作


龍の回転追い趣向長編。
1往復するごとに、玉の軌跡が少しずつ変わるのが面白い。全応手玉移動。


<参考図>
詰パラ 2011年6月号 
摩利支天氏作 「travelingⅡ」


全応手玉移動の最長手数記録作。517手詰


③スマホ詰パラ 2020年6月 
No.14993 itochan氏作


指し手が全て桂跳ねの四桂詰。桂打ちから始める作品は、参考図などいくつか前例がありますが、四桂が配置された状態で始まるのは、かえって珍しいかも? 
比較的少ない駒数でうまくまとめた印象です。


<参考図>
おもちゃ箱 2001年10月 
猫田いわし作




④スマホ詰パラ 2020年6月 

No.15001 大西智之氏作


簡素図式に命を懸ける作者。本作は手順、詰上りとも文句なしの仕上がりです。
類作がないことを祈ります。


⑤スマホ詰パラ 2020年6月 
No.15021 osumo3氏作


初手49金に68玉なら、69金、同玉、59飛、78玉、88金、同玉、89飛打以下詰。この変化が詰むのは、7筋の配置が香車だから。初手69金から入ると、48玉で詰みません。 
2手目同玉の局面で、9段目に合駒できる持ち駒は、金2枚のみ。そこで、左右からの飛車打ちで金を2枚とも使わせてしまえば、10手目は飛合をするしかありません。
以下、飛打、飛合を繰り返し、39まで玉を誘導してから49金と打ちます。同玉と取ると、29飛、39金合、69飛で、59に打てる合駒がない! そのため49金には28玉と逃げるしかなく、39金打以下収束に入るという仕組みです。 
これも前例がなければ、歴史に残る作品になりそうです。

⑥スマホ詰パラ 2020年7月 
No.15076 原田椅子氏作


10手目18玉の局面にご注目。初形から変わったのは、攻方飛車の位置のみ。10手かけて36飛が27へ移動しただけ、というのが愉快です。
また、8手目と12手目の局面を比べると、29飛が消えています。つまり、邪魔駒消去。まあ、この飛車は最初から最後まで邪魔な駒ではあったのですが。
収束も大駒を2枚消して、上々の仕上がり。様々な局面対比が楽しめる異色の好作です。


<参考図>
詰パラ 2020年5月号 
デパート4 三浦 司氏作


原田作と本作とでは、初形の類似や飛車がメインなどの共通点はあるものの、手順構成は全く別物です。しかしこの両作、自分にはどうしても他人同士とは思えず、参考図としてご紹介する次第です。


⑦スマホ詰パラ 2020年7月 
No.15096 三輪勝昭氏作


まず、盤面玉方32歩にご注目を。もしも、この32歩が突如34へワープしたらどうなるか? 33馬までの1手詰です。
でもそんなこと、起こり得るのでしょうか?
出来るのです、チョー一流作家三輪さんになら !
4枚の銀は全て1筋と3筋の玉移動用の捨駒。玉が1筋と3筋を往復するたびに、玉方33桂と32歩を巧妙に操り、22手掛けて34歩型が実現します!
なぜこんな手品のような手順が成立するのか、不思議でなりませんが、本作がスマパラで発表されたのも、考えてみれば不思議です。


⑧スマホ詰パラ 2020年7月 
No.15136 パスファインダー氏作


本作は、作者が将棋世界誌に発表した作品の改良図です。
4手の追加により、先手角と合駒の銀の移動が増え、これ以上ない完成品に仕上がりました。
元の図でもかなりの出来なのに、更に上を目指す。飽くなき向上心に脱帽です。

<参考図>
将棋世界 2015年8月号 
山路大輔氏作



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2020年10月11日 (日)

No.226 第358回詰工房例会報告

926日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、馬○原剛、沖○幸、金○清志、小○正浩、近○郷、新○江○弘、芹○修、竹○健一、太○岡甫、利○偉、柳○明、田中徹 以上13名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■現在の詰工房は予約申込制で、参加者の上限は16名まで。
当分の間、以前のように20人を超える参加者が集まることはありません。コロナの感染が収まるまでは、この状況が続くのでしょう。

kisy一族の第2作品集「青い鳥2020」を購入しました。竹○さん、ありがとうございました。
詰パラの会員になった頃は、作品集を買うと、盤に並べてじっくり鑑賞したものですが、最近はほとんどがパラパラとめくるだけでお仕舞いです。
しかし、この「青い鳥2020」はコラムが充実していて、読み応え充分。オフ会レポートや、一族入会の感想、アマ竜王インタビュー等の純粋読み物から、実戦型創作講座、看寿賞ダブル受賞の裏側等、創作の秘奥に迫るものまで、バラエティーに富んでいて、飽きません。
それに何よりも、kisy一族は若さとエネルギーに溢れています。これで1500円はコスパ高し! 
3弾が楽しみです。

■午後3時を少し過ぎたころ、部屋の照明を落として、春霞賞の選考会スタートです。

■今回は3月号と6月号の候補作の選考を行いました。進行役は太○岡さん。
ノミネートはそれぞれ6作ずつとボリュームがあり、幾分駆け足の進行になりました。投票の結果は以下の通りです。

3月号 候補作
短大 若島正氏作
デパート3 大崎壮太郎氏作

6月号 候補作
同人室8 三輪勝昭氏作
創棋会1 中村宜幹氏作

内容については、別頁にてご紹介します。
これで、詰工房の例会中止により選考の遅れていた13月号の分の選考も終わり、次回からは通常モードに戻れます。

■続いては注目作の紹介。
こちらも、3月号と6月号の2ヶ月分から厳選してのご紹介で、ここではそのうちの2局をご覧いただきます。

詰パラ 2020年3月号
中学校12 池田豊氏作


寡作ながら、良く練り込まれた短・中編を中心に、‘70年代に大活躍された実力派作家です。本格復帰を期待します。
氏の代表作と言えばこれ。

<参考図>
詰パラ 1977年8月号 池田豊氏作
>

「三種遠打」。
三百人一局集にも自選されている傑作です。

詰パラ 2020年7月号
表紙 近藤郷氏作


今回は2作とも100%自分の好みで選びました。好形で難しいところは皆無。誰にでも気持ち良く解ける、癒し系の小品です。
しかし、こうした易しい作品でパラに入選するのは、今や非常に狭き門になってしまいました。
高密度、高難度で競い合う作品群の中にあって、負けずに存在感を示すことができる軽快作は、むしろ希少価値の高い作品と言って良いのではないでしょうか。

5時からは2次会。この日は他に予定はなかったのですが、寝不足のため参加を断念し、ここで離脱しました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■新型コロナの感染は収まる気配がありません。トランプさん、本当に治ったの?
皆さまも感染にはくれぐれもご注意ください。ではまた。

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2020年10月 4日 (日)

No.225 春霞賞候補作紹介 2020年2・5月号

2020年2月号と5月号の春霞賞候補作をご紹介します。


詰パラ2020年2月号

■短大8 太刀岡甫氏作      
◇ダブルスイッチバック


5733玉、44と、同玉、54と、同玉、64飛、53玉、
7542玉、15角、43玉、53香成、同玉、14飛63玉、
6453玉、42角成、同玉、63飛成 まで21手詰

太刀岡甫-詰上りに加担する2枚の大駒を共にスイッチバックするのが狙い。力技の表現だが、一応捨駒で繋いでいる。
馬屋原剛-飛車のスイッチバックから作り始めて角のスイッチバックまで逆算したと思われるが、無理なく逆算されてるのが巧い。
久保紀貴-大きな動きでダブルスイッチバックを表現。目に訴える力がある。
會場健大-やりたい放題の派手な応酬。メインのスイッチバックふたつを強調する作りとは少し違うので、構想の色は薄いが、個人的に好きな作。

※大駒が縦横に飛び交う、ダイナミックな逸品。理屈抜きで楽しめます。
序は逆算と見当が付くので、構想作としては弱いものの、逆算によって新たな主張を加えるのも、立派な構想と言えます。



詰パラ2020年5月号


■中学校23 渡辺直史氏作
◇香の成らせ


57桂、同香成56銀、同成香55飛、同成香54角、同成香
56金 まで9手詰

馬屋原剛-不勉強ながら、3マス戻す香の成らせが今までなかったことを知らなかった。戻すマスが離れるほど創作難度は上がっていくが、無理なく無駄なく仕上がっている。
久保紀貴-短コンで7手の香成らせをやった翌年、9手でもやってみようと考えたが存外に難しく完成させられなかった記憶がある。本作は非常に少ない枚数でできており驚いた。
太刀岡甫-従来の成らせを1マス増やした作。難度が跳ね上がっているうえ、最短手順、完全限定で配置も少なく完璧である。
會場健大-対比が明快な春霞賞らしい作。配置は仰々しいがギリギリいっぱいという感じ。私も3マス戻しの前例がないというのは知らなかった。作者の目の付けどころはすばらしく、要注目。

※久保さんのコメントにある「短コンで7手の香成らせ」を表現したのが参考図①。この作品は歴史的な「衝突」事件を起こしているので、ご記憶の方も多いかもしれません。(衝突の相手が参考図②)
香を2マス戻すには盤面5枚で済むのに、3マスになると盤面12枚必要になる。それだけ難易度の高い狙いであり、むしろ良くこの駒数で収めたというべきでしょう。しかもオール捨駒、駒取り無しで最短手数と、妥協のない創作姿勢には感服の他ありません。



<参考図①>


■詰パラ2015年12月号 久保紀貴氏作
◇香の成らせ


28金、同香成27金、同成香26銀、同成香28金 まで7手詰



<参考図②>

■詰パラ2015年12月号 深和敬斗氏作
◇香の成らせ


28金、同香成27金、同成香26銀、同成香28金 まで7手詰

 

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