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2021年2月14日 (日)

No.232 春霞賞候補作紹介 2020年8月号

詰パラ20208月号の春霞賞候補作を紹介いたします。
(9月号は該当作なし)

■短期大学10 宮原 航氏作 「跳ね玉兎」
最後に9段目に利きをつくるための4段跳ね合

0400-10


41桂成、52玉、96馬、63桂51成桂、42玉、97馬、75桂
41と、32玉、98馬、87桂生31と右、22玉、99馬、同桂成
44角、33角合、同角成、同銀、12飛成、同玉、21角、22玉、
32と まで25手詰

馬屋原剛-馬引に歩の移動中合を繰り返す作品はあるが、桂の移動中合は初めて見た。今まで作られなかったのがとても不思議。 仕掛けらしい仕掛けがほとんど見当たらいので、桂のダイナミックな移動中合が一層映えて見える。
久保紀貴-桂の4段跳ねというと1+1+1+1の構成になっていることがほとんどだと思うが、本作は最初の跳躍が最後の跳躍を目的にしており、4段跳ねが一連なりのものとして構成されている。この点が非常に素晴らしく、従来の4段跳ね作品とは一線を画していると思う。
太刀岡甫-隅に角1枚置くだけで茫洋な空間に桂4段跳ねが出現する。非常にシンプルな機構だが、こんな新構想がまだ眠っていたのかと驚いた。最後に飛を捨てる点など細部の表現も流石である。
會場健大-駒台にない駒を合駒しようと思ったら、連れてくるしかない、ということなのだけれど、それにしてもうまく作るもの。

※視覚効果抜群の新構想を鮮やかに実現。細かいことですが、成桂や自陣と金配置を避けた気配りにも好感が持てます。
これが宮原氏の本格復帰となることを祈ります。

■大学5 齋藤光寿氏作
居食い利用の玉方原型消去×3

0600-5


56飛、66歩、同角、77歩合、同角、66桂右、同角、77桂合、
同角、66桂68桂、75玉、66角、65玉、55飛、66玉、
58桂、同歩成、56飛、65玉、57桂、同と、55飛、66玉、
67歩、同と、56飛、65玉、66歩、同と、55飛、64玉、
85飛、37香合、同角、同歩成、56桂、同と、65
 まで39手詰

馬屋原剛-打歩詰誘致のため取り歩駒消去の手段がユニーク。余分に取らされた桂を使って新たな取り歩駒を発生させて収束しており、うまいストーリーになっている。
久保紀貴-居食いを無駄合の主張ではなく、置き駒の消去に(ポジティブに)利用する発想がよい。さらに消去の意味づけも工夫して居食いを繰り返したことには作者の非凡なセンスを感じた。
太刀岡甫-打歩誘致の玉方邪魔駒消去はよくあるが、1箇所の地点で何枚消去できるかという発想が面白い。趣向手順中に別の位置でも駒を取るというストイックな作りで、大量の駒を使い切る機構に感心した。
會場健大-利き消去の趣向化、という感じなのだが、この構図をうまく制御したもの。収束の非限定は本質的でないので気にならない。

※66の地点への利きを無くすための、捨合による2枚桂消去を主眼に、歩の移動捨合を加え、さらに77の地点でも2度の捨合を行うという、作者の圧倒的な熱量が伝わってくるような、力の籠った一局。その後の、玉方57歩を逆用して歩詰を打開する手順も含めて、申し分のない仕上がりです。


■諸事情により更新が遅れたことをお詫びいたします。
ここで、2020年の春霞賞候補作を振り返っておきましょう。

「2020年の春霞賞候補作」(9月号発表分まで)

1月号 該当作なし)
2月号 短期大学8   太刀岡 甫氏作
3月号 短期大学12   若島  正氏作
同   デパート3    大崎壮太郎氏作
4月号 デパート2   馬屋原 剛氏作
5月号 中学校23    渡辺 直史氏作
6月号 同人室8    三輪 勝昭氏作
同   創棋会1     中村 宜幹氏作
7月号 短期大学3   青木 裕一氏作
8月号 短期大学10   宮原  航氏作
同    大学5      齋藤 光寿氏作
9月号 該当作なし)

※今年も大激戦! 大賞の行方は皆目見当が付きません。

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