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2021年6月16日 (水)

No. 242 第366回詰工房例会報告

529日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、井○徹也、馬○原剛、金○清志、小○正浩、近○郷、芹○修、竹○健一、太○岡甫、松○成俊、宮○敦史、和○積商、田中徹 以上13名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■春霞賞の選考会は15時頃スタート。進行役は太○岡さん。選考会自体はスムーズに進行したのですが、今回は投票の結果、珍しく「該当作なし」となりました。

■続いては注目作のご紹介。

詰パラ 2021年2月号
高等学校10 海老原辰夫氏作

2021210

42銀、同玉、43歩、31玉、42角、22玉、23歩成、同銀、
33角成、同玉、32飛、同銀、24龍、43玉、44龍 
まで15手詰

初手から変化・紛れが豊富で、42角をセットするのも一苦労です。その後、歩を捨て角を捨て、更に決め手の32飛! 捨駒の醍醐味が溢れる好形好作で、並の手筋物とは一線を画す素晴らしい出来栄えです。

詰パラ 2021年2月号
短大8 齋藤光寿氏作

202128

36銀、同桂、56と、44玉、55龍、43玉、46龍、45桂合、
同龍、44角、55桂、33玉、3635角、43桂成、同玉、
45龍、44角、55桂、33玉、35龍、同角、45桂、44玉、
36桂 まで25手詰

<途中図1>12手目33玉まで

202128_

ここから36龍として桂を奪い、8手進めると…

<途中図2>20手目33玉まで

202128_2

途中図1と比べると、違いは玉方36桂の有無のみ。持駒にも変化はありませんので、途中図2に至る8手は、純粋に36桂の消去だけが目的だったということになります。36桂が消えることで生じるメリットは、ここに桂を打つことが可能になる、という点にありました。加えて、途中図1では36龍でしたが、途中図2では35龍と手が変わります。こうした局面の対比が非常に味わい深く、完成された逸品です。

スマホ詰パラ 2021年4月
No.16426 
i@hiro氏作

16426_ihiro202104

93龍、63馬、同龍、同桂、25角、32玉、43角成、同玉、
21馬、32角合35桂、同桂、34金、同玉、14飛、同角、
43馬 まで17手詰

2手目63馬移動合が、「回収手筋」と呼ばれる受けの妙手。ここで普通に83歩合なら、同龍、同桂、44歩、32玉、43歩成、同玉、21馬以下、作意順に準じて14飛までの早詰。21馬には32角合が最善ですが、角は品切れ。そこで、2手目に63馬として敢えて角を取らせ、その角を32歩消去のために使わせることによって、玉方の駒台に戻ってくるという仕掛けです。
「回収手筋」と言えば、原亜津夫氏の看寿賞受賞作が定番中の定番ですので、ご紹介しておきます。

<参考図>
詰パラ1998年5月号 原亜津夫氏作

19985

32角、23飛、同角成、15玉、14馬、同玉、15飛、同玉、
23歩成、26玉、46龍、36飛合、44角成、15玉、33馬、同飛、
16龍、同玉、17金、15玉、16香 まで21手詰

2手目23飛移動捨合が、一生忘れられない絶妙手。

スマホ詰パラ 2021年4月
No.16476 のぞえり氏作  「Ouroboros」

16476__ouroboros202104

58と、同玉、49龍、67玉、77と、同玉、79龍、87玉、
98金、86玉、97金、同金、77銀、75玉、76銀、74玉、
65銀、85玉、95と、同銀、86金、同銀、76龍、94玉、
97香、95金合、84金、同玉、73銀生、94玉、95香、同銀、
84金、同銀、同銀成、同玉、73銀、83玉、85香、同桂、
同龍、73玉、74歩、同金、同銀、同馬、72金、同玉、
71桂成、73玉、72成桂、同玉、62と、73玉、65桂、同馬、
63と、同玉、54と、同馬、62飛、同玉、54桂、53玉、
52桂成、同香、35角、64玉、46角、53玉、44と、同玉、
55龍、43玉、42桂成、同玉、24角、31玉、22銀、同玉、
52龍、32桂合、13角成、同玉、14と、同玉、15香、23玉、
24歩、同桂、43龍、33桂合、24香、同玉、25と、同玉、
36と左、15玉、26と上、14玉、25と直、同桂、26桂、24玉、
25と、同玉、34龍、26玉、18桂、17玉、37龍、18玉、
27龍、19玉、29龍 まで115手詰

<詰上り図>

16476__ouroboros202104_


序中盤の86金、84金、85香の好手、玉方の馬を強引に奪取し、巧みに46角と据える一連の手順、収束には2度の桂限定合と、随所に印象に残る手が散りばめられています。作者は5月にも煙詰を発表されていますが、いずれもレベルの高い一級品で、率直なところ、詰パラ本誌で発表して欲しかったと思います。
なお、詰工房の席上、題名のOuroborosについて、自分の尻尾を咥えた怪物がやがて自分を食べ尽くすことから名付けたもの、などと知ったかぶりをしてしまいましたが、大間違いだったようで…。

Ouroborosとは>
『古代の象徴の1つで、己の尾を噛んで環となったヘビもしくは竜を図案化したもの。ウロボロスには、1匹が輪になって自分で自分を食むタイプと、2匹が輪になって相食むタイプがある。ヘビは、脱皮して大きく成長するさまや、長期の飢餓状態にも耐える強い生命力などから、「死と再生」「不老不死」などの象徴とされる。そのヘビがみずからの尾を食べることで、始まりも終わりも無い完全なものとしての象徴的意味が備わった。』(Wikipediaより抜粋)

29にいた龍が盤面をひと巡りして29に戻り、自らの尻尾を噛む。「還元龍」だから「Ouroboros」、というのが正しい解釈のようですね。

■例会が終わった後は自宅に戻り、町内会のお仕事(この日は防犯パトロール)をこなして任務完了となりました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■今月の詰工房まで、あと4日。参加を予定されている方、参加予約をお忘れなく。予約はこちらのページ(詰工房のHP)からどうぞ。

■ではまた。

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