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2021年7月

2021年7月19日 (月)

No.244 春霞賞候補作紹介 2021年3月号

詰パラ20213月号の春霞賞候補作をご紹介します。

■創棋会3 中村雅哉氏作   ◇玉方銀の2回転

202133kif

77金、同銀生66と寄、同銀生57飛、同銀生68銀打、同銀生
77金、同銀生66と、同銀成57飛、同成銀68金、同成銀
56銀、76玉、77金、同と、54馬、66玉、65
まで23手詰

馬屋原剛-驚異のノンストップ2回転。成立する意味づけを一つ一つ紐解いていく過程は至福のひとときだった。図巧の1.5回転から回転数を増やすには大きな発想の飛躍が必要で、作者は2枚のと金の邪魔駒消去というエレガントな解を導いた。 間違いなく歴史に残る傑作。
久保紀貴-2回転!この夢物語をたった1枚の駒取りでやってのけているのはちょっと信じられない。エレガントすぎるキー設定に脱帽。
太刀岡甫-銀が2回転することは一生ないと思っていた。本作の出現により翻弄は次のステージに進んだと思う。意味付けを噛み砕くと銀の成生とと金の消去と明快、駒取り1回でいともたやすく実現されており、歴史に残る傑作。(7/23追記)
會場健大-一回転半の看寿から二回転へ。これは字面の印象ほどたやすいことではない。複雑なキーを整理して、オリジナルより発展させかつコンパクトにまとめた。(7/23追記)

※玉方68銀が、玉の回りを2回転する。しかも一時停止なし。最近ポピュラーな翻弄モノですが、銀の2回転はちょっと記憶にありません。図巧55番を下敷きにしているとは言え、1.5回転と2回転では天と地ほどの違いがあり、本作の完成には心から敬意を表します。
たくさんのと金が目立つ配置も、作意を知ったうえで見直せば、良くこれで済んだものだと思えてきます。傑作です。


<参考図>
■将棋図巧第55番 伊藤看寿作  ◇玉方銀の1.5回転

55

57龍、同銀生68銀、同銀生77金、同銀生66金、同銀成
57金、同成銀68銀、同成銀57金、76玉、65角、75玉、
66金、84玉、73馬、93玉、92角成、同玉、82
まで23手詰

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2021年7月13日 (火)

No.243 第367回詰工房例会報告

620日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、沖○幸、金○清志、小○正浩、近○郷、芹○修、竹○健一、太○岡甫、松○成俊、宮○敦史、柳○明、田中徹 以上13名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■近○さんから、地域の活動についての苦労話を伺いました。
コロナのお蔭で満足な活動ができないのは、自分たちもご同様で、しばし互いの悩みを吐露しあいました。“歩いた道にチョーク”というのが印象に残ったエピソードで、我が町内でも参考にさせてもらうかも知れません。
にしても、全く詰棋の話題にならないというのも、いかがなものか()。そう言えば、最近同年代の人と話をすると、健康面の不安ばかりになりがちで、全くもって困ったもんです。

■春霞賞の選考会は15時頃スタート。進行役は會○さん。選考会はスムーズに進行し、投票の結果候補に残ったのは…、

詰パラ 2021年3月号
創棋会3 中村雅哉氏作

驚異の玉方銀の2回転! 詳しくは別稿にて。

■続いては注目作のご紹介。ここではそのうちから4局をピックアップ。

詰パラ 2021年3月号
短大14 芹田修氏作

2021314

35銀、同歩、28香、同と、37銀、同玉、47龍、26玉、
18桂、25玉、14銀生、16玉、17歩、15玉、48馬、24玉、
22飛成、14玉、44龍、同馬、15馬、同玉、16歩、同玉、
26龍 まで25手詰

常に最高の完成度を求め、安易な妥協は絶対にしない。歩1枚の配置にも徹底して拘り、美しく上品に魅せるのが芹田流です。
本作、逆算の難しい収束で、苦労したと作者は仰るが、そんな痕跡は全く見当たらない。洗練の極みです。

詰パラ 2021年3月号
大学院5 相馬康幸氏作 「ツインズ」

202135_

68歩、同玉、69飛、57玉、58歩、同玉、59飛、47玉、
48歩、同玉、49飛、37玉、38歩、27玉、28歩、同玉、
29香、38玉、39飛、47玉、48歩、同玉、49飛左、57玉、
58歩、67玉、68歩、同玉、69飛、58玉、59飛右、47玉、
48歩、37玉、38歩、同玉、39歩、29玉、38歩、同玉、
29銀、48玉、49飛、57玉、58歩、同玉、59飛左、67玉、
68歩、同玉、69香、79玉、66香、88玉、98金、同玉、
99飛、87玉、88歩、同玉、89飛右 まで61手詰

いかにも作者らしい箱庭風の初形から、入玉型の「雲出川の定理」といった趣の手順が展開されます。
六段目と7筋の配置は終局までそのまま(1枚だけ攻方の駒に入れ替わるが)で、かつ攻方の2枚飛車も初形と詰上りで同じ位置にいる。王様だけが67から88へワープしたような、不思議な詰上りが実現します。圧倒的な様式美です。
これで29銀さえ消えていれば…と思うのは欲張り過ぎでしょうか。

スマホ詰パラ 2021年5月
のぞえり氏作 No.16651 「酩酊船」

16651__202105


67桂、同金、46と、同香、54と、同玉、46桂、55玉、
45と、同玉、57桂、同金、36銀、同玉、38香、37歩合、
同香、同玉、38香、27玉、28歩、同馬、同金、同玉、
37角、39玉、19龍、29金合、49と、同玉、29龍、58玉、
68金、47玉、57金、同玉、68と、同玉、59龍、77玉、
76と、同玉、86と、同飛、77銀、同玉、86銀、同玉、
89龍、87銀合、84飛、85歩合、同飛、同玉、87龍、74玉、
75銀63玉、54金、73玉、84龍、72玉、63金、同玉、
74龍、53玉、54龍、62玉、61と、同玉、63龍、62馬、
同龍、同玉、54桂、52玉、53歩、同玉、64銀、同金、
42角、54玉、64角引成、45玉、55馬、34玉、45銀、43玉、
33馬、同玉、64角、35金34金、同金、同銀、24玉、
14と、同玉、25金、13玉、31角生22歩合、14歩、12玉、
22角成、同玉、33銀生、21玉、22歩、12玉、13歩成、同玉、
24金、12玉、11桂成、同玉、21歩成、同玉、32銀生、11玉、
12歩、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、32香成、11玉、
22成香 まで129手詰

序盤、15龍を働かせるまでの10数手がまず一苦労ですが、これ位は序の口。時折合駒を交えつつ、苦心の末下段へと追い込み、72手目62馬移動合を同龍と斬り違えると、一気に玉が広くなり、不詰感が漂います。一見絶望的なこの局面から、巧妙に攻めをつないで91手目、64角の空き王手にあっと驚く35金移動中合! さらに角不成、銀不成まで登場して、奇跡のような一局が収束します。
限定合5回に、移動合2回。終盤の核となる、38香・37角を、序盤でセットしておく逆算も満点で、言うことなし。51手目の飛車の打ち場所が非限定だとしたら、これが唯一の欠点となるでしょうか。
タイトルの「酩酊船」は、「よいどれぶね」と読むのが正しいようですね。

            【詰上り図】

16651___202105


スマホ詰パラ 2021年5月
わかば氏作 No.16706

16706__202105

41角成、同玉、32銀、同玉、24桂、41玉、42銀、同玉、
31角、52玉、41銀、61玉、72銀、62玉、71銀生、同玉、
53角成、82玉、71馬、同玉、72金、同玉、84桂、61玉、
62歩、51玉、52飛、41玉、32飛成、51玉、61歩成、同玉、
72桂成、51玉、62成桂 まで35手詰

左右対称の形から、作意も一部左右対称の手順を含んでいて、視覚効果抜群の初形曲詰。ありがちな収束の乱れもなく、最後まできちんとまとまっていて、床の間に飾っておきたくなる一局です。

■この日も例会終了後は、完徹のため無理せず撤収いたしました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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