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2021年11月

2021年11月 3日 (水)

No. 251 第371回詰工房例会報告

■1024日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、馬○原剛、加○徹、金○清志、久○紀貴、小○正浩、新○江○弘、芹○修、太○岡甫、利○偉、宮○敦史、柳○明、山○剛、田中徹 以上14名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■コロナの新規感染者数が激減し、緊急事態宣言も解除になりましたが、人数を制限して予約制で行うのは今までと変わりません。まだしばらくは、こうした対応が続きそうです。
心配なのは、いつも詰工房の例会に使っている「きゅりあん」が、改修工事のため来年2月から1年間休館になること。詰工房のHPを見ても、来年2月以降のスケジュールは不明です。
どうなる、詰工房?

■15時を過ぎて、そろそろ春霞賞の選考の時間と思ったら、進行役の久○さんがまだ来ていません。少し遅れるとメールがあったそうで、今回は順番を変更して先に注目作をやることになりました。
すると注目作を紹介しているうちに、これ構想作でしょ、加えませんか? あ、これも入れようよ? ということで春霞賞の選考対象に2作の追加が決定。当初のノミネート7作から2作増えて、計9作で投票が行われることになりました。その結果は後ほど。

■このところ、詰将棋メーカーが元気です。多い時には、1日に10局以上の新作が並び、同時に、レベルの高い作品も徐々に増えつつあります。そこで今回初めて、詰将棋メーカーの発表作からも数局、注目作としてご紹介することにしました。
詰将棋メーカーは自動応手ではなく、従来は全て自力で解答しなければなりませんでしたが、今は「ヒント機能」があるので、これで次の一手を教えてもらえば、確実にゴールすることが出来ます。今まで高かった敷居が、かなり低くなったと思います。
まだ詰将棋メーカーをご覧になったことのない方は、一度覗いてみることをお勧めします。

では、注目作の中から、いくつかご紹介していきます。


詰パラ 2021年7月号
高校1 太刀岡甫氏作

0300-1

4543玉、33桂成、同玉、2523玉、33桂成、同玉、
4532玉、33桂成、同玉、34歩、32玉、43香成、同玉、
23飛成まで17手詰

「桂打ち+桂捨て=間接消去」×3回。作者も会場に来られていたので、ひと言コメントをお願いしたところ、「傑作だと思います」と言い切る潔さ。もちろん、そう自負するに足る完成品に仕上がっています。
「桂打ち+桂成捨て」の4手で、1枚の歩を消す。驚くべきは、この41組の手順を3回繰り返す以外は、収束の5手だけという極めてシンプルな構成であること。これほど何の不純物もなく図化できたのは奇跡的で、まさに掛け値なしの「傑作」です。


詰パラ 2021年7月号
デパート5 渡辺直史氏作

202175

9935玉、55飛、34玉、8944玉、56飛、34玉、
66飛、44玉、67飛、34玉、77飛、44玉、78飛、88歩合、
同角、34玉、77飛、44玉、67飛、34玉、66飛、44玉、
56飛、34玉、55飛、44玉、45飛、34玉、35歩、同と、
44飛 まで33手詰

99と892枚の角を最遠打。そして始まるのが飛車鋸です。序奏も収束もほとんどなく、鋸引きが終わった瞬間に訪れる終局。それが結果として狙いの飛鋸を際立たせています。
なお、この後にご紹介する作品と合わせて鑑賞していただくと、一層興趣が湧くことでしょう。


スマホ詰パラ 2021年9月
No.17216 relax氏作 「天の角」

17216_relax_202109

1187玉、76角、86玉、21角生97玉、17飛、57と、
98歩、86玉、87歩、75玉、76歩、64玉、65歩、53玉、
54歩、42玉、43歩、31玉、37飛、21玉、27飛、32玉、
22飛成、43玉、33龍、54玉、44龍、65玉、55龍、76玉、
66龍、87玉、77龍、98玉、88龍 まで37手詰

こちらは1121に角を並べたい。しかし、11角、87玉のあと、21角と打つと、32歩合の妙防があり、同角成でも、同角生でも詰みません。そこで、いったん76角と短打し、86玉に21角生と最遠移動するのが巧妙な手順。1枚は遠打、1枚は最遠移動により、1121に角を据えることに成功しました。
17飛、57との交換で歩詰を解消してから、歩の連打で斜め追い趣向がスタート。折り返しの龍追いで、並べた歩を全て消し去るのも定法通り。
本作者relax氏は前作飛鋸の作者渡辺氏の筆名と思われ、そう考えれば、両作品におけるいくつかの共通点が浮かび上がってきます。両作は姉妹作なのか、その創作過程を伺ってみたいところです。


スマホ詰パラ 2021年9月 
No.17171 竜馬麒麟氏作

17171_202109

47香、45香合、56、同桂、34金、同玉、45馬、33玉、
35香、34歩合、同馬、32玉、43馬、23玉、34馬、22玉、
33馬、13玉、24馬、22玉、33香成、12玉、34馬、13玉、
35馬、12玉、45馬、13玉、46馬、12玉、56馬、同歩、
13歩、同玉、14歩、12玉、24桂 まで37手詰

初手47香に、45香と捨合をした場面。ここで34金とすれば、以下同玉、45馬と手が続き、主戦場は1~3筋に移ります。しかし、それでは手駒が足りず、詰みません。
3手目、当然に見える34金の前に、56桂(!)と跳ねておかねばならなかったのです。その効果は、収束に出現する馬鋸の質駒という形で現れます。一見、その後の展開に全く無関係に思えて、思考外の着手となっており、効果満点の伏線となっています。
後半のミニ馬鋸と序の伏線の組合せを見て、作者のセンスと創作力を評価する声多数。その他にも攻方馬の大活躍や2度の捨合など、見どころ豊富な好作です。


スマホ詰パラ 2021年9月 
No.17256 勇気凛々氏作

17256_202109

77龍、75歩合、66桂、73玉、75龍、74歩合、84龍、62玉、
74桂、51玉、52歩、61玉、62歩、52玉、53歩、51玉、
61歩成、同玉、62桂成、同玉、64龍、71玉、72歩、同玉、
74龍、61玉、52歩成、同玉、63龍、51玉、53龍、61玉、
62歩、71玉、81歩成、同と、51龍、72玉、81龍、62玉、
63歩、73玉、83龍 まで43手詰

盤面7枚のスッキリした配置からは、43手も掛かるとは想像もつきません。6手目74歩合に、同龍でも64龍でもなく84龍としたり、21手目64龍としながら、この後74龍でまた6筋、5筋方面に追い出したりと、あえて回りくどい手順を選んでいるかのような、不思議な攻防が続きます。
「面白い攻め方」、「変わった攻め方」、「まどろっこしい攻め方(=ホメてます)」等、好評でした。


詰将棋メーカー 2021年9月 
Haru氏作

Haru_202109_127

28香、12玉、14香、13飛合、同香成、同玉、15飛、14香合、
同飛、同玉、16香、15飛合、同香、同玉、17飛、16香合、
同飛、同玉、18香、17飛合、43馬、34と、
17香、同玉、13飛、16香合』 =『A』、53馬、35と、
16飛成、同玉、18香、17飛合』=『B』52馬、34と、
『A』62馬、35と、『B』61馬、34と、
『A』71馬、35と、『B』61馬、34と、
『A』62馬、35と、『B』52馬、34と、
『A』53馬、35と、『B』43馬、34と、
『A』18歩、同玉、16飛成、29玉、38銀、39玉、
19龍、38玉、39香、47玉、17龍、56玉、26龍、67玉、
66龍、78玉、77龍、同玉、68金打、87玉、62桂成、86玉、
53馬、87玉、54馬、86玉、64馬、87玉、65馬、86玉、
75馬、87玉、76馬、同桂、96銀、86玉、87歩、同桂成、
95銀、85玉、96銀、86玉、87歩、同桂成、95銀、85玉、
84金左 まで127手詰

「香打+飛合」、「飛打+香合」の繰り返しによって、玉の位置をコントロールしながら行う複式馬鋸1往復です。
合駒制限のため多数の駒を配置せざるを得ませんが、全ての駒に意味を持たせたうえに、おまけの馬鋸まで挿入したのはお見事。今のところ、本作が詰将棋メーカーで出題された(オリジナル作品の)最長手数作品のようです。


詰将棋メーカー 2021年9月 
munetoki氏作  ■月間MVP

Munetoki_202109_mvp

24金、同香、34金、同玉、26桂、33玉、43金、同飛、
23金、同玉、35桂、22玉、34桂、11玉、44馬、同飛、
23桂生 まで17手詰

中盤で43金、23金と、持駒の金を使い切ってしまうのが、心理的な難手。桂2枚ではとても詰みそうに思えませんが、桂を連打した後の44馬が鮮やかな決め手で、最後は桂吊るしの詰上りとなります。
2枚による清涼詰という難度の高いテーマで、これだけの手順を実現したのは、現代清涼詰の第一人者の作者ならでは。「サロンに出せば余裕で月間最優秀作いけたでしょ?」との声も。
詰将棋メーカーという新しい媒体において、作品の質の面で最も大きく貢献しているのが、munetokiさんだと思います。

■注目作の紹介を始めて間もなく、久○さんが到着。緊急事態宣言の解除で都県をまたいだ移動が可能になり、久し振りの参加です。
ノミネートが9作に増えたのは想定外でしたが、作品の紹介は的確かつ明快でした。
投票の結果、候補に残ったのは次の2作です。

詰パラ 2021年7月号 
デパート4 相馬慎一氏作
◇選択を封じる連続合駒。

詰パラ 2021年7月号 
デパート3 市川孝夫氏作
◇玉方銀の4回転。

詳しくは別稿にて。

■例会終了後は、無理をせず撤収。この日は往きも帰りも、電車の中では爆睡でした。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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