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2021年12月11日 (土)

No.252 春霞賞候補作紹介 2021年7月号

詰パラ2021年7月号の春霞賞候補作を紹介いたします。

■デパート4 相馬慎一氏作
◇選択を封じる連続合

202174


66馬、55歩合、同馬、44歩合21金、32玉、87馬、65歩合
33歩、23玉、56馬、45桂合、同馬、同歩、15桂、33玉、
77馬、32玉、22金、同と、同馬、同玉、24香、31玉、
41歩成、同玉、42歩、31玉、32歩、同玉、23桂成、31玉、
22成桂 まで33手詰

太刀岡甫-選択肢を減らす中合。馬の移動先が2つあるのは非限定を生んで面倒だなと思っていたが、こんなに素晴らしい活用法があるとは。きわめて新しい。
會場健大-何度見返してもどうしてこの合駒が限定で成立しているのか不思議な気持ちになる。構想はただ成立しているだけではだめで、プラスアルファがなければいけない、という作者のことばを体現したような作
馬屋原剛-連続合の研究が盛んになっている昨今、全く新しいロジックがあること自体に驚いた。既存のロジックとは一線を画しており、作者はどのようにしてこの構想にたどり着いたのだろうか。 個人的には、今年の構想作の中で暫定No.1。
久保紀貴-2枚馬が描く無数の線と点を利用した全く新しい連続合。もう連続合のロジックに感動することはないと思っていたが……。

※2手目55歩合、4手目44歩合と連続中合をする。
なぜか? 
その後23玉となった時、「馬を横ではなく下に移動させる」(=馬の移動における選択肢を限定する)ため。
なんのためか? 
その意味は、単発では全く不明で、87馬に対する65歩合とセットになって、初めて理解できます。これを65同馬と取ってしまうと、23玉に対し、56馬引とせざるを得ず、2枚馬の利きが重複してしまう。すると、14玉、47馬に23玉とされ、逃れてしまうのです。
この発想にはただ脱帽する他ありません。相馬慎一、ここに在り!


■デパート3 市川孝夫氏作 「テレプシコーラ」
◇玉方銀の4回転

202173


64金、同銀、45角、54歩合、同角、52玉、72角成、55銀、
53歩、同玉、54歩、52玉、44桂、同銀、53歩成、同銀、
61馬、63玉、64歩、同銀、72馬、52玉』=『A』
56飛、55歩合、同飛、同銀、『A』
57飛、55歩合、同飛、同銀、『A』
58香、55歩合、同香、同銀、53歩、同玉、45桂、52玉、
85角、74桂合、同角、同と、44桂、同銀、53歩、同銀、
同桂成、同玉、54銀、52玉、61馬 まで79手詰

太刀岡甫-趣向的な作りで銀がぐるぐると回る。回数を重ねることで新たな手順を実現したという意味での構想作。視覚的に楽しめるのがよい。
會場健大-効率のよい配置を見つけて銀の四回転を実現。繰り返し趣向の味もあり、当初春霞賞のノミネート作に入ってこなかったが、詰工房会員の総意で復活。
馬屋原剛-銀の4回転。構想作というよりは、記録作と感じ候補から外していた。 非常に綺麗に出来ていて、最後の44桂を合駒で出すのも良い。
久保紀貴-4回転はすごいが、構想としては1×4に過ぎない印象を受け、当初のノミネートからは外していた。 好作であることに異論はない

※構想かどうか、意見が分かれる作品ですが、それを許容するのが春霞賞のスタンス。ノミネートから外れたのは、参考図の存在も影響したかも知れませんが、玉方銀のルントラウフ×4回というのは、単なる記録作には留まらないと言ってよいでしょう。


<参考図>

■詰パラ1986年11月号 相馬康幸氏作  
Collection No.8

198611_collection-no8


25銀、13玉、14歩、同銀、同銀、同玉、25銀、13玉、
14歩、12玉、21馬、23玉、32馬、12玉、13歩成、同玉、
14馬、22玉、32馬、12玉、13歩、同玉、14歩、12玉、
21馬、23玉、24歩、同銀、32馬、12玉、13歩成、同銀、
21馬、23玉、24歩、同銀、32馬、12玉』=『A』
16香、15歩合、同香、同銀、『A』
18飛、15歩合、同飛、同銀、『A』
19龍、15歩合、同龍、同銀、13歩、同玉、14歩、12玉、
21馬、23玉、35桂、同と、32馬、12玉、13歩成、同玉、
14銀、24玉、23馬 まで101手詰

 

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