No. 253 第372回詰工房例会報告
■11月27日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、井○徹也、馬○原剛、沖○幸、加○徹、金○清志、小○正浩、新○江○弘、芹○修、竹○健一、太○岡甫、松○成俊、柳○明、田中徹 以上14名
二次会から参加 宮○敦史(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。
■来年2月の例会は蒲田の大田区産業プラザに決まったようです。
以前、解答選手権の会場にもなっているので、ご存知の方も多いことでしょう。京急なら、京急蒲田駅から徒歩3分で行けますので、JRよりお勧めです。
■竹○さんから、つみき書店の「夏休みの自由研究 2021」を頂戴しました。自分が注目している松下さんの研究や、懐かしい「超短編における中合対策の研究」(風みどりさん)などが載っていて、興味深く拝見しました。
竹○さん、ありがとうございました。
■15時を過ぎて、春霞賞の選考の時間。解説は太○岡さん。
ノミネートの5作から候補に残ったのは…。
詰パラ 2021年8月号
大学院3 若島正氏作
詳しくは別稿にて。
■続いて注目作のご紹介。今回も詰将棋メーカーから数局ピックアップしました。
では、注目作の中から、いくつかご紹介していきます。
詰パラ 2021年8月号
小学校6 太刀岡甫氏作
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34角、同桂、54桂、46桂、42桂成 まで5手詰
初形の、玉方42桂と攻方46桂。詰上がりでは、この2枚の桂馬の向きが入れ替わっています。本年2月号中8齋藤光寿氏作が、同様の狙いの9手詰で、本作はこれを最短手数で表現したもの。
こうした記録狙いの作品では、手順や形が二の次にされがちですが、そこは同人入り目前の実力者、4手目を移動中合にすることで、しっかりした本格作品に仕上げているのは流石です。
詰パラ 2021年8月号
中学校10 三輪勝昭氏作
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48飛、56玉、57飛、65玉、66金、74玉、44飛、同金、
54飛、同金、75金 まで11手詰
あえて角の利きを遮る形で、48飛、57飛、66金と連打。そしてすぐさま2枚の飛車を捨て去り、角筋を通して75金まで。一手の無駄も隙もなく、狙い通り仕上げる満点の出来上がりです。
これを良く11手でまとめたものと感服します。宮田先生も絶賛の逸品。
スマホ詰パラ 2021年10月
No.17356 keima82氏作
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45角、34歩合、同角、22玉、33と、同玉、45桂、22玉、
33桂成、同玉、43歩成、22玉、33と、同玉、43香成、22玉、
33成香、同玉、43香成、22玉、33成香、同玉、43香成、22玉、
33成香、同玉、44金左、22玉、33金、同玉、25桂、22玉、
21桂成、同玉、43角成、12玉、13歩、22玉、44馬、21玉、
54馬、22玉、55馬、21玉、65馬、22玉、66馬、21玉、
76馬、22玉、77馬、21玉、87馬、32桂合、同馬、同玉、
24金、34桂合、同飛、21玉、32飛成、同玉、33桂成、21玉、
22成桂、同玉、34桂、32玉、42香成、21玉、33桂
まで71手詰
4筋の香配置と玉方88歩から、手順は大体想像がつくでしょう。結局4~5筋の駒は、49香以外すべて捨てますが、その順序がきちんと決まっていて、手順前後が利かないのは流石です。
邪魔駒を整理してスッキリしたところで、馬鋸が登場し、収束は大駒2枚を消してピタリと着地。また、序の34歩合に対し、収束で34桂合とエコーのような捨合が出るのも、好感度を高めるアクセントになっています。
実は本作を紹介中、48香消去の理由を聞かれ、思い出せずに大慌て。皆さんのご協力で、27手目44金左に42玉と逃げた時、43角成、51玉、58飛、62玉、53飛成以下詰ますためと判明しましたが、こんなんではダメですね。猛省。
スマホ詰パラ 2021年10月
No.17451 ぬ@y氏作
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15香、24玉、26香、15玉、17香、26玉、28香、17玉、
29桂、同角成、27金 まで11手詰
この形からは15香打は必然。以下24玉には26香、15玉には17香と、4枚の香車をジグザグに連打します。前例がありそうな気はしますが、とてもシンプルにまとまっていて、この筋の決定版と言って良さそうです。何より、玉方38角1枚で香の打ち場所をすべて限定しているのが絶妙。
ところでぬ@yさん、このPNの読み方教えてください!
詰将棋メーカー 2021年10月
ウリンチャージ氏作
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49香、48歩合、同角成、46玉、47馬、35玉、46馬、34玉、
45馬、43玉、44馬、32玉、41角、31玉、32歩、42玉、
43馬、41玉、42馬 まで19手詰
2手目37玉は46角、56玉には23角があるので、48歩合。これを同角成と取ると、あとは一気呵成。48から42まで、馬が4筋を駆け上っていきます。
3筋の2枚のと金がうまい配置で、玉の逃げ方までしっかり限定。収束も好手41角からの巧妙な手順で、文句なしの一級品です。
正直、感動しました。
詰将棋メーカー 2021年10月
シナトラ氏作 ◇4解 その1(変同利用)
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(1)56銀、同玉、66龍 まで3手詰
(2)56銀、同と、65龍 まで3手詰
(3)56銀、同龍、64龍 まで3手詰
(4)56銀、54玉、63龍 まで3手詰
詰将棋メーカー2021年10月
シナトラ氏作 ◇4解 その2(変同利用)
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(1)46龍、同玉、56金 まで3手詰
(2)46龍、同馬、65金 まで3手詰
(3)46龍、同と、54金 まで3手詰
(4)46龍、同香、45金 まで3手詰
2作とも、変同を利用して複数解を表現した、シナトラさんらしい先進作。どちらも初出はTwitterとのことです。
その1は、最終手が66龍から63龍まで、6筋一直線の4種類。その2は、最終手の打ち場所が、56~65~54~45と菱形を形成しています。
いずれも複数解のお手本となるべき作品で、特に1は、わずか7枚の配置で鮮やかに4つの解を描き分けていて、現代の古典として記憶されるべき一局と信じます。
■例会が終わって1階に降りると、そこには宮田先生の姿が!
詰キストの会合に、しかも二次会だけ参加してくださるプロなんて、そうはいません。もう、尊敬しかありません。
■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。
帰りの電車の中では立ったままでしたが、それでも睡魔には勝てず、派手に膝カックンをしてしまいました。あ~、恥ずかしい。
■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ「詰将棋の欠片」と、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご覧ください。
■ではまた。
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