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2022年3月

2022年3月19日 (土)

No. 259 第375回詰工房例会報告

220日(日)詰工房の例会に参加してきました。
今回、参加者名簿の写しを撮るのをうっかり忘れてしまったようで、申し訳ありません。
出席者を確認したい方は、詰パラ4月号に会合案内が載るはずですので、そちらをご覧ください。
恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

■詰工房と言えば、大井町の「きゅりあん」が定番でしたが、リニューアルのため、1年ほど休館となり、今回は京急蒲田駅からほど近い、「大田区産業プラザ」に会場を移しての開催です。今のところ、6月までは同じ会場で開催予定となっています。
ここは以前、解答選手権が行われた場所で、アクセスも「きゅりあん」に劣らず良好です。

15時を過ぎて、そろそろ春霞賞の選考の時間でしたが、司会の會○さんの到着が遅れるとのことで、先に注目作の紹介をすることになりました。
ここでちょっと困ったことが発生。プロジェクターを使うために部屋を暗くしようとすると、すべての照明が落ちてしまい、ほとんど真っ暗になってしまうことが判明したのです。「きゅりあん」では、部屋の半分だけ照明を消すことができたのですが、どうやらこの会場は全点灯か全消ししかないらしく…。
仕方なく、照明を落として紹介をすることにしましたが、これでは暗くてレジメが読めません。皆さん、ご不便をお掛けしてすみませんでした。

1620分ころ紹介が終わると、すでに到着されていた會○さんにバトンタッチして、春霞賞選考会のスタートです。
今月のノミネートは4作。内容も投票の結果も大接戦で、結局1票差で候補作が決まりました。

詰パラ 2021年11月号
中学校25 松下拓矢氏作

詳しくは別稿にて。

■注目先の中から、いくつかご紹介していきます。

詰パラ 2021年11月号
デパート2 相馬康幸氏作

2021112

21歩成、同玉、22歩、同玉、34桂、同香、44角、33角合、
14桂、同歩、13銀、同香、11銀、同玉、12歩、同玉、
24桂、同香、11金、同角、同角成、同玉、23桂、12玉、
22金、同玉、11角、23玉、12銀、同玉、22
 まで31手詰

盤面香と歩だけの、きれいな密集形です。
34桂捨てから44角と打って足場を築いた後、1筋から手を付けていくのに気付けば、あとは“いつか来た道”。合駒読みも一度だけで、比較的易しいのも本作の美点と言えます。
さらに、22手目に無仕掛局面が現れるのも洒落ていて、これぞ相馬流と言うべき逸品です。

スマホ詰パラ 2022年1月
No.17901 kisy氏作 「Weather Report」

17901_kisy_weather-report202201_20220318015301

48成桂、同玉、38成桂、49玉、48成桂、同玉、47と、同玉、
46と、48玉、47と、49玉、16馬、27銀成、同馬、同飛成、
58銀、同玉、69と、47玉、49香、48角合、同香、同玉、
49歩、同玉、58角、48玉、59と、同玉、39龍、58玉、
68と、同玉、79馬、58玉、69馬、57玉、59龍、66玉、
76と、同玉、56龍、66歩合86金、同玉、66龍、76歩合
87歩、同金、同と、同龍、96金、同龍、同馬、同玉、
76龍、86金合94飛、95歩合、同飛、同玉、85と、同金、
96歩、同金、94と、同玉、96龍、83玉、85龍、84飛合
94金、72玉、63歩成、同玉、64歩、72玉、73香、61玉、
52と、同金、62銀、同金、同桂成、同玉、63歩成、同玉、
53金、64玉、54金、同玉、55龍、63玉、53銀成、74玉、
84金、同玉、86飛、74玉、75歩、73玉、74歩、同玉、
85龍、64玉、66飛、53玉、83龍、54玉、43龍、55玉、
46龍、54玉、43銀生、53玉、55龍、43玉、46飛、45桂合
同飛、33玉、44龍、32玉、35飛、21玉、11香成、同玉、
31飛成、21香合22龍、同香、12歩、同玉、13金、11玉、
22金、同玉、27香、23桂合、同香成、同玉、14と、22玉、
34桂、11玉、41龍、21角合12歩、同玉、24桂、11玉、
21龍、同玉、43角、11玉、22桂成、同玉、32角成、11玉、
12桂成、同玉、23と、11玉、22と まで165手詰

         【詰上り図】

17901_kisy_weather-report_202201

本作に関して、新○江さんが「以前は煙詰の収束部分では、あまり無理は出来なかった。今の人たちは、収束でも目一杯詰め込んでくるのが凄い。」と語っていたのが印象に残ります。また、曲詰については、「表現したいテーマ(ストーリー)がなければいけない」とも。
斯界の第一人者の言葉は、説得力をもって胸に染みいります。
本作は収束だけでなく、序中盤でもこれでもかと詰め込んでいるのに、手順には全く無理が感じられません。特に79手目、73に打った香が邪魔駒となり、20数手後にこれを消すあたり、よくぞ作ったものと感動すら覚えます。
本作は七種合であろうとなかろうと関係なく、正真正銘の傑作です。
(本作についてのやり取りは、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」を是非ご一読ください)

スマホ詰パラ 2022年1月
No.17916 瓶子吉伸氏作

17916_202201

26香、23歩合、12香成、同玉、15飛、14香合、同飛、22玉、
12飛成、同玉、15香、14銀合、同香、22玉、12香成、同玉、
13銀、同玉、14銀、同玉、15香、同玉、25角成
 まで23手詰

5手目15飛に対し、13歩合なら同飛成、同桂、21銀以下の詰みがあるので、捨合をしてから22玉と躱します。今度は13飛成としても、同桂と取られて後が続きません。
つまり、12玉の時は13飛(香)成で詰むが、22玉の時は詰まない。本作はこの違いをうまく利用して、1筋での中合のリフレインを成立させているのです。
9手目、12飛成から15香と打ち直すと、香車が品切れのためやむなく銀中合。こうして銀の入手に成功し、収束へと向かいます。
さすがのレベルの高さ、感服いたします。

詰将棋メーカー 2022年1月 
munetoki氏作

Munetoki_20221_15

32歩、同玉、33歩、22玉、12歩成、同飛、13角、同玉、25桂、22玉、42龍、21玉、13桂生、同飛、32龍 まで15手詰

5手目12歩成から13角が、絶妙の複合手。この妙手順が見えないと3手目の33歩も心理的な難手となってしまい、序盤で堂々巡りする羽目に陥ります。収束は25に打った桂の2段活用も入って完璧な仕上がりです。
今年に入ってからの詰将棋メーカーは、munetokiさんが1人で支えていると言っても過言ではありません。頭が下がります。

■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。帰りの電車の中でまた爆睡してしまい、乗り過ごしてしまいました。でも気持ち良かったぁ(全然懲りていない)。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ「詰将棋の欠片」並びに、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご覧ください。

■最後に、更新が遅くなってしまったことをお詫びします。申し訳ありませんでした。

ではまた。

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2022年3月 7日 (月)

No.258 春霞賞候補作紹介 2021年10月号

詰パラ202110月号の春霞賞候補作をご紹介いたします。

■デパート4 岩村凛太朗氏作   ◇壁駒発生×5枚

2021104_20220307004901

52桂成、55桂合83角成、同玉、82と、73玉、72成香、63玉、
27馬、36歩合、同馬、45歩合62成桂、53玉、26馬、35角合
52成桂、63玉、62成香、73玉、72と、83玉、82成香、93玉、
48馬、57成香94歩、同成桂、92成香、83玉、38馬、56歩合
82と、73玉、72成香、63玉、62成桂、53玉、52成香、43玉、
16馬、同飛、42成香、53玉、33龍、64玉、73龍、65玉、
66歩、54玉、63龍、44玉、43龍 まで53手詰

太刀岡甫1枚の馬を使ってL字の壁をつくる。全てが作意で壁として機能しているのが良い。
馬屋原剛-伏線手として合駒群を発生させ、収束の壁として逆用する構想。斬新な作品だと思っていたが、構想作としては前例があった。(黒川一郎「矢来」)http://kazemidori.fool.jp/?p=12806 全くの新構想ではなかったものの、(矢来と比較して)合駒の発生の仕方がパズルチックで楽しめる点、壁駒の意味が最後にならないとわからない点で、魅力的な作品ではあると感じる。
久保紀貴-一号局ではなかったようだが、それでも目新しさはある。壁駒の位置がL字になっているところなど、少し不規則な味が楽しめるのもよいと思う。
會場健大-空中に壁を築き上げ、それをすべて生かして収束させる手順がみごと。

※先行作の「矢来」は、同じ機構の歩合を単純に7回繰り返して(趣向作ですから当然ですが)、一直線に壁を築きます。
一方岩村作は、壁の作り方が一様ではなく、5回の合駒を文字通り「積み重ねている」点に特徴があります。
合駒した角の利きに成香の移動合をし、さらに成香の利きに歩合をする。しかも、その前の45歩合によって、歩合の位置は56に限定される。
といった具合に、1つの合駒が次の合駒の発生に関連する多重構造となっているのです。
結果としてL字型という不規則な壁を築くことに成功しており、もはや黒川作とは別構想と言っても差し支えないでしょう。
原型のまま合駒を伏線的に発生させる狙いの作品は、過去にも多数発表されていますが、これだけ大掛かりな舞台装置で、忽然とL字型の壁を出現させた例は、ほとんど記憶にありません。
お見事です。


<参考図>

■近代将棋1970年7月号 黒川一郎氏作  「矢来」

0201____197007

23香成、同玉、24歩、33玉、34歩、43玉、44歩、53玉、
54歩、63玉、64歩、73玉、74歩、83玉、84歩、93玉、
95龍、94歩合、83歩成、同玉、85龍、84歩合、73歩成、同玉、
75龍、74歩合、63歩成、同玉、65龍、64歩合、53歩成、同玉、
55龍、54歩合、43歩成、同玉、45龍、44歩合、33歩成、同玉、
35龍、34歩合、23歩成、同玉、25龍、24歩合、同龍、同玉、
22飛成、23飛合、16桂、14玉、25成桂、同飛、同龍、同玉、
23飛、36玉、27飛成、46玉、56成桂、同玉、67金、46玉、
57金、55玉、56歩、65玉、66金、同玉、67龍、75玉、
76歩、86玉、87銀、97玉、98銀、88玉、89香、99玉、
88銀、98玉、87龍、89玉、77銀、79玉、88龍、69玉、
68龍 まで89手詰

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