No.262 春霞賞候補作紹介 詰パラ2021年12月号
詰パラ2021年12月号の春霞賞候補作をご紹介いたします。
■デパート4 野曽原直之氏作
◇別駒打診「角+香」
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65香、64歩合、同角生、52玉、44桂、43玉、33歩成、44玉、
34と、45玉、36銀、56玉、96龍、66歩合、57香、46玉、
54歩、36玉、66龍、同成銀、37歩、45玉、44と、同玉、
45歩、同玉、46歩、44玉、55角、43玉、33角成、52玉、
53歩成、同と、51馬、同玉、61歩成、42玉、33香成、31玉、
23桂、21玉、22歩、12玉、11桂成、同玉、12歩、同玉、
23銀成、11玉、21歩成、同玉、22成香 まで53手詰
太刀岡甫-打診したいが、後で歩が打てなくなるので先に打診しておく。目的と手段が同じ地点なのが良く、玉の運搬や合駒のコントロールを効率的に行っている。
馬屋原剛-別駒打診は過去に作例があるが、本作は将来打診したい地点と、実際に別駒打診する地点が同じなので、狙いが明快に伝わる。初見では配置が大げさだと感じたが、構想成立のために66歩を発生させる必要があることを知り、この配置にも納得。
會場健大-香の王手に対する合駒で角への打診になっている不思議な手順。3号局とのことだが新鮮に感じた。構図が巧み。
久保紀貴-別駒打診としては3号局だが、打ちたい打診中合と同じ位置でやっているのはポイントが高い。それを成立させる二歩禁利用の構成も見事。
※別駒打診の作例はいずれも中村宜幹氏作で、「飛+飛」と「角+角」の組み合わせでした。本作は「角+香」の異種駒で表現したもので、狙いが理解しやすいのが特長。いくら高度で実現困難な狙いを図化したとしても、それを理解してもらえないのでは辛いものがあります。本作のように、作者の主張がしっかりと伝わる構成になっているのは、構想作として重要なポイントです。
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