春霞賞

2022年4月17日 (日)

No.263 第9回春霞賞候補作 全14作紹介・不在者投票のご案内

2021年の春霞賞候補作、全14作が出揃いました。
候補作の一覧を作成しましたので、ご参照ください。

「2021年の春霞賞候補作一覧」 ↓
20211efbd9e12_e698a5e99c9ee8b39ee58099e8a39ce4bd9c.pdf


また、4月24日(日)の詰工房の例会に参加できない方のために、不在者投票用紙をご用意しました。
下記のファイルをダウンロードし、投票作3作(以内)を選んでご記入の上、管理人宛てにメール送信してください。
(右側のサイドバーから「メールを送信」をクリック)
なお、不在者投票の有資格者は、直近3年間の詰工房の例会に1度でも参加されたことのある方といたします。

締切:4月24日(日)午前10時まで

「不在者投票用紙」  ↓
e7acac9e59b9ee698a5e99c9ee8b39ee38080e68a95e7a5a8e794a8e7b499.xlsx


締切まであまり余裕がなくてすみません。
どうぞよろしくお願いいたします!

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No.262 春霞賞候補作紹介 詰パラ2021年12月号

詰パラ202112月号の春霞賞候補作をご紹介いたします。

■デパート4 野曽原直之氏作
◇別駒打診「角+香」

2021124

65香、64歩合、同角生、52玉、44桂、43玉、33歩成、44玉、
34と、45玉、36銀、56玉、96龍、66歩合、57香、46玉、
54歩、36玉、66龍、同成銀、37歩、45玉、44と、同玉、
45歩、同玉、46歩、44玉、55角、43玉、33角成、52玉、
53歩成、同と、51馬、同玉、61歩成、42玉、33香成、31玉、
23桂、21玉、22歩、12玉、11桂成、同玉、12歩、同玉、
23銀成、11玉、21歩成、同玉、22成香 まで53手詰

太刀岡甫-打診したいが、後で歩が打てなくなるので先に打診しておく。目的と手段が同じ地点なのが良く、玉の運搬や合駒のコントロールを効率的に行っている。
馬屋原剛-別駒打診は過去に作例があるが、本作は将来打診したい地点と、実際に別駒打診する地点が同じなので、狙いが明快に伝わる。初見では配置が大げさだと感じたが、構想成立のために66歩を発生させる必要があることを知り、この配置にも納得。
會場健大-香の王手に対する合駒で角への打診になっている不思議な手順。3号局とのことだが新鮮に感じた。構図が巧み。
久保紀貴-別駒打診としては3号局だが、打ちたい打診中合と同じ位置でやっているのはポイントが高い。それを成立させる二歩禁利用の構成も見事。

※別駒打診の作例はいずれも中村宜幹氏作で、「飛+飛」と「角+角」の組み合わせでした。本作は「角+香」の異種駒で表現したもので、狙いが理解しやすいのが特長。いくら高度で実現困難な狙いを図化したとしても、それを理解してもらえないのでは辛いものがあります。本作のように、作者の主張がしっかりと伝わる構成になっているのは、構想作として重要なポイントです。

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2022年4月10日 (日)

No.260 春霞賞候補作紹介 詰パラ2021年11月号

詰パラ2021年11月号の春霞賞候補作を紹介いたします。

■中学校25 松下拓矢氏作 「てとりす」
◇斜めラインと横ラインのポジションチェンジ

20211125_

43角、34桂合、25銀、同馬、28桂、26玉、46龍、同桂、
36金、同馬、16角成 まで11手詰

太刀岡甫-伝わりにくさは否めないが、全く新しい狙いを発明すると1号局になれる。新しい創作の方向性といえるかもしれない。
馬屋原剛-独自性が高いテーマ。言われないと気づかないのが難点か。だが、新しいことをやろうとする姿勢を評価したい。
會場健大-構想作の方向性よりは、駒の形状を問題にしているという意味では曲詰のそれに近く、作者も構想のつもりはないと思うが、だれもまだやっていないことを見つけるだけでも創作態度としてすばらしい。
久保紀貴-あいばさんと同感。形式的な狙いではあるが、新しいことに挑戦しているのが好ましい。

※作者は、各種の記録作や、本作のような「今までなかった新しい狙い」に拘った作品を次々と発表されている、今注目の作家です。構想作かと言われると微妙ではありますが、作者のモチベーションは、構想作家のそれと、何ら変わりません。こうした挑戦を繰り返すことで、詰将棋は進化していくのでしょう。

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2022年3月 7日 (月)

No.258 春霞賞候補作紹介 2021年10月号

詰パラ202110月号の春霞賞候補作をご紹介いたします。

■デパート4 岩村凛太朗氏作   ◇壁駒発生×5枚

2021104_20220307004901

52桂成、55桂合83角成、同玉、82と、73玉、72成香、63玉、
27馬、36歩合、同馬、45歩合62成桂、53玉、26馬、35角合
52成桂、63玉、62成香、73玉、72と、83玉、82成香、93玉、
48馬、57成香94歩、同成桂、92成香、83玉、38馬、56歩合
82と、73玉、72成香、63玉、62成桂、53玉、52成香、43玉、
16馬、同飛、42成香、53玉、33龍、64玉、73龍、65玉、
66歩、54玉、63龍、44玉、43龍 まで53手詰

太刀岡甫1枚の馬を使ってL字の壁をつくる。全てが作意で壁として機能しているのが良い。
馬屋原剛-伏線手として合駒群を発生させ、収束の壁として逆用する構想。斬新な作品だと思っていたが、構想作としては前例があった。(黒川一郎「矢来」)http://kazemidori.fool.jp/?p=12806 全くの新構想ではなかったものの、(矢来と比較して)合駒の発生の仕方がパズルチックで楽しめる点、壁駒の意味が最後にならないとわからない点で、魅力的な作品ではあると感じる。
久保紀貴-一号局ではなかったようだが、それでも目新しさはある。壁駒の位置がL字になっているところなど、少し不規則な味が楽しめるのもよいと思う。
會場健大-空中に壁を築き上げ、それをすべて生かして収束させる手順がみごと。

※先行作の「矢来」は、同じ機構の歩合を単純に7回繰り返して(趣向作ですから当然ですが)、一直線に壁を築きます。
一方岩村作は、壁の作り方が一様ではなく、5回の合駒を文字通り「積み重ねている」点に特徴があります。
合駒した角の利きに成香の移動合をし、さらに成香の利きに歩合をする。しかも、その前の45歩合によって、歩合の位置は56に限定される。
といった具合に、1つの合駒が次の合駒の発生に関連する多重構造となっているのです。
結果としてL字型という不規則な壁を築くことに成功しており、もはや黒川作とは別構想と言っても差し支えないでしょう。
原型のまま合駒を伏線的に発生させる狙いの作品は、過去にも多数発表されていますが、これだけ大掛かりな舞台装置で、忽然とL字型の壁を出現させた例は、ほとんど記憶にありません。
お見事です。


<参考図>

■近代将棋1970年7月号 黒川一郎氏作  「矢来」

0201____197007

23香成、同玉、24歩、33玉、34歩、43玉、44歩、53玉、
54歩、63玉、64歩、73玉、74歩、83玉、84歩、93玉、
95龍、94歩合、83歩成、同玉、85龍、84歩合、73歩成、同玉、
75龍、74歩合、63歩成、同玉、65龍、64歩合、53歩成、同玉、
55龍、54歩合、43歩成、同玉、45龍、44歩合、33歩成、同玉、
35龍、34歩合、23歩成、同玉、25龍、24歩合、同龍、同玉、
22飛成、23飛合、16桂、14玉、25成桂、同飛、同龍、同玉、
23飛、36玉、27飛成、46玉、56成桂、同玉、67金、46玉、
57金、55玉、56歩、65玉、66金、同玉、67龍、75玉、
76歩、86玉、87銀、97玉、98銀、88玉、89香、99玉、
88銀、98玉、87龍、89玉、77銀、79玉、88龍、69玉、
68龍 まで89手詰

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2022年1月16日 (日)

No.256 春霞賞候補作紹介 2021年9月号

詰パラ20219月号の春霞賞候補作を紹介します。

■高等学校12 原田 豪氏作  「橋」
◇新し気なグループ合駒

2021912_

87馬、65飛合32銀、34玉、78馬、67飛打合23銀生、25玉、
37桂、同飛成、34馬、同桂、14銀生 まで13手詰

馬屋原剛-何が何でも37に利きを残したいという複合合駒。意味づけはシンプルだが、構想が伝わりやすい造りとなっており好感が持てる。
太刀岡甫-飛を取られても飛の利きが残るようにする複合合駒。1枚目を中合で行った点と構想を簡潔にまとめている点が素晴らしい。
久保紀貴-37に利きを作る飛合と、その利きを失わないための飛合。これまでになかったのが不思議なくらいのシンプルさに拍手を送りたい。
會場健大-合駒が移動した先でどのマスに効いているか、という作に見えたので、最初新しさがわからなかったが、グループ合駒の新しい表現と言われてなるほどと思った。

※2手目、65に飛車の中合。成桂にヒモを付けて76飛合ならまだ分かるが、なぜ65なのか。そして、なぜ飛車なのか。さらに6手目、今度は67に飛車を打つ。この2つの飛合の目的はただ一つ、37桂打への備えにありました。67飛打合を同馬と取られても、同飛と取り返せば、37への飛車の利きは残るという訳です。
構想としての目新しさに加え、結局飛車は1枚も取らずに詰ませる構成も、なかなか洒落ています。また1人、楽しみな作者が現れました


■デパート5 中村宜幹氏作  「国士無双」
◇13種合

202195_

19香、18馬、同金、16玉、28金、17成銀、同金、15玉、
27金、16角、同金、14玉、26金、15銀、同金、13玉、
25金、14成桂、同金、12玉、24金、13桂、同金、21玉、
12金、32玉、21銀、42玉、97角、86成香、同角、75香
同角、64飛、同角、53と54桂、52玉、61銀、63
81角、72歩、同角成、74玉、75飛、84玉、76桂、95玉、
97香、86玉、87歩、77玉、55角、66金84桂、67玉、
78と、57玉、59香、58龍、同香、47玉、48飛 まで63手詰

馬屋原剛-「夢の詰将棋」の実現に、まずは拍手を送りたい。 縦と斜めのラインで一気に合駒を出すところが実にエレガント。 構想作というより条件作のような気がするが、作品自体はとても素晴らしい。
太刀岡甫-13種移動合。提唱から長い年月を経ており、完成したこと自体素晴らしい。将棋盤の使い方が効率的で、短い収束も美しい。本作は条件作だが、これを構想に含めるかどうかを議論するには構想作の定義を整備する必要がある。現状、疑わしきは構想作としたい。
久保紀貴-夢の詰将棋。スマートな実現方法は、えげつない手順をまるでいともたやすく行われているかのように見せている。無論傑作で、某賞の有力候補であろう。 ただ、構想作にはあたらないと思うため、春霞賞の土俵で評価することには疑問が残る
(※構想作は、 目に見えるもの、すなわち表面上の手順や初形/終形 ではなく、 手順の裏側にある意味 に主張があるものを言うのだと思っています。)
會場健大-圧倒的な作でもあるし、この手があったか、という目からうろこの表現でもある。ほとんど2つのラインでこれだけの移動合を出しているのはエレガント。

※久保さんのご意見は全くその通りで、構想作は手順本位であるべきです。
春霞賞においては、これまで構想作の定義を明確にせず、詰工房の出席者にその判断を委ねてきました。これを機に、構想作とは何か、一度きちんと議論するべきかも知れません。
「国士無双」に関しては、自分は頭24手の「連続移動合ユニット」の発見を高く評価します。4手に1回、1筋だけで6度の移動合の実現なくして、13種合は完成しませんでした。本作は、この構造体の発見により、春霞賞の対象となり得ると考えます。


<参考図>
■詰パラ1981年12月号 深井一伸氏作 「七対子」
◇看寿賞受賞

19823_20220116153501

18馬、54歩合71と、同玉、73飛成、72飛合61香成、同玉、
72龍、同玉、52飛、73玉、62飛成、74玉、29馬、85玉、
65龍、75銀合95と、同玉、75龍、85香合84銀、96玉、
87銀、同玉、85龍、86香合88香、同金、同金、同玉
86龍、79玉、78金、同玉、56馬、69玉、89龍、79金合
59金、同玉、79龍、69金合49金、同玉、69龍、59銀合
39金、同玉、59龍、49角合29馬、同玉、49龍、39飛合
38銀、28玉、46角、37桂合、同角、17玉、19香、18角合
29桂、同飛成、18香、同龍、39角、28歩合、同角上、同龍、
同角、26玉、22飛、15玉、37角、14玉、15歩、13
46角、35桂合、同角、同歩、25桂、同桂、43龍、同桂
14銀 まで89手詰

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2021年12月26日 (日)

No.254 春霞賞候補作紹介 2021年8月号

詰パラ20218月号の春霞賞候補作を紹介いたします。

■大学院3 若島 正氏作  「スロット・マシン」
◇グループ中合およびそのための中合

20218_

27香、23歩合、同金、11玉、12金、同玉、62龍、42歩合
同龍、32香打合、13歩、同玉、53龍、43歩合14歩、同玉、
64龍、54歩合15歩、同玉、75龍、65歩合16歩、同玉、
86龍、27玉、28金、同金、26龍、38玉、28龍、49玉、
A58馬、同と、48金、59玉、58金、69玉、(B68金、79玉、
64成桂、88玉、78飛成、99玉、66角、同歩、89龍、同玉、
39龍、79銀合、78銀、98玉、99香、88玉、79龍、同玉、
69金、88玉、89歩、99玉、88銀、98玉、87銀右、同成桂、
99歩、89玉、79金 まで67手詰

太刀岡甫-玉方が壁を作るのもすごいが、特に42歩合で歩合の回数を増やす点が素晴らしい。タテヨコの経路上に駒を置けない制約の中で、少ない駒数で完璧にまとめている。
馬屋原剛-中合によって壁を作る意欲的な構想。メインディッシュの前の42歩合がいいスパイス。 だが、剛腕で作られている感じがしてあまり若島氏らしくない印象はある。氏ならよりスマートな表現をできたのではと感じた。
會場健大-「夢の浮橋」を連想させる趣向手順を構想の一部として実現した作品。作者の昔の作品と近年の指向が融合したようでその点でも印象的。

※6手目62龍と、龍が動き出してからが本題。この後、玉頭への歩打ちと龍引きを繰り返しながら86金を狙いに行くのに対し、7手目42歩合で龍を呼んでから、53龍に43歩合、64龍に54歩合、75龍には65歩合と連続歩中合をするのが、名作「夢の浮橋」を彷彿とさせる新構想。
その意味は、玉が9段目に逃げ込んだ時、72飛を横に活用する順を阻止するため。すなわち、
①43歩がない場合は、(A)59金、同と左、42飛成以下
②54歩がない場合は、(B)59金、同玉、52飛成以下
③65歩がない場合は、(B)62飛成以下
で、いずれも早く詰むのです。
3つの合駒が揃って初めて受けになる「グループ中合」と、それを実現させるための42歩合という、前例のない構想の実現は、例会参加者からも高く評価されました。


<参考図>

■近代将棋1972年2月号 若島 正氏作 「夢の浮橋」
『盤上のファンタジア』第96

19722_

32銀上成、12玉、22成銀、同玉、32銀成、12玉、22成銀、同玉、
24龍、12玉、61銀生、82歩合、21龍、13玉、93龍、83歩
同龍、73歩合、14歩、同玉、84龍、74歩、同龍、64歩合、
15歩、同玉、75龍、65歩、同龍、55歩合、16歩、同玉、
66龍、56歩、同龍、46歩合、17歩、同玉、19香、18角合、
57龍、47歩成、同龍、37銀合、同龍、同角成、18香、同玉、
29銀、19玉、28角、29玉、37角、38玉、28龍、47玉、
48龍、56玉、74角、65香合、57歩、67玉、68龍、76玉、
65角、85玉、74角、同玉、65龍、84玉、73角成、同玉、
64龍、83玉、72銀生、同玉、63龍、81玉、82歩、91玉、
97香、同と、94香、92歩合、81歩成、同玉、83龍、71玉、
73龍、()81玉、82歩、91玉、71龍 まで93手詰

()72歩合で変長

 

 

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2021年12月11日 (土)

No.252 春霞賞候補作紹介 2021年7月号

詰パラ2021年7月号の春霞賞候補作を紹介いたします。

■デパート4 相馬慎一氏作
◇選択を封じる連続合

202174


66馬、55歩合、同馬、44歩合21金、32玉、87馬、65歩合
33歩、23玉、56馬、45桂合、同馬、同歩、15桂、33玉、
77馬、32玉、22金、同と、同馬、同玉、24香、31玉、
41歩成、同玉、42歩、31玉、32歩、同玉、23桂成、31玉、
22成桂 まで33手詰

太刀岡甫-選択肢を減らす中合。馬の移動先が2つあるのは非限定を生んで面倒だなと思っていたが、こんなに素晴らしい活用法があるとは。きわめて新しい。
會場健大-何度見返してもどうしてこの合駒が限定で成立しているのか不思議な気持ちになる。構想はただ成立しているだけではだめで、プラスアルファがなければいけない、という作者のことばを体現したような作
馬屋原剛-連続合の研究が盛んになっている昨今、全く新しいロジックがあること自体に驚いた。既存のロジックとは一線を画しており、作者はどのようにしてこの構想にたどり着いたのだろうか。 個人的には、今年の構想作の中で暫定No.1。
久保紀貴-2枚馬が描く無数の線と点を利用した全く新しい連続合。もう連続合のロジックに感動することはないと思っていたが……。

※2手目55歩合、4手目44歩合と連続中合をする。
なぜか? 
その後23玉となった時、「馬を横ではなく下に移動させる」(=馬の移動における選択肢を限定する)ため。
なんのためか? 
その意味は、単発では全く不明で、87馬に対する65歩合とセットになって、初めて理解できます。これを65同馬と取ってしまうと、23玉に対し、56馬引とせざるを得ず、2枚馬の利きが重複してしまう。すると、14玉、47馬に23玉とされ、逃れてしまうのです。
この発想にはただ脱帽する他ありません。相馬慎一、ここに在り!


■デパート3 市川孝夫氏作 「テレプシコーラ」
◇玉方銀の4回転

202173


64金、同銀、45角、54歩合、同角、52玉、72角成、55銀、
53歩、同玉、54歩、52玉、44桂、同銀、53歩成、同銀、
61馬、63玉、64歩、同銀、72馬、52玉』=『A』
56飛、55歩合、同飛、同銀、『A』
57飛、55歩合、同飛、同銀、『A』
58香、55歩合、同香、同銀、53歩、同玉、45桂、52玉、
85角、74桂合、同角、同と、44桂、同銀、53歩、同銀、
同桂成、同玉、54銀、52玉、61馬 まで79手詰

太刀岡甫-趣向的な作りで銀がぐるぐると回る。回数を重ねることで新たな手順を実現したという意味での構想作。視覚的に楽しめるのがよい。
會場健大-効率のよい配置を見つけて銀の四回転を実現。繰り返し趣向の味もあり、当初春霞賞のノミネート作に入ってこなかったが、詰工房会員の総意で復活。
馬屋原剛-銀の4回転。構想作というよりは、記録作と感じ候補から外していた。 非常に綺麗に出来ていて、最後の44桂を合駒で出すのも良い。
久保紀貴-4回転はすごいが、構想としては1×4に過ぎない印象を受け、当初のノミネートからは外していた。 好作であることに異論はない

※構想かどうか、意見が分かれる作品ですが、それを許容するのが春霞賞のスタンス。ノミネートから外れたのは、参考図の存在も影響したかも知れませんが、玉方銀のルントラウフ×4回というのは、単なる記録作には留まらないと言ってよいでしょう。


<参考図>

■詰パラ1986年11月号 相馬康幸氏作  
Collection No.8

198611_collection-no8


25銀、13玉、14歩、同銀、同銀、同玉、25銀、13玉、
14歩、12玉、21馬、23玉、32馬、12玉、13歩成、同玉、
14馬、22玉、32馬、12玉、13歩、同玉、14歩、12玉、
21馬、23玉、24歩、同銀、32馬、12玉、13歩成、同銀、
21馬、23玉、24歩、同銀、32馬、12玉』=『A』
16香、15歩合、同香、同銀、『A』
18飛、15歩合、同飛、同銀、『A』
19龍、15歩合、同龍、同銀、13歩、同玉、14歩、12玉、
21馬、23玉、35桂、同と、32馬、12玉、13歩成、同玉、
14銀、24玉、23馬 まで101手詰

 

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2021年10月26日 (火)

No.250 春霞賞候補作紹介 2021年6月号

詰パラ20216月号の春霞賞候補作をご紹介します。
また、今回も発表が遅れましたことをお詫び申し上げます。

■創棋会3 則内誠一郎氏作    
◇不利逃避のための合駒

202163_20211026223201

76香、同桂、53馬、64歩合、同馬、同角、74飛、65玉、
64飛、75玉74飛、85玉、94角、同飛、86歩、95玉、
94飛、同玉、95歩、同玉、85飛、94玉、83飛成、95玉、
85龍 まで25手詰

會場健大-角の利きを消したいために、将来飛車の通り道になる場所に角を移動させて拾ってもらうべく落としておく64歩。不利逃避のために受け駒を移動させておく構想はおもしろい。
馬屋原剛-ありそうでなかった不利逃避の新手法。シンプルに出来ている。不利逃避にはまだまだ可能性があると感じた。
久保紀貴-後の不利逃避で取らせることができるよう角の位置を調整するための合駒という構想は素直に面白いと思った。 普通に作ると53同角の変化では65玉と逃げられて詰まなくなってしまいそうだが、74飛の利きをうまく使って切り分けているのも好印象。
太刀岡甫-不利逃避に向けて角位置を変える歩合。駒を沢山もらう構想は視覚的にも楽しい。

※玉方は、42角の86への利きを消して打歩詰に持ち込みたい。そこで4手目同角とせず、64歩合として、角を53ではなく64に持っていきます。そのうえで10手目75玉とよろければ、見事、角の消去に成功します。
不利逃避にはまだまだ魅力的な鉱脈が埋もれているようです。


<参考図>

①詰パラ2019年12月号 大崎壮太郎氏作    
◇不利逃避のための合駒

2019123

44飛引成、26玉、35龍、同玉、44角、36玉、34飛、35桂合
同飛、26玉15飛、36玉、35飛、47玉、39桂、同歩成、
38角、同と、48歩、同と、56銀、46玉、47歩、同と、
55銀 まで25手詰

※8手目の捨合によって攻方の飛車を35へ誘ったところで、26玉として15馬を取らせるのが不利逃避。攻方の「取り駒の位置を換える」ことで不利逃避を実現するもので、「取らせる駒の位置を換える」則内作と好一対をなす作品です。


②詰パラ2020年12月号 馬屋原剛氏作    
◇不利逃避のための合駒

2020123

54金、同玉、64金、43玉、54銀、34玉、25銀、同香、
38飛、37銀合、同飛、同馬、35銀、23玉、13歩成、同玉、
44銀、46馬、14歩、23玉、33銀成、同玉、31飛、44玉、
45歩、同馬、53銀生、43玉、32飛成 まで29手詰

※前の2作は、取る駒、または取らせる駒の位置を調整するための合駒でしたが、本作は、攻方が入手する合駒自体の種類を変えることによって、不利逃避に持ち込もうというもの。三者三様の面白さがあります。

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2021年9月30日 (木)

No.248 春霞賞候補作紹介 2021年5月号

詰パラ20215月号の春霞賞候補作をご紹介します。
なお、候補作に決定してから既に1か月以上経過しており、ご紹介の遅れを深くお詫びいたします。


■高等学校21 渡辺直史氏作      
◇局面対比<攻方26香→受方26香>

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46角成、26玉、28馬、35玉、13角、24香打合、46馬、26玉、
37馬、同玉、26銀、同香、46角成 まで13手詰

太刀岡甫-盤上から駒が消えたり出現したりする対比は増えてきたが、向きが入れ替わるためにはその両方を同一地点で行う必要があり、局面を戻す難易度がさらに上がる。以下1手で詰むのも素晴らしい。
會場健大-センスが光る作。ひっくり返る香が本当にもともと26にあった攻め方の香を渡した駒なのもユニークで、局面の微小変化ものとして純度が高い感じがする。
馬屋原剛-魔法のように香がひっくり返る。13角が何事もなかったかのように居座っているのが奥ゆかしい。初手と最終手が同じなのも統一感があってまたよい。
久保紀貴- 駒の向きが入れ替わるテーマ自体はそれなりの作例があるが、攻方→玉方は珍しい。 テーマを実現する手順自体が面白いのも本作の売りで、特に馬の動きには目を見張るものがある。

※もしも初形で26の香車が玉方だったら、46角成の1手詰。その“もしも”が、12手目の局面で実現する! 構成としては、①26香を消去、②合駒で24に香車を発生、③24香を26へ移動、の3段階から成っており、香の向き以外、盤面に一切変化がない(持駒は除く)ことも重要なポイントです。
最近よく目にするようになった局面対比のテーマは、一つのジャンルとして定着し、翻弄ものと並んで、今最もポピュラーな分野になった感があります。


<参考図>

■詰パラ2020年4月号 馬屋原剛氏作      
◇局面対比 <一歩後退>

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16馬、25歩合、同馬、44玉、88馬、54玉、55歩、44玉、
26馬、43玉、87馬 まで11手詰

※初形54歩が、詰上り図では何と55歩と一歩後退している(!)と言う、不可能を可能にした一局。
第8回春霞賞佳作受賞作です。


■デパート5 岩村凛太朗氏作  「攻野の七人」    
◇攻方七種合

202155


85、同龍、75桂53玉、63飛、同香、64銀、同香、
同と、44玉、46香、45飛合、55金43玉、45香、32玉、
23と、31玉、32歩、同銀、51飛、41角合、同香成、同銀、
3242玉、33角、同金、41飛成、同玉、33桂生、51玉、
42銀、同玉、41金、43玉、54と、34玉、44と まで39手詰

太刀岡甫-攻方7種合は珍しい狙い。唯一の前例に比べて打合が増えた点が構想上の進歩で、線駒が多く内容もボリュームアップしている。7種打合まであと1枚だが、この1枚は見た目以上に遠そうだ。
會場健大-ひとつの逆王手に対して複数の逆王手を詰め込む構成の菅野作と違って、少しずつ舞台を切り替えながら別々の場所で逆王手を出していく本作はかなりテクニカルな印象。最初だけ移動合なのが少し惜しまれる、というのは高望みしすぎか。
馬屋原剛-同テーマの菅野作『LOVE IS OVER Ⅲ』との比較となるが、菅野作は2本の線駒に対して合駒を出している一方、岩村作は4本もの線駒に対して合駒を出している点が高級に映る。さらに、岩村作は打ち合いが多いのも評価が高い。それだけに、最初の角だけは移動合なのが惜しい。
久保紀貴- 前例の存在は残念だが、それでも非常に高難度で貴重な構想を実現したことには拍手を送りたい。 前例と比べて洗練された手順も素晴らしい。

※先行作である菅野哲郎氏の「LOVE IS OVER Ⅲ」(参考図)は、七種合のうち移動合が5回で、打ち合は2回のみ。打ち合が多ければ持駒も増え、創作難度は格段に上がることから、菅野作と岩村作は同じ物差しでは測れません。いずれ全て打ち合の七種合が登場するでしょうか。


<参考図>

■詰パラ2008年2月号 菅野哲郎氏作 「LOVE IS OVER Ⅲ」

0601-20082-8-love-is-over


28玉、24玉、35金、33玉、23角成、同香、24金、同香、
25、同香、27銀43玉、44歩、52玉、51と、63玉、
83飛成、73角合、64飛、同玉、65歩、63玉、64歩、同玉、
75角、63玉、64香 まで27手詰

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2021年8月29日 (日)

No.246 春霞賞候補作紹介 2021年4月号

詰パラ20214月号の春霞賞候補作をご紹介します。

■デパート2 中村宜幹氏作    
◇三マス移動香成らせ(ショートカットなし)

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35金、同香36金、同香37桂、同香成36金、同成香
35飛、同成香34銀、同成香46香、56玉、66飛、47玉、
38金、36玉、37金、25玉、36金 まで21手詰


馬屋原剛-この手順が成立していることに驚愕した。担当の岸本氏の解説にもある通り、34、35、36の3地点で成生の差別化をはかる必要があるので、実現難度が高いことは想像がつくが、変化・紛れを調べてみると予想外に簡潔で驚いた。やりたいことをやりきっている作品に対しては、配置に難癖をつける気にはなれない。むしろ無造作に置かれたようにも見えると金群が微笑ましく見える。
久保紀貴-一路ずつ動かすのは、見た目以上に意味づけが難しいもの。よくぞ作ったと思う。
太刀岡甫-3マス香成らせをショートカットなしで行った作。距離的には渡辺作と同じだが、頭4手が入ったのは進歩。配置や収束は最善ではなさそうだが、構想価値は高い。
會場健大-香を1マスずつ3マス進めて成らせて戻す欲張った手順をノンストップで。 2マスは前例があると言っても、もうひとつずつ遠くすることの苦労は1.5倍ではすまない。

※前月の候補作、中村雅哉氏作が図巧55番の玉方銀1.5回転を2回転に昇華させたのと同様、従来の「3マス移動香成らせ」に、「往復ともコマ送り」という付加価値を加えることに成功した労作。
近年多く見かけるようになった、「今までなかった駒の軌跡」で表現するタイプの作品ですが、発想はできても実現のハードルは高く、普通なら手を出す気にもならないはず。にも関わらずこの難題に挑戦し、見事に解答を導き出した作者に、拍手を贈りたいと思います。


<参考図>

■詰パラ2020年5月号 渡辺直史氏作   ◇香の成らせ

202005


57桂、同香成56銀、同成香55飛、同成香54角、同成香
56金 まで9手詰

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