スマホ詰パラ

2021年5月 3日 (月)

No.237 第365回詰工房例会報告

3月の例会報告に引き続き、4月の例会の報告です。

424日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、井○徹也、馬○原剛、沖○幸、金○清志、久○紀貴、小○正浩、新○江○弘、芹○修、竹○健一、太○岡甫、松○成俊、宮○敦史、田中徹 以上15名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■いよいよ第8回春霞賞決定の日を迎えました。
春霞賞の運営を4人の若手実力作家に引き継いでから2年、つくづく感じるのは、彼らの知見の高さと過去作への造詣の深さです。
春霞賞の選考基準が「構想の新しさ」である以上、発表済みの作品についてある程度把握していなければ、正しい選考は出来ません。筆者が候補作の選考を行っていた頃はそれが最大の弱点でしたが、その点今は全く心配いりません。これは大きな前進です。
更に作品のプレゼンにおいても、筆者と現在のスタッフとでは、作品の理解度において歴然とした違いがあります。
素晴らしいメンバーが引き継いでくれて、本当に助かりました。心から感謝します。

選考会は15時過ぎにスタート。進行役は久し振りの久○さん。今年も大接戦で、わずかな差で大賞1局と佳作3局が決まりました。
受賞作は詰パラ誌上で発表されますが、今回はその前にネット上で公開してしまおうかと考えています。いずれにしても、発表までもうしばらくお待ちください。

■第8回の受賞作選考が無事終了した後は、第9回春霞賞の選考です。まずは1月号の候補作選出から。

<詰パラ2021年1月号候補作>
入選100回記念1 馬屋原剛氏作

内容については、別頁にてご紹介します。

■続いては注目作の紹介からピックアップ。

①詰パラ 2021年1月号
入選100回記念2 馬屋原剛氏作

202111002

51飛成、52銀58金、69玉、62龍、63銀68金、59玉、
53龍、54銀58金、69玉、64龍、65銀68金、59玉、
55龍、56銀58金、69玉、66龍、67銀成68金、59玉、
55龍、49玉、59金、39玉、35龍、28玉、37龍、18玉、
17龍 まで33手詰

作者が高校時代に着想したという手順を、遂に図化に成功。文字通り夢のような手順が展開されます。
改めて同人入り、おめでとうございます。


②詰パラ 2021年1月号
デパート5 馬屋原剛氏作

202115

75飛、56玉、57と、同玉、48馬、56玉、76飛、45玉、
46飛、34玉、36飛、23玉、26飛、32玉、22飛成、41玉、
21龍、31飛合、同龍、同玉、51飛、41飛合、同飛成、同玉、
61飛、51飛合、同飛成、同玉、71飛、62玉、73飛成、51玉、
71龍、61飛合、同龍、同玉、41飛、62玉、71飛成、53玉、
73龍、63飛合、同龍、同玉『A』
83飛、74玉、73飛成、65玉、75龍、56玉、66龍、45玉、
46龍、34玉、36龍、23玉、27龍、32玉、22龍、41玉、
『A』
83飛、74玉、73飛生、65玉、75飛生、56玉、57歩、66玉、
67歩、同玉、59桂、66玉、56歩、同玉、76飛、45玉、
46飛、34玉、36飛、23玉、26飛、34玉、25金、23玉、
35金、32玉、22飛成、41玉、
『A』
83飛、74玉、73飛成、85玉、75龍、96玉、95龍、同と、
97金、同玉、88金、96玉、97歩、85玉、75馬、94玉、
93銀成 まで161手詰

まるで「馬屋原さん特集」ですが、どちらも外せない作品です。
出だしは普通の龍追いですが、従来の龍追い作品と大きく異なるのは、龍追いが途中から飛車追いに変わること。飛車から龍ならともかく、龍から飛にバトンタッチというのはほとんど記憶に有りません。
常に記録や新しさを追究し続ける作者らしい趣向作です。


③スマホ詰パラ 2021年3月
No.16266 天の川氏作

16266_202103

41角、同玉、52銀、同玉、53銀成、同玉、54飛、43玉、
52角、32玉、23銀、同玉、34金、32玉、33歩、同桂、
23金、同玉、41角成、32桂合、35桂、22玉、24飛、同桂、
23桂成、21玉、31馬、同玉、32銀 まで29手詰

3手目52銀が想定外の一手。同玉に対し、53銀成~54飛という攻め筋が見えないと、とても決断できない難手になっています。おそらく逆算によるものと推察しますが、自然な配置で手順にも強引なところがなく、見事な逆算と言う他ありません。
合駒を動かし、攻方の大駒を消し去る収束も鮮やかで、実戦型の傑作と思います。


④スマホ詰パラ 2021年3月
No.16376 パスファインダー氏作

16376_202103

9726玉、27飛36玉、21飛成18香成、27龍 
まで7手詰

昨年詰パラで発表された藤原俊雅氏作の5手詰(半期賞受賞作)をベースにした7手詰。藤原作は飛車の横最遠移動スイッチバックがテーマでしたが、本作は飛車を横と縦に動かそうというもの。欲張っている割に配置に全く無理がないのは、流石です。
藤原作の正統発展形として記憶しておきたい作品です。


<参考図>
詰パラ2020年11月号 藤原俊雅氏作  ■半期賞

20201122

97飛26玉、36金、同飛、27飛 まで5手詰


■例会終了後、自分はここで離脱しました。安心して二次会が出来るようになるのはいつのことか。全く先が見通せない状況に、ストレスが溜まりますね。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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No.236 第364回詰工房例会報告

1か月以上経ってからの報告になってしまい、申し訳ありません。お詫び申し上げます。

321日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、馬○原剛、沖○幸、加○徹、金○清志、小○正浩、芹○修、太○岡甫、松○成俊、宮○敦史、米○歩登、和○積商、田中徹 以上13名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■春霞賞の選考会、進行役は馬○原さん。投票の結果、候補に残ったのは…

<詰パラ2020年12月号候補作>
創棋会1 野曽原直之氏作

内容については、このブログのNo.234で既に紹介済みですので、そちらをご参照ください。これで全ての春霞賞候補作が出揃いました。

■続いては注目作の紹介。そのうちの4局をご紹介します。

①詰パラ 2020年12月号
ヤン詰7 松下拓矢氏作 「ダブルトゥループ」

2020127_

46飛、同龍55と寄、同龍56金、同龍46歩、同龍
55と、同龍56金、同龍46歩、同龍54銀 
まで15手詰

玉方の龍が、「46555646」の三角のルートをノンストップで2回転します。駒取りなしのオール捨駒というのがセールスポイント。
個人的に注目している作者で、今後の活躍に期待大です。


②詰パラ 2020年12月号
デパート4 村田顕弘氏作 「ボートレース」

2020124_

13香生、21玉、24香、31玉、33香生、41玉、44香、51玉、
53龍、61玉、64飛、71玉、51龍、82玉、81龍、93玉、
94歩、同玉、95歩、同玉、96歩、同玉、97歩、同玉、
98歩、同玉、99歩、97玉、91龍、88玉、98龍、79玉、
89金、69玉、67飛、同金、58銀、同金、79金、59玉、
69金打、同金、同金、同玉、68金、59玉、58金、49玉、
48金、39玉、38金、29玉、28金、19玉、18金、29玉、
28龍 まで57手詰

盤面の周辺を3/4周する趣向作。方向転換がとてもスムーズで、題名の通りスピード感のある爽快な一局です。


③スマホ詰パラ 2021年2月
No.16141 紅蘭華氏作

16141_202102

22金、同金、同銀成、同玉、44角、33金合、同と、同桂、
34桂、13玉、23香成、同玉、24金、同玉、35銀、13玉、
24金、12玉、22桂成、同玉、33金、31玉、53角成、21玉、
43馬、12玉、13歩、同玉、25桂、12玉、23金、同玉、
33馬、12玉、13桂成、同玉、24銀、12玉、23銀成、21玉、
22成銀 まで41手詰

囲い図式を得意とする作者。これまでは大量の持駒による物量攻めの作品が目立ちましたが、本作は少ない持駒で、形の良い実戦型から粘り強い捌きの手順が展開されます。この好形で41手の長手数、しかも清涼詰とはお見事です。


④スマホ詰パラ 2021年2月
No.16150 relax氏作

16150_relax202102

37桂、同香成36銀、同成香35金、同成香34銀、同成香
36馬 まで9手詰

本作は、昨年上半期のパラ中学校半期賞受賞作を、作者自身が改良したものです。


<参考図>
詰パラ 2020年5月号 渡辺直史氏作  ■半期賞

0100-23

57桂、同香成56銀、同成香55飛、同成香54角、同成香
56金 まで9手詰

初形駒数、持駒ともに1枚ずつ減り、コンパクトな棋形になって見事な改良と言えます。半期賞受賞作にも関わらず、納得いくまで手を加えていく姿勢は見習いたいものです。

■例会終了後、いつものように完徹の自分は、ここで離脱となりました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■引き続き4月の例会の報告をアップしますので、そちらもよろしく。ではまた。

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2021年3月 2日 (火)

No.233 第363回詰工房例会報告

221日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、馬○原剛、加○徹、金○清志、小○正浩、芹○修、竹○健一、太○岡甫、利○偉、松○成俊、宮○敦史、田中徹 以上12名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。
今回、出席者名簿をコピーするのを忘れ、記憶だけで書いていますので、間違いがあるかも…。

■先月の例会は外出自粛で欠席しましたので、今年初の大井町です。

■例年は1月に行われる年賀詰鑑賞会も、1か月遅れで開催されました。そのため、春霞賞の選考会は年賀詰鑑賞会の終了後、16時を過ぎてからのスタートです。
先月は選考を行っておらず、2ヶ月分まとめての選考で、進行役は太○岡さん。投票の結果、候補に残ったのは、次の通り。

詰パラ 2020年10月号
●短大18 石本仰氏作
●デパート3 斎藤慎太郎氏作

詰パラ 2020年11月号
●高校24 太刀岡甫氏作

内容については、別頁にてご紹介します。

■続いては注目作の紹介。持ち時間が30分ほどしかなく、大幅に端折って行いました。
ここではそのうちの4局をご紹介。

①詰パラ 2020年10月号
大学11 芹田修氏作

20201011


25香、24桂合、同香、23桂合、33銀、13玉、23香成、同玉、
24銀成、22玉、33成銀、同玉、25桂、43玉、44銀、同玉、
36桂、同と、55龍、43玉、33桂成、同玉、53龍、43飛合、
25桂、22玉、13角成、21玉、31歩成、11玉、23桂、同飛、
21と、同飛、12馬、同玉、13龍 まで37手詰

2段桂合に始まり、飛車の翻弄、巧みな四桂の運用、そして清涼詰と、見応え充分。さすがは、逆算のスペシャリストです。
爪のアカ、分けてください!

②詰パラ 2020年11月号
たま研4 青木裕一氏作

2020114


3441玉、33桂51玉、42桂成、同玉、41桂成、同玉、
23角成、同香、33桂42玉、34桂51玉、41桂成、同玉、
42桂成、同玉、33角成、同玉、44金、同玉、45歩、同銀、
55銀 まで25手詰

34桂→33桂」と連打し、「42桂成→41桂成」と捨てる。こうして玉を42から41へ誘導します。
角捨てを挟んで、今度は「33桂→34桂」と打ち、「41桂成→42桂成」と連捨てすると、玉は41から42に戻りました。
この18手目の局面と初形を比べると、攻方45角が消えている! その結果23手目45歩打が可能となり、詰上ります。
摩訶不思議な手順で見る者を魅了する、青木ワールド全開の作品です。

③スマホ詰パラ 2021年1月
有吉弘敏氏作 No.15986

15986_202101


47飛、46銀合、55金、同玉、54と、同と、64銀、同玉、
63金、55玉、57飛、同銀成、47桂、同と、45金、同香、
44龍、46玉、35龍、55玉、46金、同と、44龍、同と、
73角成、54玉、53桂成、同香、65角成、同玉、64
 まで31手詰

この作品、見覚えのある方も多いことでしょう。本作の原図は、近代将棋19836月号発表のあぶり出しの名局でしたが、惜しくも余詰があり、本作はその修正図です。
完全であれば、間違いなく「中編名作選Ⅱ」に選ばれていたはず(EOGさんが見逃さない!)の名作が、見事な修正によって蘇えったことを、心からお祝い申し上げたいと思います。

          【詰上り図】

15986_202101_20210302212201



<参考図>近代将棋 1983年6月号 有吉弘敏氏作

19836_d


47飛、46銀合、44金、55玉、54金、同金、64銀生、同玉、
(A)63と、55玉、57飛以下31手詰

(A)63龍または74角成以下の余詰

④スマホ詰パラ 2021年1月
ichisuka氏作 No.15990

15990_ichisuka202101


35銀、43玉、44銀右、34玉、35銀、25玉、26銀引、24玉、
25歩、34玉、53桂成、45桂合、52角成、同金、35
 まで15手詰

初形と10手目の局面を比べてみてください。玉方44歩が消えています。すると何が変わるか?
初手53桂成とすると、45歩と突かれ、自玉が突歩詰で失敗。しかし、10手目の局面から53桂成なら、45歩合は打歩詰の禁手(!)で打てません。
即ち、玉方45歩を打歩詰の禁手にするために、初手から10手かけて玉方の44歩を盤面から消去し、結果として桂合を強要しているのです。
「玉方歩の原型消去により自玉への打歩詰を誘致し、歩合を拒否する構想」となるでしょうか。
例会参加者の皆さんに伺ったところ、同様の構想は今まで見た覚えがないとのことで、新構想の可能性が大きいと思われます。

※初手35銀に対し25玉と逃げると、52角成、同金、26香、15玉、24銀まで。44歩が64龍の利きを遮っているため早く詰みます。
つまり2手目は、44歩を敢えて取らせるための「不利逃避」になっていました! 
従って本作は、「不利逃避を逆用した玉方歩の原型消去により自玉への打歩詰を誘致し、歩合を拒否する構想」ということになります。
これは、Twitterで○崎さんと久○さんが本作について語り合っているのを見て、初めて知った次第で、お二人に深く感謝いたします。(3/4追記)

■例会終了後、いつも2次会でお世話になっているお店の前を通ると、「臨時休業」の張り紙が。
感染拡大の影響でしょう。どうかコロナに負けず、頑張ってほしいものです。落ち着いたらまたお邪魔しますので。
現在2次会は自粛中で、完徹の自分は無理せずここで離脱しました。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■解答選手権も2年連続中止(初級・一般戦はオンライン開催)になってしまいました。皆さまも感染にはくれぐれもご注意ください。

■近藤郷さんが、ちえのわ雑文集で、このブログの宣伝をしてくださいました。ありがとうございました!
今年は少しでも更新のペースを上げたいと思っていますが、どうなることやら…。

■ではまた。

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2020年10月12日 (月)

No.227 注目作紹介-スマホ詰パラ(2020年6・7月)

スマホ詰パラ2020年6・7月の発表作から、注目の作品をご紹介します。

①スマホ詰パラ 2020年6月 
No.14941 himatsume氏作


こういう作品がさり気なく登場するから、スマパラは油断がなりません(先月も新しい収束を使用したと思われる注目の煙詰が発表されました)。
本作は大駒による王手が少ないのが特徴で、銀桂香の成駒のない初形が美しい。収束は既成手順なので、序盤に一工夫欲しいところではあります。
スマパラでの煙詰発表はもう何作目か?
そして、中学生になったao碧君はどうしているだろう。


②スマホ詰パラ 2020年6月 
No.14976 RKT_氏作


龍の回転追い趣向長編。
1往復するごとに、玉の軌跡が少しずつ変わるのが面白い。全応手玉移動。


<参考図>
詰パラ 2011年6月号 
摩利支天氏作 「travelingⅡ」


全応手玉移動の最長手数記録作。517手詰


③スマホ詰パラ 2020年6月 
No.14993 itochan氏作


指し手が全て桂跳ねの四桂詰。桂打ちから始める作品は、参考図などいくつか前例がありますが、四桂が配置された状態で始まるのは、かえって珍しいかも? 
比較的少ない駒数でうまくまとめた印象です。


<参考図>
おもちゃ箱 2001年10月 
猫田いわし作




④スマホ詰パラ 2020年6月 

No.15001 大西智之氏作


簡素図式に命を懸ける作者。本作は手順、詰上りとも文句なしの仕上がりです。
類作がないことを祈ります。


⑤スマホ詰パラ 2020年6月 
No.15021 osumo3氏作


初手49金に68玉なら、69金、同玉、59飛、78玉、88金、同玉、89飛打以下詰。この変化が詰むのは、7筋の配置が香車だから。初手69金から入ると、48玉で詰みません。 
2手目同玉の局面で、9段目に合駒できる持ち駒は、金2枚のみ。そこで、左右からの飛車打ちで金を2枚とも使わせてしまえば、10手目は飛合をするしかありません。
以下、飛打、飛合を繰り返し、39まで玉を誘導してから49金と打ちます。同玉と取ると、29飛、39金合、69飛で、59に打てる合駒がない! そのため49金には28玉と逃げるしかなく、39金打以下収束に入るという仕組みです。 
これも前例がなければ、歴史に残る作品になりそうです。

⑥スマホ詰パラ 2020年7月 
No.15076 原田椅子氏作


10手目18玉の局面にご注目。初形から変わったのは、攻方飛車の位置のみ。10手かけて36飛が27へ移動しただけ、というのが愉快です。
また、8手目と12手目の局面を比べると、29飛が消えています。つまり、邪魔駒消去。まあ、この飛車は最初から最後まで邪魔な駒ではあったのですが。
収束も大駒を2枚消して、上々の仕上がり。様々な局面対比が楽しめる異色の好作です。


<参考図>
詰パラ 2020年5月号 
デパート4 三浦 司氏作


原田作と本作とでは、初形の類似や飛車がメインなどの共通点はあるものの、手順構成は全く別物です。しかしこの両作、自分にはどうしても他人同士とは思えず、参考図としてご紹介する次第です。


⑦スマホ詰パラ 2020年7月 
No.15096 三輪勝昭氏作


まず、盤面玉方32歩にご注目を。もしも、この32歩が突如34へワープしたらどうなるか? 33馬までの1手詰です。
でもそんなこと、起こり得るのでしょうか?
出来るのです、チョー一流作家三輪さんになら !
4枚の銀は全て1筋と3筋の玉移動用の捨駒。玉が1筋と3筋を往復するたびに、玉方33桂と32歩を巧妙に操り、22手掛けて34歩型が実現します!
なぜこんな手品のような手順が成立するのか、不思議でなりませんが、本作がスマパラで発表されたのも、考えてみれば不思議です。


⑧スマホ詰パラ 2020年7月 
No.15136 パスファインダー氏作


本作は、作者が将棋世界誌に発表した作品の改良図です。
4手の追加により、先手角と合駒の銀の移動が増え、これ以上ない完成品に仕上がりました。
元の図でもかなりの出来なのに、更に上を目指す。飽くなき向上心に脱帽です。

<参考図>
将棋世界 2015年8月号 
山路大輔氏作



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2020年8月16日 (日)

No.222 注目作紹介-スマホ詰パラ(2020年3~5月)

スマホ詰パラ 3~5月号から、注目作をご紹介します。

(1)スマホ詰パラ 2020年3月 
 No.14456 19枚目の歩氏作


初形で13銀がなければ、12龍左で合が利かず、簡単な詰み。この2枚龍の潜在力をバックに、ブラの銀で玉を追う趣向作です。趣向の性質上、往復させるのは難しく、趣向手順が短くて物足りない嫌いはありますが、その分、31馬を消去しておく伏線や、大駒を捌き切る力強い収束など見所も多く、十分満足のいく作品に仕上がっています。
2枚龍の代りに2枚角を使った作品では、昼間勉氏の塚田賞作品が有名です。

<参考図①>
近代将棋 1971年4月号 昼間勉氏作


2枚龍では制約が大きくて、創作は大変そうですが、角ならこれだけ出来ます。

<参考図②>
「夢の華」第9番 山田修司作


銀鋸の手順自体はほぼ同じですが、銀鋸を成立させている機構は大きく異なります。最大の違いは、1筋に飛車利きが通っていること。つまり、銀は完全なブラではなく、半ブラであるという点です。ただ、この飛車の利きのおかげで本作は1往復化に成功しており、創作の自由度は増しています。
なお、本作は発表図を改良したものですが、原図からの改善度合いが半端ないので、発表図も合わせて掲載します。推敲の大切さが一目で判る、格好のサンプルであると思います。

<参考図③>
旧パラ195012月号 山田修司作
 

76金など、山田氏とは思えない配置ですが、デビュー間もないころの作品と聞けば納得です。


(2)スマホ詰パラ 2020年3月 
No.14496 Comet_Lulin氏作  


序の10手で、いきなり2度の2段中合。さらに、14手までに5種合が飛び出す規格外の力作。出題先がスマホ詰パラでなかったら、自分には永遠に解けません。
17手目36銀と押さえてようやくひと安心。収束は角捨ても入り、上々の仕上がりです。
このままでも傑作ですが、7種合への発展を期待するのは、望み過ぎでしょうか。

<当初発表図>
スマホ詰パラ 20192月 
No.12591 Comet_Lulin氏作


こちらの図も決して悪くはありません。というより、かなりレベルの高い作品と言えます。それでも作者としては、香遠打+48歩中合」の実現に拘った、ということでしょう。


(3)スマホ詰パラ 2020年5月 
No.14734 高等遊民氏作


玉と馬の軌跡に注目してください。
玉の方は「465666656454444546」の正方形。ノンストップで一周します。
一方、馬の軌跡は「3557755335」、菱形です。
余分な駒を置くことなく、ほぼ最小限の配置で実現していることに感心します。
作者によれば、駒場和男氏の「外房9号」(周辺巡り)、「内房1号」(2線目巡り)、「山手線」(3線目巡り)の3部作を見て、4線目巡りへの挑戦を思い立ったとのことです。

<参考図>
「ゆめまぼろし百番」第79番 
駒場和男作 「山手線」


「ゆめまぼろし百番」の、第39番「外房9号」、第29番「内房1号」、に続く3線目巡り。
良く見れば、馬の軌跡は正8角形を描いています。


(4)スマホ詰パラ 2020年5月 
 No.14766 relax氏作


十分な助走の後の17手目、93馬と最遠地点にジャンプします。何のためか? 例えばここで66馬なら、73角に55香合で不詰。角筋をダブらせる中合を防ぐ唯一の手段が、「93馬最遠移動+73角打」でした。
2枚の角限定打で表現した作品はありますが、馬の最遠移動と組み合わせたのが、作者の工夫。玉方46桂配置が、73角打をうまくカモフラージュしており、更に、最遠移動した馬が馬鋸で戻ってくるという贅沢なオマケ付き。
しっかり創り込まれた本格的構想作です。

<参考図>
詰パラ 19901月号 浦野真彦作


初手53角+73角なら、64歩合で不詰。
2枚の角を下から打つ作品は、上田吉一氏の看寿賞作(極光第22番)が有名ですが、上から打つ作品なら、これ。主役の2枚角を消し去る収束など、完璧な構成です。


(5)スマホ詰パラ 2020年5月 
No.14851 パスファインダー氏作


既発表作(詰パラ201411月号デパート5)の改良図。
双玉→単玉、収束の変同解消、駒数減、といった改良が施された、見事な改良図です。
スマホ詰パラや詰将棋メーカーでは、こうした改作図の発表は珍しいことではありません。詰パラ本誌では発表しにくい改作図や修正図の、貴重な受け皿になっているのです。

<詰パラ発表図>
詰パラ201411月号 山路大輔氏作

逆王手もないし、確かにこれでは双玉の意味がありません。27歩・37歩なども気になる配置で、直したくなるのもうなずけます。

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