詰将棋メーカー

2022年4月11日 (月)

No. 261 第376回詰工房例会報告

320日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、井○徹也、馬○原剛、金○清志、久○紀貴、小○正浩、澤○友太、新○江○弘、芹○修、竹○歩美、竹○健一、寺○旺恭、利○偉、深○一伸、松○成俊、宮○敦史、山○剛、田中徹 以上18名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今回が2度目の「大田区産業プラザ」でしたが、1階の大ホールで「スーパーヒロインタイム」なるイベントが行われていて、目をパチクリ。これがいわゆる「コミケ」と呼ばれるものなのでしょう。
前回例会に使った部屋が更衣室になっていたので、コスプレイヤーも集まっているはず。ということで、このままイベントに参加したい! という誘惑に負けそうになったことはナイショです。

■詰工房が予約制になってから、春霞賞のレジメの印刷枚数は、予約の人数を参考にして決めています。今回は10人少々と見込んでいたのですが、会場に入ると、思いのほか人数が多い。しかも時間とともに増えていくので、これではレジメが足りなくなると焦りましたが、何とかギリギリ間に合って、ひと安心しました。
参加人数が多い時は、竹○さんか近○さんが来られていると考えてほぼ間違いありません。今回は、竹○さん父娘に寺○さん母子、そして澤○君という竹○チームの参加によって、女性参加率向上と平均年齢の引き下げに大きく貢献しました。特に寺○旺恭(おうすけ)君は小学校2年生とのことで、もしかしたら詰工房参加者の最年少記録かも?(なお寺○君の母君は、上記の参加者名一覧には記載しておりませんので念のため)。

■春霞賞の選考の時間になり、司会者として登場したのは何やら見慣れぬ青年…と思ったら、何と久○さん! 
眼鏡してないし、チョッと見まるで別人。心境の変化か? でも作風は変えないでね。
さて、今月のノミネートは5作。接戦を抜け出したのは――。

詰パラ 2021年12月号
デパート4 野曽原直之氏作

詳しくは別稿にて。
これですべての最終候補作が決まりました。4月の例会で、いよいよ第10回目の春霞賞が決定します。

■注目先の中から、いくつかご紹介していきます。

詰パラ 2021年11月号
大学院10 岸本裕真氏作 「三鈷峰」

20211110_

38金、同玉、47歩、48金合28と寄、同香成、同と、39玉、
69龍、28玉、29香、38玉、27銀、47玉、57と、同玉、
56と、同玉、55金、同玉、58香、同金、同龍、64玉、
67龍、65香合53銀生、63玉、73金、同と、65龍、72玉、
73と、81玉、82歩、91玉、83桂、同金、92香、同玉、
83と、同玉、84金、同玉、61歩成、73桂合、同角成、同玉、
75龍、83玉、86龍、85角合75桂、84玉、95金、73玉、
64銀成、72玉、63桂成、61玉、52成桂、同角、62歩、72玉、
76龍、74桂合73香、82玉、93歩成、同玉、84金、82玉、
72香成、同玉、73金、71玉、63桂、同角、61歩成、同玉、
62金、同玉、63成銀、同玉、52角、54玉、74龍、55玉、
44龍、同玉、45飛、34玉、35飛、24玉、36銀、26桂合
16桂、14玉、15飛、同玉、26と、14玉、25銀、同桂、
同と、13玉、12と、同玉、11と、同玉、21歩成、同玉、
13桂、11玉、12歩、同玉、24桂打、同歩、同桂、23玉、
22角成、同玉、32桂成、12玉、22成桂、同玉、34と、24歩合
21桂成、同玉、31桂成、11玉、21成桂、同玉、24香、23銀合
43角成、11玉、12歩、同銀、21香成、同銀、同馬、同玉、
32銀、11玉、12歩、同玉、23と、11玉、21銀成、同玉、
32香成、11玉、22と まで155手詰

「六種八合煙」。惜しくも七種合を逸しましたが、作意手順を追ってみれば、七種合かどうかなど、些末な問題でしかないと納得されるはずです。
新○江さんもこの収束を使って煙が出来ないか考えたことがあるけれども、果たせなかった由。それだけに、本作の収束、とりわけ29香に対し3度の中合を実現させた手腕を、高く評価されていました。
序盤で29香・27銀をセットしておく逆算の妙、盤面左上での粘りある攻防、更には自然に湧き出してくる合駒の数々…。
もはや神懸かり。形容すべき言葉が見つかりません。


詰パラ 2021年12月号
デパート3 山田康一氏作

2021123

29香、28香合、同馬、26玉、27香、15玉、37馬、26香合、
同馬、24玉、25香、13玉、35馬、24香合、同馬、22玉、
23香、31玉、13馬、41玉、31馬、同玉、21香成、同角、
22香成、41玉、42歩、51玉、62歩成まで29手詰

29香に対し、まず28香合。次いで27香に26香合、25香に24香合と、2筋で香打+香捨合を3回繰り返すのが楽しさ満点の手順。さらに23香と打って、2筋に4枚の香が並んだ様は圧巻で、強く印象に残ります。
収束も過不足なくまとまっていて、非常に好感度の高い軽趣向作です。


スマホ詰パラ 2022年2月
No.18001 19枚目の歩氏作

18001_19202202

44銀、54玉、55銀引、53玉、64と、同と、同銀、54玉、
55銀引、53玉、44銀、54玉、43銀生、53玉、52と、同金、
同銀成、同玉、53歩、同玉、63金、54玉、64
まで23手詰

初形ハートの曲詰。45銀を445564と展開したかと思うと、今度は645544とスイッチバック。さらに味良く43銀生と突っ込み、スッキリした収束につなげます。
小駒図だけに派手さはありませんが、攻方銀の軽快な運用が光る好作で、初形曲詰の一つの収穫と言えるでしょう。


スマホ詰パラ 2022年2月
No.18071 瓶子吉伸氏作

18071_202202

43金、同玉、45香、同と、42飛、53玉、62銀、同飛、
45飛成、42飛、同馬、62玉、53馬、同玉、51飛、52歩合、
54龍、42玉、52飛成、31玉、32歩、22玉、24龍、23銀合、
34桂、同銀引、31歩成、同玉、34龍、32金合、42銀、22玉、
33銀成、11玉、12歩、同銀、22成銀、同金、31龍、21金、
22龍寄 まで41手詰

10手目42飛の移動捨合が、おそらく創作の出発点と推察します。普通なら、ここから30手も掛かってしまったら失敗作と相場は決まっていますが、本作は例外。
2枚龍の寄せに、23銀合、32金合と頑強に抵抗。攻方も42銀~33銀成~22成銀と、巧みな銀の活用で、最後は予想外の清涼詰になります。
全編を通して白熱の攻防が素晴らしく、作者実力発揮の力作です。


詰将棋メーカー 2022年2月 
munetoki氏作

Munetoki_20222_13

23桂、22玉、34桂、同角、31飛成、13玉、22龍、同玉、
33金、同桂、31角成、23玉、35桂 まで13手詰

4手目の局面で、33飛が邪魔駒化しているのが意外な展開。ここから飛車を消した後の33金が、この一手の好手。金を残したい心理を巧みに衝いた決め手で、最後は気持ちの良い桂吊るしの詰上り。今や詰将棋メーカーを一人で支えている感のある、munetokiさんらしさ満開の好作です。

■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。帰りの電車の中では、再び爆睡してしまい、またまた乗り過ごす結果に。しかも降りた駅も先月と一緒。でも、今回も気持ち良~く熟睡したので、幸せです。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」並びに、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご覧ください。

■ではまた。

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2022年3月19日 (土)

No. 259 第375回詰工房例会報告

220日(日)詰工房の例会に参加してきました。
今回、参加者名簿の写しを撮るのをうっかり忘れてしまったようで、申し訳ありません。
出席者を確認したい方は、詰パラ4月号に会合案内が載るはずですので、そちらをご覧ください。
恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

■詰工房と言えば、大井町の「きゅりあん」が定番でしたが、リニューアルのため、1年ほど休館となり、今回は京急蒲田駅からほど近い、「大田区産業プラザ」に会場を移しての開催です。今のところ、6月までは同じ会場で開催予定となっています。
ここは以前、解答選手権が行われた場所で、アクセスも「きゅりあん」に劣らず良好です。

15時を過ぎて、そろそろ春霞賞の選考の時間でしたが、司会の會○さんの到着が遅れるとのことで、先に注目作の紹介をすることになりました。
ここでちょっと困ったことが発生。プロジェクターを使うために部屋を暗くしようとすると、すべての照明が落ちてしまい、ほとんど真っ暗になってしまうことが判明したのです。「きゅりあん」では、部屋の半分だけ照明を消すことができたのですが、どうやらこの会場は全点灯か全消ししかないらしく…。
仕方なく、照明を落として紹介をすることにしましたが、これでは暗くてレジメが読めません。皆さん、ご不便をお掛けしてすみませんでした。

1620分ころ紹介が終わると、すでに到着されていた會○さんにバトンタッチして、春霞賞選考会のスタートです。
今月のノミネートは4作。内容も投票の結果も大接戦で、結局1票差で候補作が決まりました。

詰パラ 2021年11月号
中学校25 松下拓矢氏作

詳しくは別稿にて。

■注目先の中から、いくつかご紹介していきます。

詰パラ 2021年11月号
デパート2 相馬康幸氏作

2021112

21歩成、同玉、22歩、同玉、34桂、同香、44角、33角合、
14桂、同歩、13銀、同香、11銀、同玉、12歩、同玉、
24桂、同香、11金、同角、同角成、同玉、23桂、12玉、
22金、同玉、11角、23玉、12銀、同玉、22
 まで31手詰

盤面香と歩だけの、きれいな密集形です。
34桂捨てから44角と打って足場を築いた後、1筋から手を付けていくのに気付けば、あとは“いつか来た道”。合駒読みも一度だけで、比較的易しいのも本作の美点と言えます。
さらに、22手目に無仕掛局面が現れるのも洒落ていて、これぞ相馬流と言うべき逸品です。

スマホ詰パラ 2022年1月
No.17901 kisy氏作 「Weather Report」

17901_kisy_weather-report202201_20220318015301

48成桂、同玉、38成桂、49玉、48成桂、同玉、47と、同玉、
46と、48玉、47と、49玉、16馬、27銀成、同馬、同飛成、
58銀、同玉、69と、47玉、49香、48角合、同香、同玉、
49歩、同玉、58角、48玉、59と、同玉、39龍、58玉、
68と、同玉、79馬、58玉、69馬、57玉、59龍、66玉、
76と、同玉、56龍、66歩合86金、同玉、66龍、76歩合
87歩、同金、同と、同龍、96金、同龍、同馬、同玉、
76龍、86金合94飛、95歩合、同飛、同玉、85と、同金、
96歩、同金、94と、同玉、96龍、83玉、85龍、84飛合
94金、72玉、63歩成、同玉、64歩、72玉、73香、61玉、
52と、同金、62銀、同金、同桂成、同玉、63歩成、同玉、
53金、64玉、54金、同玉、55龍、63玉、53銀成、74玉、
84金、同玉、86飛、74玉、75歩、73玉、74歩、同玉、
85龍、64玉、66飛、53玉、83龍、54玉、43龍、55玉、
46龍、54玉、43銀生、53玉、55龍、43玉、46飛、45桂合
同飛、33玉、44龍、32玉、35飛、21玉、11香成、同玉、
31飛成、21香合22龍、同香、12歩、同玉、13金、11玉、
22金、同玉、27香、23桂合、同香成、同玉、14と、22玉、
34桂、11玉、41龍、21角合12歩、同玉、24桂、11玉、
21龍、同玉、43角、11玉、22桂成、同玉、32角成、11玉、
12桂成、同玉、23と、11玉、22と まで165手詰

         【詰上り図】

17901_kisy_weather-report_202201

本作に関して、新○江さんが「以前は煙詰の収束部分では、あまり無理は出来なかった。今の人たちは、収束でも目一杯詰め込んでくるのが凄い。」と語っていたのが印象に残ります。また、曲詰については、「表現したいテーマ(ストーリー)がなければいけない」とも。
斯界の第一人者の言葉は、説得力をもって胸に染みいります。
本作は収束だけでなく、序中盤でもこれでもかと詰め込んでいるのに、手順には全く無理が感じられません。特に79手目、73に打った香が邪魔駒となり、20数手後にこれを消すあたり、よくぞ作ったものと感動すら覚えます。
本作は七種合であろうとなかろうと関係なく、正真正銘の傑作です。
(本作についてのやり取りは、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」を是非ご一読ください)

スマホ詰パラ 2022年1月
No.17916 瓶子吉伸氏作

17916_202201

26香、23歩合、12香成、同玉、15飛、14香合、同飛、22玉、
12飛成、同玉、15香、14銀合、同香、22玉、12香成、同玉、
13銀、同玉、14銀、同玉、15香、同玉、25角成
 まで23手詰

5手目15飛に対し、13歩合なら同飛成、同桂、21銀以下の詰みがあるので、捨合をしてから22玉と躱します。今度は13飛成としても、同桂と取られて後が続きません。
つまり、12玉の時は13飛(香)成で詰むが、22玉の時は詰まない。本作はこの違いをうまく利用して、1筋での中合のリフレインを成立させているのです。
9手目、12飛成から15香と打ち直すと、香車が品切れのためやむなく銀中合。こうして銀の入手に成功し、収束へと向かいます。
さすがのレベルの高さ、感服いたします。

詰将棋メーカー 2022年1月 
munetoki氏作

Munetoki_20221_15

32歩、同玉、33歩、22玉、12歩成、同飛、13角、同玉、25桂、22玉、42龍、21玉、13桂生、同飛、32龍 まで15手詰

5手目12歩成から13角が、絶妙の複合手。この妙手順が見えないと3手目の33歩も心理的な難手となってしまい、序盤で堂々巡りする羽目に陥ります。収束は25に打った桂の2段活用も入って完璧な仕上がりです。
今年に入ってからの詰将棋メーカーは、munetokiさんが1人で支えていると言っても過言ではありません。頭が下がります。

■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。帰りの電車の中でまた爆睡してしまい、乗り過ごしてしまいました。でも気持ち良かったぁ(全然懲りていない)。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ「詰将棋の欠片」並びに、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご覧ください。

■最後に、更新が遅くなってしまったことをお詫びします。申し訳ありませんでした。

ではまた。

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2022年2月13日 (日)

No. 257 第374回詰工房例会報告

120日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:馬○原剛、沖○幸、加○徹、金○清志、小○正浩、新○江○弘、芹○修、長○川○地、松○成俊、山○剛、田中徹 以上11名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

2022年最初の例会は、参加者11名と少なめ。これは完全にオミクロン株のせいですね。

■詰工房1月の例会と言えば、TETSUさんによる年賀詰の展示会。今年もその数60局以上。バラエティーに富んでいて、実に壮観です。
毎年思うのですが、皆さん本当にうまく作るものですねぇ。もちろん、中にはもう笑うしかないようなものも混じってはいますが、それも込みで年賀詰。いいじゃないですか、正月なんだから。

■年賀詰の紹介が終わると、馬○原さんの司会による、春霞賞選考会のスタートです。
今月もノミネートは2作だけで、甲乙付け難いと見ていたのですが、全くの見当はずれ。岩村氏作が満票で最終候補に残りました。

詰パラ 2021年10月号
デパート4 岩村凛太朗氏作

詳しくは別稿にて。

■春霞賞の選考が終わったころには16時を過ぎていて、駆け足で注目先の紹介をすることになりました。その中から、いくつかご紹介していきます。


詰パラ 2021年10月号
ヤン詰2 森長宏明氏作

2021102

31角、同龍、42馬、22玉、34桂、21玉、31馬、同玉、
11飛打、21角合、同飛成、同玉、11飛成、同玉、33角、12玉、
22角成 まで17手詰

我々世代にとってのレジェンド、森長氏の名前を見付けてしまったら、もう採り上げるしかありません。
初手31角で龍を呼んでおき、これを奪いに行く手順や、9手目飛車の重ね打ちが中心の小品で、かつて大作を連発されていた作者のイメージとはやや異なるものの、これは本格復帰に向けた肩慣らしと受け取っておきましょう。
10月号では原亜津夫氏も久し振りに登場されていて、共にこれからの活躍に期待が高まります。


詰パラ 2021年10月号
大学10 石本仰氏作

20211012

28龍、同銀生、48金、同玉、93角、57歩合、同角成、38玉、
28金、同玉、37銀、同玉、49桂、27玉、28銀、38玉、
39銀、27玉、29飛、18玉、19飛、27玉、16銀、36玉、
25銀、27玉、28銀、38玉、39馬、47玉、57馬、38玉、
39歩、49玉、38歩、同玉、39銀、27玉、16銀、36玉、
37歩、同玉、48銀、38玉、47馬、28玉、29
 まで47手詰

2手目はお約束の銀不成。5手目93角と遠角を打てば、57歩捨合で受ける。これだけでも一局出来そうですが、まだまだ序の口。この後14手目27玉の局面が本当のスタートです。
この局面、18歩・36歩・47桂・49桂の4枚が、実は全部邪魔駒。この4枚を、巧妙な銀の運用によって1枚ずつ消去していくのが、本作のメインテーマでした。
構想型作品の名手石本氏らしい、一分の隙もない完成品です。


詰パラ 2021年10月号
たま研4 三田九路寿作

2021104

62銀生、52玉、53銀成、同玉、73龍、同銀、63金、54玉、
64歩、65歩合、同角、55玉、56歩、45玉、54角、同玉、
55歩、同玉、65飛、54玉、53金、同玉、63歩成、54玉、
53と、同玉、63飛成 まで27手詰

        【詰上り図】

2021104_

宮田敦史-途中で角を原形消去するのが巧い。個人的今回のベスト。
本作は三輪勝昭氏と筆者の合作です。今回たま研の課題が「曲詰」でしたので、「三田九路寿」名義での最後の発表作となるかも知れない本作を投稿したところ、宮田先生から望外のお言葉を頂戴し、結果稿を何十回読み返したか知れません。
これは序の6手を見つけてくれた三輪さんのおかげです。この逆算により「将来の二歩禁回避のための52歩消去」というバックボーンを得て、作品に一本の芯が通りました。三輪さん、ありがとうございました!


スマホ詰パラ 2021年12月 
No.17705 塗らら氏作

17705_202112

21歩成、同玉、31歩成、同玉、41歩成、同玉、51歩成、同玉、
61歩成、同玉、71歩成、同玉、81歩成、同と、同香成、同玉、
82歩、71玉、72歩、61玉、62歩、51玉、52歩、41玉、
42歩、31玉、32歩、21玉、22歩、11玉、21金、12玉、
23銀、13玉、14銀成、同玉、25と、同金、24金、同金、
同と、15玉、25と、16玉、26と、17玉、27と、18玉、
28と、19玉、18金 まで51手詰

一見して、王様が1段目を往復する趣向作と見当が付きます。まず、22から82まで並んだ7枚の歩を成り捨てて、8筋へ。次いで2段目に歩打ち+玉の逃げの繰り返しで、1筋まで戻ります。
嬉しいのは、ここから更に9段目まで、片道の縦追いが入っていること。新味には欠けるものの、配置や使用駒、手順も含めて、極めて高い様式美を感じさせる作品で、一つの収穫と思います。参加者の皆さんの反応もまずまずでした。


詰将棋メーカー 2021年12月 
Haru氏作

Haru_202112

64玉、94玉、55玉、95玉、44玉、94玉、35玉、24桂合、
同飛寄、95玉、44玉、94玉、55玉、95玉、64玉、94玉、
75玉、95玉、87桂 まで19手詰

王鋸です。どちらの玉も、4段目と5段目しか動けないのを利用して、攻方王の鋸引きが始まります。王が15に入り込めば詰んでしまうので、35王の時、24桂捨合としてこれを防ぎますが、これで桂が手に入ったため、75王と戻って87桂打までの詰み。
王鋸の折り返しのキーが、24桂合の一手だけで、収束も87桂の一手だけという、極めてシンプルかつ明快な構成が際立っていて、小品ながら印象に残る好作です。


スマホ詰パラ 2022年1月 
No.17705 kisy氏作「Weather Report」

17901_kisy_weather-report202201

Twitterなどで話題となった話題作を、図面だけご紹介しておきましょう(作意は次回)。本作についてのやり取りは、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご参照ください。

■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。落ち着いて2次会に行けるのはいつになることか…。

2月の例会は京急蒲田駅から徒歩3分の大田区産業プラザです。お間違えないように。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」並びに、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご覧ください。

■ではまた。

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2022年1月11日 (火)

No. 255 第373回詰工房例会報告

■1219日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:會○健大、青○裕一、馬○原剛、金○清志、久○紀貴、小○正浩、近○郷、澤○友太、新○江○弘、芹○修、竹○健一、太○岡甫、利○偉、深○一伸、三○郁夫、柳○明、田中徹 
以上16名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■今更ですが、新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2021年最後の例会は、参加者が制限人数一杯の16名と盛況でした。
初参加の澤○さんに、三○さんは10年振りくらい? ともかく相当に久し振りの参加なのだそうです。ご無沙汰しておりました!
ただ、落ち着いていたコロナ感染者数が、いきなり急増してきました。1/8のたま研は無事開催にこぎ着けましたが、この先がまた不透明になりそうです。
まったく、いつまで続くことやら…。

15時を過ぎて、春霞賞の選考の時間。
解説は會○さん…でしたが、少し遅れてくるとのことで、先に注目先の紹介をすることになりました。その中から、いくつかピックアップしていきます。

<参考図>
詰パラ1981年12月号 深井一伸氏作  「七対子」

19823

18馬、54歩合71と、同玉、73飛成、72飛合61香成、同玉、
72龍、同玉、52飛、73玉、62飛成、74玉、29馬、85玉、
65龍、75銀合95と、同玉、75龍、85香合84銀、96玉、
87銀、同玉、85龍、86香合88香、同金、同金、同玉、
86龍、79玉、78金、同玉、56馬、69玉、89龍、79金合
59金、同玉、79龍、69金合49金、同玉、69龍、59銀合
39金、同玉、59龍、49角合29馬、同玉、49龍、39飛合
38銀、28玉、46角、37桂合、同角、17玉、19香、18角合
29桂、同飛成18香、同龍、39角、28歩合、同角上、同龍、
同角、26玉、22飛、15玉、37角、14玉、15歩、13玉、
46角、35桂合、同角、同歩、25桂、同桂、43龍、同桂、
14銀 まで89手詰

中村宜幹氏作「国士無双」の結果発表で、超レアな深井さんの短評を発見! 元々、参考図として深井さんの「七対子」を載せる予定だったので、レジメの「国士無双」の紹介頁で、合せてその短評も採用することにしました。
そんな経緯もあって、詰工房の会場で深井さんの姿を見た時は驚きましたが、今思えば、「国士無双」が深井さんをここへと導いたのでしょう。
注目作の紹介で「七対子」について触れた際、作者に一言お願いしたところ、40年前、結果発表時の作者の言葉で「…ところで13種移動合の国士無双を誰か作りませんかね」と呼び掛けていたとのこと。
この呼び掛けに応える作品が、40年を経て、ようやく現れた!…
「国士無双」の出現に対する深井さんの興奮が伝わってくるようでした。
ところでこの「七対子」、作者としては、2手目の歩合だけが消えずに残ってしまうことや、「暗算で行ける」ほど易しいことなどが不満なのだそうですが…。
「暗算…」のくだりには、盛大なブーイングが浴びせられたことは言うまでもありません。

詰パラ 2021年9月号
大学7 原田清実氏作

202197

33銀、同玉、51角、42歩合、同飛成、24玉、46龍33銀合、
25歩、13玉、24銀、同銀、同角成、22玉、42龍、32桂合、
13銀、同馬、33馬、12玉、32龍、22桂合、24桂、11玉、
22龍、同馬、23桂、21玉、32桂成、同馬、11馬 まで31手詰

7手目は45龍と開くのが普通ですが、それでは25歩の時15玉と逃げられて失敗。正解は46龍と一路深く引く手で、盤面6枚の美形からこんな好手が飛び出せば、それだけで好作確定ですが、この後も2度の限定合が出てきて文句なし。
また一つ、簡素図式の名作誕生です。

詰パラ 2021年9月号
デパート2 齋藤光寿氏作

202192

36飛、35角、同飛、同桂、75角、64飛、同角、22玉、
31角成、同玉、42銀生、22玉、33馬、13玉、14飛、同玉、
24馬まで17手詰

16金に狙いを付けた初手36飛に35角の受けは分かるとしても、75角に対する64飛移動合はウッカリしやすいところ。一局に角と飛車の移動合を織り込んだうえ、見方によっては持駒の飛を角に、さらに角を飛に変換する、飛車のフェニックステーマにもなっています。作者としては軽めながら、配置・手順ともにしっかりした仕上げで、確かな創作力を感じます。
18日に行われた「たま研」でも作者の話題が出て、最近の目覚ましい活躍振りに、かなり注目を集めている様子が伺えました。
作者は現在奨励会3段。こちらの方でもぜひ夢をかなえてほしいものです。

詰パラ 2021年9月号
デパート3 岡本眞一郎氏作

202193

33銀生、51玉、52歩成、同玉、62金、同玉、54桂、53玉、
44金、64玉、69飛、67香合、同飛、同角成、65香、55玉、
47桂、同銀生、45金、同香、44銀生、54玉、56飛、同銀生、
66桂、同馬、55歩、同馬、53銀成まで29手詰

        【詰上がり図】

202193_

3手目52歩成が、二歩禁回避の伏線的歩消去。53歩を残したままだと、収束の55歩が打てません。
そして12手目67香合が、いわゆる不利合駒。ここで普通に歩合なら、作意順で23手目55歩と打つことができ、以下63玉、53銀成まで早詰。67香合であれば、65の駒が香になるため、55歩が打歩詰になるという仕掛けです。
あぶり出しで不利合駒は、滅多にお目に掛かれない希少品種で、さらには、双方銀不成まで入っているという豪華版。出席者からも「良く入ったなぁ」と、称賛の声が相次ぎました。脱帽です。

スマホ詰パラ 2021年11月 
No.17571 瓶子吉伸氏作

17571_202111

22銀、24玉、33銀生、同玉、43桂成、同銀、22角、24玉、
13角成、同玉、33飛、同桂、23金、14玉、24金、同角、
23銀生、同玉、12飛成 まで19

全編捨て駒のオンパレード。中でも3度の「打っては捨てる」が実に良い味を出していて、43桂成のような難手も交え、手筋物の最高級品と言えるでしょう。
作者がスマホ詰パラに投稿されるようになってから、ずっと注目していますが、どの作品もレベルが高く、流石と言う他ありません。

スマホ詰パラ 2021年11月 
No.17621 Hiroshi Sawaki氏作

17621_hiroshi-sawaki202111

2317と、12歩、21玉、33玉31玉、43玉41玉、
53玉51玉、63玉61玉、52香成、71玉、62成香、81玉、
74玉18と、93桂、92玉、85玉56歩、81銀、93玉、
94歩、83玉、95玉73玉、72銀成、64玉、84飛、55玉、
47桂、45玉、35と、46玉、37銀、57玉、48と、67玉、
59桂、66玉、64飛、65桂合、78桂 まで45手詰

ご覧の通り、攻方の王が1筋から9筋まで、盤面を横断します。この狙いには先行作があるようですが、本作も無理なく大移動を実現しているあたり、十分に評価に値します。出席者の反応も「面白い趣向作」という好意的な声が多かったように思います。
ただし、収束は改善の余地ありですね。

詰将棋メーカー 2021年11月 
ポンちゃん氏作

_202111_17

72龍、62歩合、32馬、13玉、63龍引、同歩、同龍、33桂
同龍、同金、25桂、同歩、22銀、12玉、13歩、同角、
21銀生まで17手詰

初手72龍で歩合をさせてから32馬とすると、同玉は34龍以下詰むので13玉と躱す。
そこで、63龍引として2枚の龍と1歩を交換しに行くのが面白い攻め筋で、歩を入手してからの22銀~13歩の詰みを見ています。
ところが7手目同龍の時、33桂の移動合がその上を行く妙防で、13への利きを消して、歩詰誘致を図ります。が、結局は桂馬を渡したため、24桂捨てが決め手となり、角の利きを逆用されて詰上がります。
力の籠った攻防は最後まで見応えがあり、出席者の評判も上々でした。

■注目作の紹介が終わると、會○さんの司会による、春霞賞選考会のスタートです。
ノミネートは2作だけでしたが、この2作、全く性格の異なる作品ながら、いずれも優劣付け難い力作で、投票の結果は何と全くの同点!
よって、2作とも最終候補に残ることになりました。

詰パラ 2021年9月号
原田豪氏作

詰パラ 2021年9月号
中村宜幹氏作 「国士無双」

詳しくは別稿にて。

■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。
帰りの電車は磯子行きで、途中で座ったら途端に爆睡。親切な乗客の方に、「終点ですよ」と声を掛けていただかなかったら、車庫に入っていたかも?

■1月の例会の会場は従来と同じ「きゅりあん」ですが、「きゅりあん」がリニューアル工事に入るため、しばらく他の会場での開催になります。今のところ、2月と3月の例会は蒲田の大田区産業プラザに決定です。以前、解答選手権の会場にもなっているので、ご存知の方も多いことでしょう。京急蒲田駅から徒歩3分です。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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2021年12月16日 (木)

No. 253 第372回詰工房例会報告

1127日(土)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、井○徹也、馬○原剛、沖○幸、加○徹、金○清志、小○正浩、新○江○弘、芹○修、竹○健一、太○岡甫、松○成俊、柳○明、田中徹 以上14
二次会から参加 宮○敦史(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■来年2月の例会は蒲田の大田区産業プラザに決まったようです。
以前、解答選手権の会場にもなっているので、ご存知の方も多いことでしょう。京急なら、京急蒲田駅から徒歩3分で行けますので、JRよりお勧めです。

■竹○さんから、つみき書店の「夏休みの自由研究 2021」を頂戴しました。自分が注目している松下さんの研究や、懐かしい「超短編における中合対策の研究」(風みどりさん)などが載っていて、興味深く拝見しました。
竹○さん、ありがとうございました。

15時を過ぎて、春霞賞の選考の時間。解説は太○岡さん。
ノミネートの5作から候補に残ったのは…。

詰パラ 2021年8月号 
大学院3 若島正氏作

詳しくは別稿にて。

■続いて注目作のご紹介。今回も詰将棋メーカーから数局ピックアップしました。
では、注目作の中から、いくつかご紹介していきます。


詰パラ 2021年8月号
小学校6 太刀岡甫氏作

202186

34角、同桂544642桂成 まで5手詰

初形の、玉方42桂と攻方46桂。詰上がりでは、この2枚の桂馬の向きが入れ替わっています。本年2月号中8齋藤光寿氏作が、同様の狙いの9手詰で、本作はこれを最短手数で表現したもの。
こうした記録狙いの作品では、手順や形が二の次にされがちですが、そこは同人入り目前の実力者、4手目を移動中合にすることで、しっかりした本格作品に仕上げているのは流石です。


詰パラ 2021年8月号
中学校10 三輪勝昭氏作

2021810

48飛、56玉、57飛、65玉、66金、74玉、44飛、同金、
54飛、同金、75金 まで11手詰

あえて角の利きを遮る形で、48飛、57飛、66金と連打。そしてすぐさま2枚の飛車を捨て去り、角筋を通して75金まで。一手の無駄も隙もなく、狙い通り仕上げる満点の出来上がりです。
これを良く11手でまとめたものと感服します。宮田先生も絶賛の逸品。


スマホ詰パラ 2021年10月
No.17356 keima82氏作

17356_keima82202110

45角、34歩合、同角、22玉、33と、同玉、45桂、22玉、
33桂成、同玉、43歩成、22玉、33と、同玉、43香成、22玉、
33成香、同玉、43香成、22玉、33成香、同玉、43香成、22玉、
33成香、同玉、44金左、22玉、33金、同玉、25桂、22玉、
21桂成、同玉、43角成、12玉、13歩、22玉、44馬、21玉、
54馬、22玉、55馬、21玉、65馬、22玉、66馬、21玉、
76馬、22玉、77馬、21玉、87馬、32桂合、同馬、同玉、
24金、34桂合、同飛、21玉、32飛成、同玉、33桂成、21玉、
22成桂、同玉、34桂、32玉、42香成、21玉、33
 まで71手詰

4筋の香配置と玉方88歩から、手順は大体想像がつくでしょう。結局45筋の駒は、49香以外すべて捨てますが、その順序がきちんと決まっていて、手順前後が利かないのは流石です。
邪魔駒を整理してスッキリしたところで、馬鋸が登場し、収束は大駒2枚を消してピタリと着地。また、序の34歩合に対し、収束で34桂合とエコーのような捨合が出るのも、好感度を高めるアクセントになっています。
実は本作を紹介中、48香消去の理由を聞かれ、思い出せずに大慌て。皆さんのご協力で、27手目44金左に42玉と逃げた時、43角成、51玉、58飛62玉、53飛成以下詰ますためと判明しましたが、こんなんではダメですね。猛省。


スマホ詰パラ 2021年10月
No.17451 ぬ@y氏作

17451_y202110

15、24玉、26香、15玉、17香、26玉、28香、17玉、
29桂、同角成、27金 まで11手詰

この形からは15香打は必然。以下24玉には26香、15玉には17香と、4枚の香車をジグザグに連打します。前例がありそうな気はしますが、とてもシンプルにまとまっていて、この筋の決定版と言って良さそうです。何より、玉方381枚で香の打ち場所をすべて限定しているのが絶妙。
ところでぬ@yさん、このPNの読み方教えてください!


詰将棋メーカー 2021年10月 
ウリンチャージ氏作

_202110_19

49香、48歩合、同角成46玉、4735玉、4634玉、
4543玉、4432玉、41角、31玉、32歩、42玉、
4341玉、42 まで19手詰

2手目37玉は46角、56玉には23角があるので、48歩合。これを同角成と取ると、あとは一気呵成。48から42まで、馬が4筋を駆け上っていきます。
3筋の2枚のと金がうまい配置で、玉の逃げ方までしっかり限定。収束も好手41角からの巧妙な手順で、文句なしの一級品です。
正直、感動しました。


詰将棋メーカー 2021年10月 
シナトラ氏作  ◇4解 その1(変同利用)

_202110_3

(1)56銀、同玉、66龍 まで3手詰
(2)56銀、同と、65龍 まで3手詰
(3)56銀、同龍、64龍 まで3手詰
(4)56銀、54玉、63龍 まで3手詰


詰将棋メーカー2021年10月 
シナトラ氏作  ◇4解 その2(変同利用)

_202110_3_20211216184701

(1)46龍、同玉、56金 まで3手詰
(2)46龍、同馬、65金 まで3手詰
(3)46龍、同と、54金 まで3手詰
(4)46龍、同香、45金 まで3手詰

2作とも、変同を利用して複数解を表現した、シナトラさんらしい先進作。どちらも初出はTwitterとのことです。
その1は、最終手が66龍から63龍まで、6筋一直線の4種類。その2は、最終手の打ち場所が、56655445と菱形を形成しています。
いずれも複数解のお手本となるべき作品で、特に1は、わずか7枚の配置で鮮やかに4つの解を描き分けていて、現代の古典として記憶されるべき一局と信じます。

■例会が終わって1階に降りると、そこには宮田先生の姿が! 
詰キストの会合に、しかも二次会だけ参加してくださるプロなんて、そうはいません。もう、尊敬しかありません。

■この日も例会終了後は、無理をせず撤収。
帰りの電車の中では立ったままでしたが、それでも睡魔には勝てず、派手に膝カックンをしてしまいました。あ~、恥ずかしい。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ「詰将棋の欠片」と、まっつぁんこさんの「あーうぃ だにぇっと」をご覧ください。

■ではまた。

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2021年11月 3日 (水)

No. 251 第371回詰工房例会報告

■1024日(日)詰工房の例会に参加してきました。
参加者:青○裕一、馬○原剛、加○徹、金○清志、久○紀貴、小○正浩、新○江○弘、芹○修、太○岡甫、利○偉、宮○敦史、柳○明、山○剛、田中徹 以上14名(以上敬称略)
※漏れや誤字があったら申し訳ありません。

■コロナの新規感染者数が激減し、緊急事態宣言も解除になりましたが、人数を制限して予約制で行うのは今までと変わりません。まだしばらくは、こうした対応が続きそうです。
心配なのは、いつも詰工房の例会に使っている「きゅりあん」が、改修工事のため来年2月から1年間休館になること。詰工房のHPを見ても、来年2月以降のスケジュールは不明です。
どうなる、詰工房?

■15時を過ぎて、そろそろ春霞賞の選考の時間と思ったら、進行役の久○さんがまだ来ていません。少し遅れるとメールがあったそうで、今回は順番を変更して先に注目作をやることになりました。
すると注目作を紹介しているうちに、これ構想作でしょ、加えませんか? あ、これも入れようよ? ということで春霞賞の選考対象に2作の追加が決定。当初のノミネート7作から2作増えて、計9作で投票が行われることになりました。その結果は後ほど。

■このところ、詰将棋メーカーが元気です。多い時には、1日に10局以上の新作が並び、同時に、レベルの高い作品も徐々に増えつつあります。そこで今回初めて、詰将棋メーカーの発表作からも数局、注目作としてご紹介することにしました。
詰将棋メーカーは自動応手ではなく、従来は全て自力で解答しなければなりませんでしたが、今は「ヒント機能」があるので、これで次の一手を教えてもらえば、確実にゴールすることが出来ます。今まで高かった敷居が、かなり低くなったと思います。
まだ詰将棋メーカーをご覧になったことのない方は、一度覗いてみることをお勧めします。

では、注目作の中から、いくつかご紹介していきます。


詰パラ 2021年7月号
高校1 太刀岡甫氏作

0300-1

4543玉、33桂成、同玉、2523玉、33桂成、同玉、
4532玉、33桂成、同玉、34歩、32玉、43香成、同玉、
23飛成まで17手詰

「桂打ち+桂捨て=間接消去」×3回。作者も会場に来られていたので、ひと言コメントをお願いしたところ、「傑作だと思います」と言い切る潔さ。もちろん、そう自負するに足る完成品に仕上がっています。
「桂打ち+桂成捨て」の4手で、1枚の歩を消す。驚くべきは、この41組の手順を3回繰り返す以外は、収束の5手だけという極めてシンプルな構成であること。これほど何の不純物もなく図化できたのは奇跡的で、まさに掛け値なしの「傑作」です。


詰パラ 2021年7月号
デパート5 渡辺直史氏作

202175

9935玉、55飛、34玉、8944玉、56飛、34玉、
66飛、44玉、67飛、34玉、77飛、44玉、78飛、88歩合、
同角、34玉、77飛、44玉、67飛、34玉、66飛、44玉、
56飛、34玉、55飛、44玉、45飛、34玉、35歩、同と、
44飛 まで33手詰

99と892枚の角を最遠打。そして始まるのが飛車鋸です。序奏も収束もほとんどなく、鋸引きが終わった瞬間に訪れる終局。それが結果として狙いの飛鋸を際立たせています。
なお、この後にご紹介する作品と合わせて鑑賞していただくと、一層興趣が湧くことでしょう。


スマホ詰パラ 2021年9月
No.17216 relax氏作 「天の角」

17216_relax_202109

1187玉、76角、86玉、21角生97玉、17飛、57と、
98歩、86玉、87歩、75玉、76歩、64玉、65歩、53玉、
54歩、42玉、43歩、31玉、37飛、21玉、27飛、32玉、
22飛成、43玉、33龍、54玉、44龍、65玉、55龍、76玉、
66龍、87玉、77龍、98玉、88龍 まで37手詰

こちらは1121に角を並べたい。しかし、11角、87玉のあと、21角と打つと、32歩合の妙防があり、同角成でも、同角生でも詰みません。そこで、いったん76角と短打し、86玉に21角生と最遠移動するのが巧妙な手順。1枚は遠打、1枚は最遠移動により、1121に角を据えることに成功しました。
17飛、57との交換で歩詰を解消してから、歩の連打で斜め追い趣向がスタート。折り返しの龍追いで、並べた歩を全て消し去るのも定法通り。
本作者relax氏は前作飛鋸の作者渡辺氏の筆名と思われ、そう考えれば、両作品におけるいくつかの共通点が浮かび上がってきます。両作は姉妹作なのか、その創作過程を伺ってみたいところです。


スマホ詰パラ 2021年9月 
No.17171 竜馬麒麟氏作

17171_202109

47香、45香合、56、同桂、34金、同玉、45馬、33玉、
35香、34歩合、同馬、32玉、43馬、23玉、34馬、22玉、
33馬、13玉、24馬、22玉、33香成、12玉、34馬、13玉、
35馬、12玉、45馬、13玉、46馬、12玉、56馬、同歩、
13歩、同玉、14歩、12玉、24桂 まで37手詰

初手47香に、45香と捨合をした場面。ここで34金とすれば、以下同玉、45馬と手が続き、主戦場は1~3筋に移ります。しかし、それでは手駒が足りず、詰みません。
3手目、当然に見える34金の前に、56桂(!)と跳ねておかねばならなかったのです。その効果は、収束に出現する馬鋸の質駒という形で現れます。一見、その後の展開に全く無関係に思えて、思考外の着手となっており、効果満点の伏線となっています。
後半のミニ馬鋸と序の伏線の組合せを見て、作者のセンスと創作力を評価する声多数。その他にも攻方馬の大活躍や2度の捨合など、見どころ豊富な好作です。


スマホ詰パラ 2021年9月 
No.17256 勇気凛々氏作

17256_202109

77龍、75歩合、66桂、73玉、75龍、74歩合、84龍、62玉、
74桂、51玉、52歩、61玉、62歩、52玉、53歩、51玉、
61歩成、同玉、62桂成、同玉、64龍、71玉、72歩、同玉、
74龍、61玉、52歩成、同玉、63龍、51玉、53龍、61玉、
62歩、71玉、81歩成、同と、51龍、72玉、81龍、62玉、
63歩、73玉、83龍 まで43手詰

盤面7枚のスッキリした配置からは、43手も掛かるとは想像もつきません。6手目74歩合に、同龍でも64龍でもなく84龍としたり、21手目64龍としながら、この後74龍でまた6筋、5筋方面に追い出したりと、あえて回りくどい手順を選んでいるかのような、不思議な攻防が続きます。
「面白い攻め方」、「変わった攻め方」、「まどろっこしい攻め方(=ホメてます)」等、好評でした。


詰将棋メーカー 2021年9月 
Haru氏作

Haru_202109_127

28香、12玉、14香、13飛合、同香成、同玉、15飛、14香合、
同飛、同玉、16香、15飛合、同香、同玉、17飛、16香合、
同飛、同玉、18香、17飛合、43馬、34と、
17香、同玉、13飛、16香合』 =『A』、53馬、35と、
16飛成、同玉、18香、17飛合』=『B』52馬、34と、
『A』62馬、35と、『B』61馬、34と、
『A』71馬、35と、『B』61馬、34と、
『A』62馬、35と、『B』52馬、34と、
『A』53馬、35と、『B』43馬、34と、
『A』18歩、同玉、16飛成、29玉、38銀、39玉、
19龍、38玉、39香、47玉、17龍、56玉、26龍、67玉、
66龍、78玉、77龍、同玉、68金打、87玉、62桂成、86玉、
53馬、87玉、54馬、86玉、64馬、87玉、65馬、86玉、
75馬、87玉、76馬、同桂、96銀、86玉、87歩、同桂成、
95銀、85玉、96銀、86玉、87歩、同桂成、95銀、85玉、
84金左 まで127手詰

「香打+飛合」、「飛打+香合」の繰り返しによって、玉の位置をコントロールしながら行う複式馬鋸1往復です。
合駒制限のため多数の駒を配置せざるを得ませんが、全ての駒に意味を持たせたうえに、おまけの馬鋸まで挿入したのはお見事。今のところ、本作が詰将棋メーカーで出題された(オリジナル作品の)最長手数作品のようです。


詰将棋メーカー 2021年9月 
munetoki氏作  ■月間MVP

Munetoki_202109_mvp

24金、同香、34金、同玉、26桂、33玉、43金、同飛、
23金、同玉、35桂、22玉、34桂、11玉、44馬、同飛、
23桂生 まで17手詰

中盤で43金、23金と、持駒の金を使い切ってしまうのが、心理的な難手。桂2枚ではとても詰みそうに思えませんが、桂を連打した後の44馬が鮮やかな決め手で、最後は桂吊るしの詰上りとなります。
2枚による清涼詰という難度の高いテーマで、これだけの手順を実現したのは、現代清涼詰の第一人者の作者ならでは。「サロンに出せば余裕で月間最優秀作いけたでしょ?」との声も。
詰将棋メーカーという新しい媒体において、作品の質の面で最も大きく貢献しているのが、munetokiさんだと思います。

■注目作の紹介を始めて間もなく、久○さんが到着。緊急事態宣言の解除で都県をまたいだ移動が可能になり、久し振りの参加です。
ノミネートが9作に増えたのは想定外でしたが、作品の紹介は的確かつ明快でした。
投票の結果、候補に残ったのは次の2作です。

詰パラ 2021年7月号 
デパート4 相馬慎一氏作
◇選択を封じる連続合駒。

詰パラ 2021年7月号 
デパート3 市川孝夫氏作
◇玉方銀の4回転。

詳しくは別稿にて。

■例会終了後は、無理をせず撤収。この日は往きも帰りも、電車の中では爆睡でした。

■この日の模様について知りたい方は、例によってhirotsumeshogiさんのブログ、「詰将棋の欠片」をご覧ください。

■ではまた。

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